巨人は最強のクローザーと世界一捕手を補強。阿部監督からすれば、悲願の日本一に向けてもう言い訳が一切利かない状況となった
さあ、2025年のプロ野球が開幕! めでたい! ......というわけで(?)、昨シーズンオフからここまでマル秘ネタをためにため込んできた番記者たちが、覆面座談会で一挙に大放出! その手腕が注目される新監督5人の現状、優勝候補球団の内情など、なかなか表に出ない要チェックな話がてんこ盛りですよ!!
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■「上沢問題」、新庄監督の本音は?
スポーツ紙デスク MLB開幕戦の大谷フィーバーがすさまじすぎて、NPBは気がつけば開幕、という感じだね。
記者A 実は話題もけっこう多いんですけどね。久々に巨人が"金満補強"したり。
記者B "球界の悪役"が復活かな?
記者C 金満とか悪役とか、そんな言い方してたら出禁になりますよ(笑)。"勝利への執念"ってことで。
デスク 大勢という若き守護神がいるのに、4年総額50億円で中日からライデル・マルティネスを獲得。ソフトバンクからも世界一捕手の甲斐拓也をFAで獲得。小林誠司、大城卓三(たくみ)、岸田行倫(ゆきのり)の3捕手は、完全に補欠扱いになっちゃった。
A 阿部慎之助監督は昨季、リーグ優勝しながらCSでDeNAに負けたことが悔しくて仕方ないんですよ。甲斐の獲得は、打撃には多少目をつぶってでも「大事なところで勝ち切る」能力、センスが欲しかったということ。
阿部監督から「絶対的な司令塔が欲しい」とラブコールを送られ、自身の現役時代の背番号10番まで用意され巨人に移籍した甲斐
B それにプラスして、楽天とこじれた田中将大(まさひろ)も入団。どこまで戦力として計算しているかは微妙だけど。
C 春季キャンプでは久保康生投手コーチと二人三脚での"魔改造"が話題になりましたが、ここにきて開幕カードの先発を回避。故障ではなく、調子というか状態の問題みたいですが。
デスク 開幕ローテ入りを明言した阿部監督も、シーズン通して戦力になるとは思っていないはず。本人のコンディションが良く、リリーフ陣にも余裕があるときに5、6回投げてくれれば御の字。日米通算200勝まであと3つだから、達成すればチームにも弾みがつくしね。
A 巨人の問題は戦力がダブついた分、もし負けが込んできたら不協和音が出てくる恐れがあることですかね。
B 一方、甲斐を巨人に獲(と)られたソフトバンクは、米球界に挑戦していた上沢(うわさわ)直之(前レッドソックス)をゲット。
C 昨年は山川穂高(ほたか/前西武)、その前年には近藤健介(前日本ハム)と有原航平(前レンジャーズ)。それこそ金満補強はお手のものです。
デスク 以前は育成出身を含む生え抜きの主力が多かったけど、最近はドラフト上位の選手がほとんど育っていないんだよね。それで働き盛りの中心選手を補強に頼るようになってしまった。
A ただ、ルール上は問題ないんですが、上沢の獲得に関しては批判も多かったですね。日本ハムからしてみれば、2023年オフにタダ同然のポスティングでMLB挑戦を認めてあげたのに、わずか1年で国内の他球団に獲られた形ですから。
昨季MLBに挑戦するもメジャー定着ならず、ソフトバンク入りでNPBに「出戻り」となった上沢。古巣・日本ハム戦での登板が注目される
B あの新庄剛志監督が珍しく「プロ野球自体がその流れになってほしくない」と苦言を呈したことも大きな話題になったけど、あれは"芝居"だよね? 本当に上沢が欲しかったなら、文句を言うべき相手は本気で獲得競争に参戦しなかった日本ハムの球団フロントのはずだよ(笑)。
C うまかったですよね。あのひと言で、選手もファンも見事に結束した。悪者扱いになってしまった上沢は気の毒ですが......。
デスク あの発言の真意はともかく、新庄監督の評価は年々上がっているね。就任当初は"タレント監督"と揶揄(やゆ)する声も多かったけど、選手を競争させて育成する手腕は見事。就任4年目で文句なしの優勝候補になった。
A ただ、そろそろ引き際は考えているかも......。というのも、どうやら2軍監督をやりたいらしいという説があるんです。「勝ち負けより、選手を育てるほうが向いているし楽しい」と。
B 今季、順位はともかく気持ちいい終わり方ができたら、2軍監督に"異動"するかもしれないね。その場合は稲葉篤紀現2軍監督との入れ替え人事になるのかな。そのために待機しているようなものだから。
C いや、前オリックス監督の中嶋聡氏の名前も浮上しています。日本ハムでプレーしたOBでもあるし、球団幹部はオリックスでリーグ3連覇を達成した手腕を高く評価しているようです。
■井上→新庄「きよめぱん」事件
デスク 12球団のうち5球団が新監督というのも異例の多さだよね。阪神の藤川球児監督以外、あんまり話題にならないけど(笑)。
A 西武・西口文也監督、中日・井上一樹監督、オリックス・岸田護監督、そして5年ぶり"再登板"の楽天・三木肇監督。西口監督は球団としてはレジェンド級の選手でしたが、全体的にちょっと地味っちゃ地味です。
B 最注目の藤川監督にしても実は"記者泣かせ"だしね。解説者としては理論派でトークもうまく大人気だったけど、監督になったら見出しになるようなことはほとんど口にしなくなった。
報道陣を遠ざけるわけではないが、選手個々に関する具体的なコメントはほとんどしない阪神・藤川監督
C 個々の選手に対する評価や苦言のコメントなんて、今や望むべくもない(苦笑)。"野球脳"の鋭さという点では岡田彰布(あきのぶ)前監督と似た部分があるけど、アウトプットは正反対です。
デスク ただ気になるのは、就任早々に「4番打者は森下翔太」と指名したこと。真意はなんだろう?
A 佐藤輝明のポスティングは時間の問題とみられていますから、ポスト・サトテルとして早めに中核に据えたいってことですかね。
B いや、そもそも藤川監督は4番絶対主義者じゃないと思うよ。むしろあれは、4番から5番に移る予定の大山悠輔の性格を考えているみたい。大山はマジメでなんでも背負い込んじゃうから、"4番の重圧"なるものから解放してあげようという。
C ともあれ、問題はやっぱり、采配に失敗したときや負けが込んだときですよね。どんな名監督でもミスはするもの。そのときどう対処するかで、監督の人間性みたいなものが見えてくるじゃないですか。藤川監督に限らず、どの新監督にも言えることですが。
デスク 新監督になってムードが変わったチームといえば......やっぱり中日かな。前任者と比べるわけじゃないが(笑)、井上監督は陽気だからね。繊細さと大ざっぱさが適度に混在している性格も監督向きっぽい。
現役時代はピンクのリストバンドで鳴らした中日・井上監督。指揮官となっても「陽キャ」は変わらない
A 日本ハムとのオープン戦では、試合直前のメンバー表交換時、新庄監督に名古屋名物の和菓子を贈ったことが話題になりましたね。
B 井上監督は、新庄監督からちょくちょくもらいものをしていたらしい。その返礼に何かないかとネット検索していたら、新庄監督の好物は「菓子パン」とあった。でも、ただの菓子パンじゃ土産にならない――ということで探し続けたら、「きよめぱん」にたどり着いたらしい(笑)。
C 名古屋人なら誰もが知っているほどの超有名銘菓ってわけではないですけどね。中身が粒あんの和菓子で、お清めの意味も込められているから「縁起がいい」とセレクトして、プレゼント。
デスク ところが、実は新庄監督は「和菓子はOKだけど粒あんは苦手」だったという......。見事なオチ(笑)。
A 井上監督は"選手ファースト"な印象です。例えばエースの髙橋宏斗は、山本由伸(ドジャース)から教えてもらった"やり投げ練習"を昨年までは禁じられていて、陰でこそこそやっていた。でも、今年はキャンプで堂々とやっていましたから(笑)。
B ただ、ソフトバンクOBの松中信彦打撃統括コーチの招聘(しょうへい)は意外だった。平成唯一の三冠王に輝いた打撃職人だけど、NPBでのコーチ経験はなし。気になるのは、石川昂弥(たかや)を4番に起用し育てるという意欲をはっきり口にしていること。阪神の藤川監督のように、本心では4番をあまり重視していないというわけでもないだろうし。
C もちろん井上監督の同意を得た上での発言だけど、中日には細川成也(せいや)というれっきとした4番打者がいますからね。あえて今、4番を代える意図がよくわからない。
■西武の首脳陣は「昨日の敵は今日の友」
デスク 意図がわからないといえば楽天の監督人事。2020年にたった1年で指揮官の座を降りた三木監督の再起用だけど、本気でチームを再建する気があるのかねえ。
A 三木さんは前回の1軍監督退任後もずっと2軍監督を続けてきましたから、よほど球団が評価しているか、上層部の誰かに気に入られているか(笑)。というか、三木さんは2008年に日本ハムで引退してから、実は一度もユニフォームを脱いでいないんですよね。
5年ぶり「再登板」の楽天・三木監督。前回は4位というビミョーな成績で、1年限りで2軍監督に配置転換
B まあ、ひとつ言えるのは......楽天は今や、誰も監督をやりたがらないチームってこと(苦笑)。かつて三木谷浩史オーナーの過度な"現場介入"が話題になったけど、昨季1年限りで辞任した今江敏晃前監督の時代でも、まだ介入はあったようだし。
C チームの大看板だった田中将大の退団も、後味が悪かったですしね。
デスク 西武は、2軍のコーチ、監督を経験させて教育した"候補生"を1軍監督に昇格させるいつもの人事。西口監督も"次期監督"といわれ続けてかなり長かった。
A 現役時代はポーカーフェースのエースでしたよね。今も取っつきにくさは変わらないけど、意外と選手への苦言など遠慮せず発言していて、あの世代の指揮官にしては珍しいタイプかも。
B 寝坊した選手に、即刻3軍行きを命じたりね。それと西口政権で注目すべきは、これまで西武と縁がなかった鳥越裕介ヘッドコーチ、仁志(にし)敏久野手チーフ兼打撃コーチの招聘でしょ。情熱派の鳥越コーチと理論派の仁志コーチ、好対照のふたりがバランス良く働けば、面白い首脳陣になる気がする。
C 西口監督が2軍監督だった時代、鳥越コーチはロッテ、仁志コーチはDeNAで2軍監督を務めていて、イースタン・リーグで何度も対戦しているんですよね。野球観に共通するものを感じたのかも。
デスク 残るはオリックスの岸田監督だけど、まだ「監督らしくない」よね(笑)。日頃の挨拶や物言いなど、裏方さんや年上の関係者らに気を使いまくっているというか。
A まだ43歳ですし、監督のオファーを受けて本人が一番驚いたといいますから。近鉄と合併した後の「オリックス・バファローズ」出身者が初めて監督になるという歴史的意義はあるようですが。
リーグ3連覇の名将・中嶋前監督の後を継ぐことになったオリックス・岸田監督。オープン戦は最下位
B しかし今のオリックスは、2023年までリーグ3連覇したチームとは思えないほど元気がないね。キャンプもオープン戦もファンは熱心でにぎわいはあるけれど、選手や関係者は悪い意味で"人気慣れ"している印象さえある。
C そういえば、エースの宮城大弥(ひろや)が"プチマッチョ"になりましたよね。今オフのポスティング、MLB挑戦を意識した体重増だったりして。
デスク 本人は、シーズン通して投げ切るための体づくりだと言っているけどね。責任感が強い選手だけに、昨季、山本由伸の穴を埋められなかったことの責任を痛感しているようだし。
A とはいえ、いずれその山本の後を追ってMLBに挑戦する可能性は高いでしょう。
B ポスティングの話題は多いね! 今オフはヤクルトの村上宗隆がほぼ当確。今オフも含め数年以内に行く可能性が高いのが、さっき話が出た阪神のサトテル、日本ハムの万波中正(まんなみ・ちゅうせい)、伊藤大海(ひろみ)、それから巨人の岡本和真......。
C まあ、選手心理として挑戦したい気持ちはわかります。日本でもMLBの人気が高まっているから、ファンも後押しムードだし。
デスク 球団側の本音を言えば、せめて日本での最終年はキャリアハイ級の成績を残してほしいだろうけどね(笑)。