日本のSNSの草分けとして“足跡”を残してきたmixi。その後、フェイスブックやツイッターといった海外勢に押し切られ、その存在感は徐々に薄れていった……。

が、しかしmixiはまだ諦めてはいない。昨年6月には、収益を確保するために創業者の笠原健治氏が代表権のない会長となり、新CEOに当時30歳の朝倉祐介氏が就任。起死回生を狙った。

一連の流れについて、アルファブロガーでmixiウオッチャーのやまもといちろう氏が解説する。

「朝倉氏は衰退著しいmixiの穴埋めとして、街コンイベントを運営するコンフィアンザ社やスマホ向け出会い系サイト『YYC』を買収しました。収益悪化に歯止めをかけるために、収益性の高い“出会い”事業を買った形になります」

さらに昨年10月に突然の“リストラ策”を断行。

「リストラ策にしても、mixiという会社が今後、再びネット界隈の中枢に返り咲くために、いろんな試行錯誤を重ねている証左ともいえます」(やまもと氏)

そんななか、今mixiに復活の転機が訪れているというのだ。仲間と一緒にモンスターを倒すゲームアプリ『モンスターストライク』(以下、モンスト)が昨年10月のリリース以来、好調ですでに500万ダウンロードを達成。

「業績的にも株価的にも救世主となった『モンスト』ですが、500万ダウンロードのうち、どのくらいが正味のユーザーによるものなのか、または広告宣伝の名目でダウンロード数を増やした“有償ブースト”なのか、実際のところはわかりません。とはいえ、mixiにとっては前向きな事業の成功ですから、これを基点に、再び飛躍できるようなサービスを提供してほしいと願っています」(やまもと氏)

ウオッチャーだからこその厳しい見方ではあるが、現にmixiは「モンスト」によって通期予想を上方修正するまでに回復。さらに、中国、香港、マカオへの拡大を目指し、中国企業も買収している。この先も“足跡”を残せるのか。今が勝負の時!

(取材・文/頓所直人)