決してモノ雑誌などには取り上げられない、ちょっといい“ウラ話”を業界のプロたちがこっそり告白。どうしても言いたい愚痴って、どの業界にもありますよね?

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個性的な社長がそろった携帯電話業界。ソフトバンクの孫正義氏は有名だが、ネット上で「田中プロ」と呼ばれるKDDIの田中孝司氏も負けてはいない。

プロの愛称は、自身の発言に由来する。新端末の発表時に、「私はプロですから」と述べ、超個人的なオススメポイントを紹介。この独特の会見が、ネット中継を見ていたガジェット好きに大ウケし、プロという呼び名が定着した。

実際、田中氏は技術畑出身。スタンフォード大学に留学経験があるなど、IT技術には人一倍詳しい。KDDIが新技術に力を入れるのはそのためだ。

技術好きなだけに、感覚がユーザーに近いのだろう。記者会見では、時に歯に衣着せぬ発言も飛び出す。最近では、音声定額プランを発表したソフトバンクに対して、「あれ、高いよね」と一蹴。ドコモの新料金プランに対しても「よう安いって書きますね~」とマスコミに苦言を呈した。

これだけだとライバルをおとしめているようにも思えるが、田中プロはなんと自社の新料金についても「本音では高いと思う」と驚きの発言をしてしまう。あまりのぶっちゃけぶりに、普段は厳しいネット民たちもあっけにとられ、「じゃあ安くしろよ!」という突っ込みもほとんど入らなかった。

ユーザー感覚に近い田中プロならではの、ほのぼのエピソードだが、読み手の反応を予想して、あえてこういう発言をしていたとしたら恐ろしく計算高い。できれば、そうでないことを祈りたいが……。

(取材/滝田勝紀 河原塚英信)