イオン傘下のコンビニ、ミニストップで10月3日から格安スマホの販売が始まった。
その名も、LTE高速通信対応の「イオンスマホLTE」。イオンオリジナルのスマホとしては第3弾となるが、コンビニで買えるというのは今回が初。なかなか画期的である。
ただ、気がかりなことが……。
というのも、スマホを購入するときには、店頭で店員から長々と説明を受け、さまざまな契約書などにサインをして、ようやく端末が自分の手元に渡される。けっこうな時間がかかるからだ。
そんな複雑なオペレーションを、忙しいコンビニの店員さんができるのか。もし、混雑時に「スマホください」なんて客が来たら、それこそミニストップならぬ“店ストップ”なんてことにならないか!?
そこで販売開始から数日後、複数店舗を回ってみた。
まずはオフィス街にある店舗。時間帯は夕方で、混み具合はまあまあ。店内でイオンスマホを探すと、カップラーメンにお湯を入れるポットなどが置かれた、店内で最も目立たないエリアでチラシを発見! 学生っぽい女子店員さんに声をかけてみた。
―すいません、スマホってここで買えるんですか?
「え~と、スマホですか? どうでしょう……」
明らかに困惑顔の店員さん。すると、横から私服の男性がこちらに近づいてきた。
「今、勤務を終えたこの店の店長ですが、スマホですよね」
と、勤務時間外にもかかわらず、店長さんが丁寧に説明をしてくれた。
「お店では、スマホの端末はお渡しできません。代金の3万7713円を一括で払っていただいて、契約書を買っていただくような感じです。あとはお客さまが契約書を書いて投函すると、端末がご自宅に送られます」
なるほど。それならややこしい説明を店員さんがする必要はないってことか。
慣れない作業により店員の負担増が懸念される
今度は住宅街にある店舗で、料金プランについて聞いてみる。深夜、アルバイトの男性店員が応対してくれた。
「基本料金は確かー、月額1650円だったと思います」
と、記者と一緒にチラシをのぞき込みながら頑張って答えてくれたが、通話料について尋ねると、「すみません。詳しくはそちらのチラシにあるコールセンターにお問い合わせください」とのこと。しかし、記者はなかなか電話番号を見つけられない。
すると、店員さんも、「あれっ、ないですね。すみません少々お待ちください!」と、慌ててバックルームに戻る。そして、待つこと約3分……。
手には小さなメモ用紙が。そこには、〈スマートフォン全般的な質問 イオンスマホコールセンター 0120……〉と、手書きの問い合わせ先が! なんとも心のこもった接客だ。
だが翌日、コールセンターに電話をすると、音声ガイダンスが流れ、「本サービスをご利用にあたっては、イオンスマホ安心パックへの事前のお申し込みが必要となります」と、つれない返事。契約前の質問には答えてくれなかった。どうして?
実は、目を皿のようにしてチラシを読めば、通話料も含めて、だいたいのことはすごく小さな文字で書いてあったのだ。これでは、やはり店員さんの負担は増えそう。ただ、別の店舗の店長さんは、こう話してくれた。
「まだ1台も売れてないですし、そんなに売れないでしょうから、別に心配してませんよ」
(取材・文/頓所直人)