これが50万台無料配布中の「チャレンジタッチ」。通信添削もタブレット端末で行なえるとは、スゴイ時代になったものである これが50万台無料配布中の「チャレンジタッチ」。通信添削もタブレット端末で行なえるとは、スゴイ時代になったものである

パソコンはもちろん、電子黒板やタブレットの利用など教育現場のデジタル化が急速に進んでいる。

たとえば、日本で初めて小学校にコンピューター教育を導入した茨城県つくば市は現在、すべての公立小中学校で電子黒板、タブレットを活用した授業を推進中。加えて、オンラインで家庭学習ができる「つくばオンラインスタディ」というシステムも構築している。

また、KDDIは福岡市教育委員会らと共同でICT(情報通信技術)を活用した教育実証研究を実施中。教育モデル校となっている福岡市立賀茂小学校(福岡市早良区)にタブレット端末100台を配備して、授業や校外活動での活用やインターネットでの情報収集などIT教育を実践している。

一方、通信教育の場でもデジタル化が加速中だ。特に、学習専用タブレット「チャレンジタッチ」50万台の無料配布を開始するなどデジタル化を強力に推し進めているのが、業界大手のベネッセ。

それにしてもタブレット50万台を無料配布とは、思い切った戦略である。というか、大盤振る舞いし過ぎではないのか? その問いに、同社デジタル講座開発課の早川周作氏はこう答える。

「そもそもチャレンジタッチは、昨年4月のリリースから6ヵ月のご受講を前提に無料配布していました。実際、ユーザーの皆さまより高く評価いただいた結果として当初の想定よりも長い期間、受講される方が増えていました。

我々としてもタブレット、内容ともに自信を持てたことがあり、2015年3月に講座開講1周年を迎えることを記念し、是非多くの小学生にお役立ていただきたいとの考えから受講月数を問わず無料で提供する運びとなりました」

親子間のコミュニケーションツールとしても有効

“50万台無料配布”はユーザーの評価が思いのほか高く、「これはイケる」との判断があったためという。そんなご乱心…いや英断をさせるほど、ユーザーの高評価を集めたチャレンジタッチとは何がスゴイのか。早川氏が続ける。

「チャレンジタッチでは、学校の授業と同じように動画や音声での解説が最初に流れます。その後で問題を解き、間違えた場合はどこがいけないのかがわかる仕組み。さらに、チャレンジタッチのための専用エンジンを開発しました。これは、漢字であれば“とめ”“はね”“書き順”もきちんと判定してくれるものです」

ただし、記述問題はおなじみ赤ペン先生が採点。デジタルだけでなく紙の教材も使った“ハイブリッド形式”というわけだ。もちろん、その結果もタブレットを通して確認できるという。

また、チャンレジタッチは親子間の新たなコミュニケーションツールとしても活用できると早川氏。

「チャレンジタッチでは、親御さんのメールアドレスを登録すると、お子さんが学習した内容や採点結果がメールで届きます。ですので、結果を見て『100点とったんだね、おめでとう』などのメールをお子さんに送っている、との声も頂戴しています」

これを利用すれば、たとえ単身赴任で遠くへ出張しているお父さんでも、子供の成長が手に取るようにわかるというわけだ。もっとも、お父さんは安心でも、子供はガクブルものかもしれないが(苦笑)。

自分が子供の頃にこんなスグレモノがあったら、もっとまともな大人になっていたかも…そう思わずにはいられない。

■チャレンジタッチ 【http://sho.benesse.co.jp/s/touch/】

(取材・文/週プレNEWS編集部)