本誌記者もやっちまった! こんな状態でもひと通りの操作は可能。だが、タップ操作で指が出血! 修理を決断することにしたが…

液晶画面が割れたスマホを使い続けている人をよく見かける。

電車の中で、飲み会で…感覚的に、3日に一度見かけるだろうか。それも「一体、割れる直前に何があったんだ!?」と心配になるほどバッキバキに損壊している人が少なくない。

「早く直せばいいのに」…そう思っていた記者のiPhoneも、今じゃ液晶部分はバッキバキ(苦笑)。7月某日、駅のホームでLineをしていたところ、手元からiPhoneがスルリと落下して地面に衝突した瞬間、『パリッ』と。過去にも何度か経験はあったのだが、あんなに地味で乾いた音は初めてだった。

使用機種は、iPone5c(グリーン・16ギガ)。画面は割れても操作は可能だったので、不慮の事故から1週間ほど使い続けたが、ひび割れた画面上でのタップ操作は危険。時おり、小さな破片が指に刺さって出血を伴うことも。こんなのイヤだ(泣)。

とりあえず、職場近くのソフトバンクショップに行ってみると、「iPhoneを含むアップル製品の修理受付けは、アップルストアやアップルの正規修理業者でしか対応できない」旨を告げられた後、こう言われた。

店員「お客様の場合、『あんしん保証パックiプラス』に加入していませんので、修理代は全額負担となります」

「あんしん保証パックiプラス」とは、ソフトバンクのiPhone/iPad専用のアフターサービス。月額650円で「故障・破損・水漏れ」などのトラブル時に修理代金を85%~95%割り引いてくれるというものだが…あれ? 加入してなかったっけ?

店員「お客様の契約状況を見ると、間違いなくそうなっておりますが…」

そうだ…約1年前の契約時、しつこく加入を勧める店員に「壊したりしませんから大丈夫」とつっぱね、月額650円をケチったんだっけ…。

店員「でもお客様、アップルさんの側にも『アップルケアプラス』という故障時の補償サービスがあり、こちらに加入していれ…あ、契約状況を見ると、加入しておられなかったようです…」

マジっすか(苦笑)。

iPoneの修理代が高すぎる!

『アップルケア』とは、修理保証がiPhone購入日から2年間に延長される全キャリア共通のアフターサービス。月額576円を払えば、画面のひび割れを含む操作上の不慮の事故に対する修理サービスを7,800円で対応してくれるものだが…こちらも月額料金の支払いを嫌って加入していなかった(涙)。だが、そんなiPhoneユーザーは意外に多いらしく、

店員「当店ではお客様のようにどちらの補償サービスにも未加入の方が1~2割ほどいらっしゃいます」

都内auショップ店員にも聞いてみると「ウチの店では、全体の2~3割の方が未加入ですね」とのこと。では、それらの補償が付いてない場合、iPhoneのひび割れにはどれくらいの修理代が掛かるのか? 前出のソフトバンクの店員がその価格表を見せてくれた。

iPhone 6 Plus 38,664円iPhone 6      34,344円iPhone 5s/5c  31,104円iPhone 5      31,104円iPhone 4s     21,384円※7月下旬時点

これはアップルストアを利用した場合の修理代金なので、基本的には「ドコモもauも同等の修理代金になる」(ソフバン店員)とのこと。た、高い…!

店員「iPhoneのひび割れについては、アップルさんは基本的に修理せず、新しい端末に交換する対応をとりますので少々高めの設定になってしまいます。軽微な損傷なら液晶部分の交換対応となり、1万5千円程度で済みますが、本体にわずかでも歪みがあれば修理不能と判断され、新端末への交換を勧められます」

故障者続出で修理業者は大混雑!

ソフトバンクの場合、『あんしん保証パック』があればiPhone5cの修理費(端末交換代)が6624円(85%割引き)で済むそう。ならば、今から加入して「『破損したのはその後です』と別店舗で申告すれば、割引価格で修理できるかも?』なんて良からぬことを考えるユーザーもいそうでは…?

店員「そういった“不正”を防ぐため、『あんしん保証パック』は端末購入時の加入しか認められていません。これは他のキャリアの保証プランも同じです」

もはや、全額自腹で修理するしかないわけだが後日、都内のアップルストアに行ってみたら…

アップルストア店員「修理の受付にはネットなどからのご予約が必要で、今すぐには対応できません。混雑日は1週間ほど前からのご予約が必要ですので、修理を急がれるなら、アップルの正規サービスプロバイダ(修理業者)に行かれることをオススメします」

その足で、今度は正規サービスプロバイダのひとつ、「クイックガレージ・秋葉原店」に足を運ぶと…

クイックガレージ店員「外出中の方も合わせて現在、28名待ちでございます。2時間程度、掛かってしまうかと」(7月30日19時時点)

溜息――。その日は帰宅し、翌日14時頃、仕事の合間に再度訪れてみたのだが、

クイックガレージ店員「18人待ちです。1時間半ほど掛かりそうですね。ちなみにお客様が使用されている5cの在庫は残り4台ですので、待ち時間の間になくなる可能性もございます。その場合、時期は未定ですが、次回の入荷をお待ちいただくしかありません」

どんだけiPhone故障者多いんだ!(苦笑)

「あまりオススメはできませんが、アップルの非正規の修理店に行くという選択肢もあります。修理費が1万円以下と安く、仕事も早いんですね。それほど待たずに修理が完了します。ただ、非正規店で修理すると『改造』扱いとなりますので、その後、修理サポートなどのソフトバンクのアフターサービスが受けられなくなります。それでも良ければ…」(前出・ソフトバンクショップ店員)

安くて早いというメリットと、アフターサービスが受けられなくなるというデメリット。どちらを優先すべきか考えた末に前者を選び、非正規の修理業者選びから再スタートを切ることに。だが、そこで記者を待ち受けていた現実とは――?

●明日配信予定の後編に続く!

(取材・文/興山英雄)