2014年に発売された優良な製品を表彰した「第2回ジェネリック家電製品大賞」(週プレも選考委員)の授賞式の模様

大手家電メーカー以外の製品がすべて「B級」の烙印を押されたのも今は昔。ジェネリック家電はすっかり市民権を得た。

この「ジェネリック家電」という名称は2013年4月、週刊プレイボーイ本誌の特集記事で初めて使用された。長引く不況で給料が上がらず、しかも翌14年4月の消費増税は決まっているという状況下で、「お金をかけなくても、生活はいくらでも豊かにできる!」と推薦したのが“安くても高性能・高品質なノーブランド家電=ジェネリック家電”の積極活用だったのだ。

そしてついに今年10月、業界団体として「一般社団法人ジェネリック家電推進委員会(以下、JGHEP)」が設立された。ジェネリック家電の生みの親でもあり、JGHEPの代表理事を務める近兼拓史(ちかかねたくし)氏はこう語る。

「家電業界では従来、大手8メーカー(パナソニック、ソニー、東芝、日立、三菱、富士通、シャープ、NEC)以外の製品は、乱暴に『B級家電』とまとめられ、軽視される傾向がありました。

しかし実際は、そこには大手8メーカーに勝るとも劣らない性能や品質を持つ優良メーカーもあれば、まさに『安かろう、悪かろう』という文字通りの“B級メーカー”もあった。この中から、優良な製品を安く市場に投入しているメーカーだけをわかりやすく切り分け、消費者に提示しようというのが『ジェネリック家電』の生まれた理由だったわけです」

つまり、「大手かB級か」という“2段階表示”から、市場の実態に合わせて「大手かジェネリックかB級か」という“3段階表示”への転換を促したということだ。

ジェネリック医薬品と同じように、家電の多くのジャンルにおいて、大手メーカー製品とジェネリック製品の基本性能は同等だ。では、価格の差はどこからくるのかといえば、まずは大手メーカーならではの「あれこれ詰め込んだ多機能」。そしてもうひとつは、TVCMなどの莫大な宣伝広告費も含めた“ブランド代”、というわけだが…。そこで近兼氏が続ける。

ヒットするべくしてヒットした!

「1990年代初頭のバブル崩壊に始まる、『失われた20年』と呼ばれる長いマイナスの時代でも、日本企業は知恵と努力を積み重ねて新ビジネスを生んできました。その代表が、ユニクロを始めとする高品質・低価格の衣料メーカー。高すぎるブランド料や余分な機能を捨てて価格を抑える製品づくりは、世界的に受け入れられるムーブメントとなり、他分野の製品にまで広がっていきました。

例えば、ニトリなどの激安家具もそうですし、最近では激安自転車もその一例といえるでしょう。そしてついに、その波が家電にもやってきたというわけです。ジェネリック家電は、この時代に生まれるべくして生まれ、ヒットするべくしてヒットしたのです」

確かに、景気も給料も右肩上がりという時代はとっくに終わり、一方で消費者はいろいろな意味で賢くなった。もちろん、それでも高価なブランド家電や、4Kスマートテレビなどに代表される最新の超ハイスペック家電の需要はあるが、それはもはや一部のお金持ちと、分厚い取扱説明書を読むのも厭(いと)わないような新しいモノ好き、ガジェット好きのためのものだ。

「ジェネリック家電は、スマホ代やデート、遊びの軍資金が必要な若い世代、何かと物入りな子育て世代、そして今後ますます増える年金暮らしのシルバー世代まで、多くの層にヒットしています。彼らが求めているのは、複雑なスマートテレビやロボットエアコンよりも、安くてシンプルで使いやすく、生活に便利さや楽しさを提供してくれる家電製品なんです。

今後はますます、ジェネリック家電が日本の家電業界においてスタンダードの地位を占めると予想する有識者は少なくありません。現在、日本の家電市場は7兆5千億円といわれており、このうちミドルからローレンジ製品の分野に当たる2兆円分がジェネリック家電に置き換わるという予測も決して大げさではないでしょう」(近兼氏)

シンプル&低価格で消費者のニーズを捉え、家電業界の一角を担いつつあるジェネリック家電。まだまだ勢いは増していきそうだ。

発売中の『週刊プレイボーイ』48号では、そんなジェネリック家電の注目メーカーを厳選紹介、ヒット作の裏側を大検証しているのでお読みいただきたい!

(取材・文・撮影/本誌ジェネリック家電推進部)

■週刊プレイボーイ48号(11月16日発売)「ジェネリック家電6大メーカーレジェンド&最新超ヒット作一挙出し!!」より