まるでガンタンクのような重機「スーパーガジラ」 まるでガンタンクのような重機「スーパーガジラ」

工事現場で一生懸命働き、僕たちの生活を支えてくれる重機たち! ショベル、ブルドーザー、クレーン…たくさんあるけれど、それらは世に存在する機体のほんの一部にすぎないのだ! ちょっとディープな、知られざる重機の世界が今、明かされる!

■いつかは無人化して災害現場用ロボに

昨年公開され話題となった重機、次世代型解体装甲機「スーパーガジラ」。このフォルム……SFロボかよ!ってことで、当プロジェクトの指揮を執ったタグチ工業専務取締役の田口博章氏を直撃だ!

現在、このロボは工事現場で大活躍中ですか?

「いえ、実はこの機体には実用性はないんです。『売ってくれ』とたまに言っていただけるんですが、現状は操縦席のジョイスティック(操縦かん)とも連動しておらず、あらかじめ組んだプログラムどおりにしか動かせないんです」

 現状、ジョイスティックと機体は連動していないが、コンソール部分など男心をくすぐる設計になっている 現状、ジョイスティックと機体は連動していないが、コンソール部分など男心をくすぐる設計になっている

じゃあ、なんのための機体!?

「プロモーションロボとして開発しました。弊社はアタッチメント(重機の先端部分)を製作する会社なんですが、それ自体、世間にほとんど知られてない。だいたいの人が、ショベルメーカーが重機全体を造ってると思ってますから。そんな認識を『スーパーガジラ』を発表し、タグチ工業の名前を知ってもらうことで覆(くつがえ)したい、というPR的な目的があったんです」

 こちらは重機各種でもよく使用されるタグチ工業製のカッターのアタッチメント。この「ガジラ」シリーズは同社の看板製品! こちらは重機各種でもよく使用されるタグチ工業製のカッターのアタッチメント。この「ガジラ」シリーズは同社の看板製品!

もはや、うちのタレントです

現場で働くだけが重機じゃないと!? 展示会などにもよく出展しているそうですが。

「評判はすごくいいですよ。子供から大人まで『乗りたい!』との声もよくいただきます。これまでは弊社に新卒の応募があまりなくて正直、人材難だったんですが、今は説明会に行くと大学生さんが『スーパーガジラ見ました!』と声をかけてくれることもあります。もはや、うちのタレントですね。でなきゃ、うちが週プレさんから取材を受けることなんてありえない(笑)」

 イベントに展示すればすぐに注目の的に。音楽に合わせてダンスをするというデモンストレーションを行なえば、いつの間にか人だかりが! イベントに展示すればすぐに注目の的に。音楽に合わせてダンスをするというデモンストレーションを行なえば、いつの間にか人だかりが!

 作り込まれたコクピットではVR技術を用いたシミュレーションゲームができる。イベントでは搭乗体験も 作り込まれたコクピットではVR技術を用いたシミュレーションゲームができる。イベントでは搭乗体験も

でも…だって、ガンタンクみたいじゃないですか!

「よく言われます(笑)。弊社の設計者にはガンダム好きが多いんです。こういうものを造ればアニメファンから反響があるって予想してたので、設計段階でロボットアニメのファンをガッカリさせないものを造らねばって空気が社内にはありました」

このディテールはファンも納得のデキですよ!

「そしていつかは市場に出せるようにバージョンアップさせたいですね。まずはコックピットから操作可能にして、ゆくゆくは無人ロボとして災害現場で活躍させたいですね」

近い将来、ガチで現場デビューするのを期待してます!

『週刊プレイボーイ』33号では、他にも重機ヒーロー、重機カタログをご紹介。そちらも是非お読みください!

(取材・文/武松佑季、昌谷大介[A4studio] 撮影/下城英悟 写真提供/高石賢一)