今、プレミアムセダンが熱~い。ハイブリッド、ダウンサイジングターボに先進技術もテンコ盛り♥ もちろん、輸入車のプレミアムセダンも侮れない。小沢コージが徹底取材し、その魅力に迫った!
■今も売れているクラウンの進化とは
やたら「エコ」や「コスパ」が叫ばれ、何かと「送料無料」や「ローカロリー」が喜ばれる昨今だけに、プレミアムセダンに乗れ!と叫んでみても、「今、売れてるのって一にプリウス、二にアクア、あとはせいぜいミニバンやもっと小さいフリード、背高ノッポの軽が売れ線って知らねぇの?」と思うはず。
確かにミニバンやワゴンと比べるとセダンは狭く、燃費性能でも最新エコカーには敵(かな)わない。最近のディーラーではいきなり「一番燃費がいいクルマくれる?」っつう極端なお客が増えているそうだ。
しか~し、プレミアムセダンの波は確実にキテいる。今、男たちがひそかに熱視線を送るのは、今年9月にマイナーチェンジした新型レクサスGSの200tだ。今回、新たに追加された8ATの2リッターターボがヤバい。こいつはレクサスのSUVモデルのRX&NXでもおなじみの直噴ダウンサイジングターボで、最高出力は245馬力。けっこうな馬力だが、モード燃費14㎞/リットルを叩き出すバランス良好モデルなのである。
そしてプレミアムセダンを熱くたぎらせている源は、意外にもトヨタのクラウンだ。実は、日本を代表するプレミアムセダンであるクラウンの衰えぬ人気はマジでスゴいのだ。1955年生まれの伝統的なFRセダンだが、今年9月の国内販売台数は、4164台でランク20位と普通にベスト20入り! 燃費に対して非常にうるさい&ミニバン全盛の世の中で、プレミアムセダンは男を熱くさせる力を持っているのだ。
トヨタ クラウン 396.4万円~
それにしても、クラウンの魅力とはいったいなんなのか。現行14代目を手がけたエンジニアの山本卓(たかし)氏はクラウンについてこう語る。
「クラウンはわれわれにとって古典的なイメージはみじんもなくて、変革と革新、常に進化し続ける存在なのです」
確かにクラウンは常にアップデートされている。
最新のクラウンに乗れば誰もがその中身とテイストに驚くはず。例えば現行モデルからついに2.5ℓ直4を使ったクラウンハイブリッドが登場しているが、売れ筋の7割以上がこのモデルなのだ! 聞けばシステム出力は220馬力で、モード燃費は23.2㎞/リットル。つまり、事実上のリッチテイストエコカーである。
さらにクラウンには以前から足が柔らかいロイヤルサルーンシリーズと、足が硬めセッティングのアスリートシリーズが存在するが、半分以上がアスリートを指名買いしているそうだ。実際、乗るとわかるが、半分日本車で半分ドイツ車のような味わい。ドアの開閉感やらインテリアは、日本車らしく優しく上質だけど、走り出すとビックリするくらい硬め。それでいて快適かつ静か。売れるのも納得で、試乗したらおそらく誰もが「クラウンのイメージ」をぶっ壊されるはずだ。
◆続編⇒「シートに座ってビックリ。新時代プレミアムセダンのここがスゴい!」
(取材・文/小沢コージ 写真/トヨタ自動車)