ニッサン スカイライン 413.6万円~ 2001年発売の11代目からV6エンジンのミッドシップFRパッケージとなり海外がメインに。2014年発売の13代目はハイブリッドとダイムラー製の2ℓターボ車が2本柱である

今、プレミアムセダンが熱~い。ハイブリッド、ダウンサイジングターボに先進技術もテンコ盛り♥ もちろん、輸入車のプレミアムセダンも侮れない。

前回記事に続き、小沢コージが徹底取材、その魅力に迫った!

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トヨタとはまた違う3.5リッターV6+1モーター2クラッチのダイレクトなハイブリッドシステムを持つ高級セダンが日産のスカイラインである。こいつはシステム出力364馬力でモード燃費は17.8km/リットル。クラウンをしのぐ高効率なのだ。しかもスカイラインと言いながら、実はアメリカじゃプレミアムブランド「インフィニティ」で発売されている車両なので外観から内装までクオリティがハンパない。部分的にはメルセデス・ベンツやBMW並みの質感を達成しているのだ!

加えてスカイラインがスゴいのは世界初のステアバイワイヤー技術を使ったハイテク操舵システムにある。その名も「ダイレクトアダプティブステアリング」。これはステアリングとタイヤの舵(かじ)取り機構が機械的につながっておらず、ラジコンのごとく電気信号を送って舵を切るシステムなのだ。

実際、小沢はスカイラインを試乗した際、シートに座るなりビックリした。ステアリング操作に対するレスポンスがスゴくて、ハンドルを切った瞬間、すでにクルマが曲がり始めているような感覚なのだ。たとえるなら、「山びこが遅れずに返ってくる」というか、「殴ったら即殴り返されている」ような感じでタイムラグが全然ない。不肖小沢、こんな感覚はスポーツカーでも味わったことがなかった!

このスカイラインはルノー日産とダイムラーグループの提携により、メルセデス・ベンツの2リッター直4ターボを移植したモデルもある。そして生まれたのがスカイライン200GT-tで、パワー&トルクは211馬力&350Nmとなる。メルセデス・ベンツC250譲りのエンジンなので、正直、メチャクチャ回るとか、エンジンサウンドが超気持ちいいわけじゃない。けど、エンジンからメルセデスらしい精緻なトルクが味わえる。何よりも日産車なのに中身はベンツ!というダブルネームがたまらない。

こんな不思議な楽しみが今、セダンでは普通に楽しめてしまうのだ。ちなみに同じ日産のフーガも、「インフィニティ」のバッジをつけるプレミアムセダンである。

セドリック&グロリアの後継として2004年にデビューしたイブリッド専用にミディアムセダン。現行2代目は09年にデビュー。海外では「インフィニティQ70」として売られている ニッサン フーガ 477.6万円~

それからイマイチ真価が理解されず、台数は出ていないが、ビックリするほど楽しいプレミアムセダンがホンダのアコードだ。エンジンをほぼ発電機として割り切ったホンダ独自の2モーターハイブリッドシステムを搭載、31.6km/リットルという抜群のモード燃費を発揮。シフトショックも全然ないという恐ろしくもナチュラルスムーズな未来的加速を実現している。

70年代に生まれ日本はもちろん、アメリカでも一世を風靡したFFミディアムサイズカー。しかし徐々に日本で売れなくなり、2013年の現行型から国内ではハイブリッド専用に ホンダ アコード 385万円~

トヨタにはクラウンと同じ2.5リッターV6エンジンと、プラットフォームを使ったお手軽FRセダンのマークXも外せない。クラウンの陰に隠れているが、ひそかな名車で値段も200万円後半と手頃だ!

トヨタのFRセダン。伝統のマークⅡからマークXと車名が変わり2代目の現行型は3種類のV6が選べ、プラットフォームはクラウンと共通なので、それを考えると超激安! トヨタ マークX 274.7万円~

◆続編⇒「国産だけじゃない、エコロジー面も優れた輸入高級セダンが超アツい!」

(取材・文/小沢コージ 写真/トヨタ自動車 日産自動車 本田技研工業)