今、プレミアムセダンが熱~い。ハイブリッド、ダウンサイジングターボに先進技術もテンコ盛り♥ もちろん、輸入車のプレミアムセダンも侮れない。
前回記事に続き、小沢コージが徹底取材、その魅力に迫った!
* * *
トヨタとはまた違う3.5リッターV6+1モーター2クラッチのダイレクトなハイブリッドシステムを持つ高級セダンが日産のスカイラインである。こいつはシステム出力364馬力でモード燃費は17.8km/リットル。クラウンをしのぐ高効率なのだ。しかもスカイラインと言いながら、実はアメリカじゃプレミアムブランド「インフィニティ」で発売されている車両なので外観から内装までクオリティがハンパない。部分的にはメルセデス・ベンツやBMW並みの質感を達成しているのだ!
加えてスカイラインがスゴいのは世界初のステアバイワイヤー技術を使ったハイテク操舵システムにある。その名も「ダイレクトアダプティブステアリング」。これはステアリングとタイヤの舵(かじ)取り機構が機械的につながっておらず、ラジコンのごとく電気信号を送って舵を切るシステムなのだ。
実際、小沢はスカイラインを試乗した際、シートに座るなりビックリした。ステアリング操作に対するレスポンスがスゴくて、ハンドルを切った瞬間、すでにクルマが曲がり始めているような感覚なのだ。たとえるなら、「山びこが遅れずに返ってくる」というか、「殴ったら即殴り返されている」ような感じでタイムラグが全然ない。不肖小沢、こんな感覚はスポーツカーでも味わったことがなかった!
このスカイラインはルノー日産とダイムラーグループの提携により、メルセデス・ベンツの2リッター直4ターボを移植したモデルもある。そして生まれたのがスカイライン200GT-tで、パワー&トルクは211馬力&350Nmとなる。メルセデス・ベンツC250譲りのエンジンなので、正直、メチャクチャ回るとか、エンジンサウンドが超気持ちいいわけじゃない。けど、エンジンからメルセデスらしい精緻なトルクが味わえる。何よりも日産車なのに中身はベンツ!というダブルネームがたまらない。
こんな不思議な楽しみが今、セダンでは普通に楽しめてしまうのだ。ちなみに同じ日産のフーガも、「インフィニティ」のバッジをつけるプレミアムセダンである。
ニッサン フーガ 477.6万円~
それからイマイチ真価が理解されず、台数は出ていないが、ビックリするほど楽しいプレミアムセダンがホンダのアコードだ。エンジンをほぼ発電機として割り切ったホンダ独自の2モーターハイブリッドシステムを搭載、31.6km/リットルという抜群のモード燃費を発揮。シフトショックも全然ないという恐ろしくもナチュラルスムーズな未来的加速を実現している。
ホンダ アコード 385万円~
トヨタにはクラウンと同じ2.5リッターV6エンジンと、プラットフォームを使ったお手軽FRセダンのマークXも外せない。クラウンの陰に隠れているが、ひそかな名車で値段も200万円後半と手頃だ!
トヨタ マークX 274.7万円~
◆続編⇒「国産だけじゃない、エコロジー面も優れた輸入高級セダンが超アツい!」
(取材・文/小沢コージ 写真/トヨタ自動車 日産自動車 本田技研工業)