ドコモが、iモード対応携帯の出荷を11月から12月をめどに終了し、在庫限りで販売終了すると発表した ドコモが、iモード対応携帯の出荷を11月から12月をめどに終了し、在庫限りで販売終了すると発表した

NTTドコモ(ドコモ)が11月2日、iモード対応携帯の出荷を11月から12月をめどに終了し、在庫限りで販売終了すると発表した。

かつてはドコモの代名詞であり、収益を支える屋台骨でもあったiモード。近頃はスマホの台頭ですっかり存在感が薄れているが、iモードのサービス自体は今後も継続される。なのに、なぜ対応端末の販売が打ち止めとなってしまうのだろう。

その理由を、ITジャーナリストの石川温氏に聞いた。

「iモード用の古いOSの仕様に対応した心臓部のチップセットは、どの部品メーカーもすでに製造中止にしていて、端末を作ろうにももう作れない状態。しかもiモード携帯の大半は、古い通信方式の3Gまでしかカバーしていません。だったら最新の通信方式であるLTEへの完全移行も見越し、OSがAndroidのいわゆる『ガラホ』に切り替えようということです。

唯一、高齢者向けの『らくらくホン ベーシック4』だけは引き続き販売されますが、そう遠くないうちに、すべてのiモード対応端末がドコモのカタログから姿を消すことになるでしょう」

1999年に開始され、日本の通信史上、大きなエポックメーキングとなったiモード。しかし、いったい何が画期的だったのか? 携帯電話ライターの佐野正弘氏が言う。

「当時の一般的な常識では、インターネットはパソコンでやるものでした。そんななか、iモードは携帯電話で手軽にインターネットへアクセスし、ウェブコンテンツの閲覧やメールのやりとりができたのです。

メール自体はiモード以前の携帯電話でも可能でしたが、文字数がかなり制限されていたり、キーボードを端末につなげる必要があった。ところがiモードでは、最大250字までを端末だけで送受信でき、感情のニュアンスを表すかわいい絵文字まで使える。また、着メロや待ち受け画面をダウンロードで入手するというのも、iモードから始まった文化です」

かつて、スティーブ・ジョブズはiPhoneを発表した際に、電話とインターネットをつなげることで、「電話を再発明する」と豪語した。しかしiモードは、その何年も前から、ジョブズのビジョンを実現していたのだ。

発売中の『週刊プレイボーイ』48号では、そんな偉大なiモードの歴史を振り返る記事を掲載。是非ご覧いただきたい。

■週刊プレイボーイ48号「惜別企画 さらば、iモード!! 昔お世話になりました(涙)」より