スマホをはじめ、最近では家電にも搭載される音声認識。しかし、日本はアメリカに比べてこの分野で後れをとっているという。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編記事に続き、その理由を考察する。
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ひろ ビッグデータ自体は、日本にもけっこうあると思うんですよ。例えば携帯電話のユーザー行動履歴とか。
ホリ でも、携帯電話の行動履歴って、ユーザーからの許諾は取れてないでしょ。
ひろ 僕は個人情報を伴わないデータに許諾はいらないと思いますけどね。Gmailとかは、メールの内容に応じて広告が掲載されますが、あれって個人の通信のやりとりをグーグルがわかっているってことですよね。グーグルはOKだけど、日本の通信会社がやるのはNGというのはよくわからないですよ。
ホリ まあ、そこを強気で押し通すことをサラリーマン経営者はやらないだろうね。責任を取りたくないだろうし。
ひろ あと、企業内だけでなく、社会が許容してるかどうかも大きい気がしています。例えば、ニコニコ動画にアップされた動画が原因で事件が起きるとニコニコ動画の運営が責められますが、YouTubeの場合にはそれがないですよね。日本の企業だと、なぜか叩かれたり炎上したりすることがあるような気がします。
ホリ いやいや、そこは日本とかアメリカとか関係ないでしょ。
ひろ でも、「メディアで叩かれている会社に入りたくない」という理由で、内定を辞退することとかあるらしいですからね。保守的な判断をするのがベースにある気がするんです。
ホリ アレクサの話に戻すと「スマホの次のプラットフォームになる」といわれている評価についてはどう思う?
ひろ デカい市場になるのはまだ先だと思います。ってのも、ネット上には「音声じゃないデータ」のほうが圧倒的に多いんですよね。やっぱり、ウィキペディアとかで見たほうが手っ取り早い。なので、アレクサに合わせて音声コンテンツが増えてくるのには、けっこう時間がかかると思います。
ホリ 俺も「音声データ」よりも「行動データ」のほうに注目してるんだよね。
ひろ ああ。グーグルマップの渋滞情報とかは、ユーザーの行動データを使ってますよね。
ホリ いやいや、もっと詳細なデータ。ペンダントとかメガネとかに加速度センサーとかを搭載してデータを取るの。例えば、スーパーとかにも行動データは応用できるんだよ。買い物客の動線を調べれば、従業員の最適な立ち位置がわかったりする。ムダがなくなるんだよね。
ひろ なるほど。「このへんにいるのが一番いい」とか、長年の勘でやっていた部分って意外と多いですし、そのあたりを数値化していくのはおもしろいっすね。
例えば、有名な日本酒「獺祭(だっさい)」の酒造会社は杜氏(とうじ)を置いていないみたいです。職人である杜氏が勘でやってきた部分を数値に置き換えて酒造りをしている。そうした動きはこれからも増えていきそうですね。
ホリ だね。だから、日本の企業もヘンな責任論とか世間体を気にしないで、どんどんチャレンジしてほしいんだけどなあ……。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)