「YouTubeの字幕動画が10億本に到達した」というニュースが発表された。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、急速に進化する自動翻訳技術と、動画サイトのこれからについて語る!
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ホリ 『YouTube』の動画って、字幕対応しているものもあるけど使うことある?
ひろ ええ。あの字幕のクオリティって、けっこう優秀ですよね。たまに機械的な文章もありますけど、それでも大まかな意味を理解するには全然問題ないレベルです。
ホリ そんな「YouTubeの字幕動画が10億本に到達した」という発表があったけど、規模がすごいよね。
ひろ 字幕化が進めば言語の壁が低くなるわけで、そうなると適当に動画を作っている日本のユーチューバーが、いきなり世界で大ヒットってなことになるかもですね。
ホリ そうだね。自動で字幕化してるってことはディープラーニングを使ってると思うんだ。YouTubeの親会社はグーグルで、グーグルはディープラーニングに力を入れているから。
で、自動翻訳や音声認識は、ディープラーニングが進化してかなり変わったよね。例えば、AR(拡張現実)とかVR(仮想現実)を使いつつ、ほぼリアルタイムで字幕をつけることも技術的には可能になった。
ひろ 字幕をつけるのがPCのディスプレイなのか、ヘッドマウントディスプレイなのかの差ですからね。
ホリ マイクロソフトが開発している「ホロレンズ」(複合現実デバイス)みたいな製品が、眼鏡サイズまでコンパクト化すれば、リアルタイム字幕も実現できると思うよ。
ひろ すでに『ドラえもん』に出てきた「翻訳コンニャク」が実現する時代ってことですよね。
ホリ こういう話って遠い未来のことだと思っている人もいるだろうけど、実はすぐそこまできているんだよね。やっぱり技術が世の中を変える。
ひろ んで、こうやって見ると、ほかの動画サービスはYouTubeとまともに戦えなくなってきたと思っちゃいます。YouTubeのバックはグーグルですけど、資金力も技術力も世界トップレベルで、なおかつ利用ユーザーも多いのでコンテンツの調達力も強い。どう考えても普通に勝負して勝てる相手じゃなくなっていますよね。
ホリ フェイスブックも動画サービスに力を入れ始めているけどね。タイムラインにもガンガン動画が表示されているし、「Apple TV」みたいなセットトップボックス(一般のテレビで視聴できるようにする装置)向けのアプリも提供するらしい。
ひろ テキストや写真と同じように、動画もコミュニケーションの重要なツールになっているので重視しているんでしょうけど、SNSで動画が主流になるかどうかは微妙ですよね。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが予測。動画サイトの広告モデルと有料課金はこの先どうなる?
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)