3月上旬に各種機密情報を保管・公開しているサイト『ウィキリークス』から衝撃的な発表が! なんと、CIA(アメリカ中央情報局)が日本の顔文字を収集していたことが判明した。
『週刊プレイボーイ』本誌で「石川英治のホワイトハッカーなんでも相談室」を連載中のホワイトハッカー・石川英治が解説する!
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―これはどんな目的で収集されたと考察できるんでしょうか?
石川 今回、公開された顔文字は、【∩( ・ω・)∩ happy dog】や【(・∀・) well or good】のように、顔文字の意味もちゃんと表記されていたのがポイントです。なので、これはCIAが情報の検索精度を上げるために収集したのではと思います。
CIAでは膨大な量の文章を処理していますから、検索時に使用する文字データベースとして収集していたんでしょうね。データベースを作成しておけば、文章内に【∩( ・ω・)∩ happy dog】が入っているものだけピックアップすることができますからね。
―同じく『ウィキリークス』からだと、CIAがスマホやタブレットから盗聴&盗撮する技術を開発済みというのもありましたが!?
石川 もはやIoTの時代ですから、スマホやタブレットだけでなく、自動運転カーやドローンもハッキングの対象です。監視カメラも管理するサーバーがハッキングされれば、映画のように乗っ取ることが可能ですからね。
―ところで、以前、ハッカーが諜報機関にスカウトされてる話がありましたが、諜報機関に伝説的なハッカーなんかいるんですか?
石川 実は日本出身の方がいます。現在はアメリカ国籍ですが、下村努さんが有名ですね。
―下村さんは、どんな事件に関わったのでしょうか?
石川 1994年の「ケビン・ミトニック事件」の解決に協力しました。ハッカーであるミトニックは、FBI(連邦捜査局)をはじめとする政府機関や民間ネットワークへ侵入し、機密データを入手して逃亡していました。オンラインから足取りを追い、FBIが逮捕する手がかりをつかんだのが下村さんです。
父親はノーベル化学賞を受賞した下村脩さん
―下村さんとはどのような人物なんですか?
石川 元々、カリフォルニア大学でスーパーコンピューターの研究をしていたんですが、当時からその腕を買われてアメリカの捜査機関に協力していました。この事件をきっかけに世界一のハッカーとして有名になりました。
下村さんとミトニックの戦いは映画『ザ・ハッカー』として映画化されました。ちなみに、ノーベル化学賞を受賞した生物発光研究者の下村脩(おさむ)さんは、彼の父親です。
―一方のミトニックさんはどうなったんでしょうか?
石川 ミトニックは逮捕され、禁固5年。しかも、電話回線さえあればどこでもハッキングできるほどの腕なので、独房に入れられたといわれています。しかし出所後は更生し、今度はFBIに協力するようになりました。このあたりの柔軟さがいかにもアメリカ的だったりします(笑)。
●石川英治(いしかわ・えいじ) 1969年生まれ。現役の“ホワイトハッカー”で、ネットワーク犯罪評論家。不正アクセス禁止法の施行(2000年2月13日)以前は、バリバリのハッカーとしてやんちゃなことも