絶対に発送されない格安商品がニュースになったアマゾン、そして領収書や現金、さらには泥だんごまでトンデモ出品を連発中のメルカリ。
何かと便利ですけど、実は怖くてヤバいネット通販の最新事情 !
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アマゾンで書籍が1円から出品されてたり、レアものがありえないプライスで売られていて、その価格に釣られてポチッとすると、商品が一向に発送されてこない…。これ、完全に詐欺じゃないですか!
ITジャーナリストの本田雅一さん、どーいうことなんでしょうか?
本田 まず、ユーザーが認識すべきなのは、アマゾン内には2種類の販売方法があるということです。ひとつが、アマゾンが仕入れを行ない、発送もアマゾンが行なっている商品。こちらはリテールと呼ばれ、スマホで見た場合には【この商品は、Amazon.co.jp が販売、発送します。】と、商品画像の下に明記されています。
―おなじみのスマイルマークの箱で届くやつですね! では、もうひとつの販売方法とは?
本田 セラーと呼ばれる個人や企業が、アマゾンの決済システムを利用して商品を販売する方法です。アマゾン上で“マーケットプレイス”と表記されているのがセラーの販売する商品になります。今回の詐欺で問題になっているのは、マーケットプレイスになります。
―最安1円からの書籍や激安のグッズなどが出品されていて、ユーザーとしては確かに魅力的。でも、こちらをポチッと購入しても商品が発送されてこないってことなんですよね。
本田 ちゃんと商品を発送する優良セラーもいっぱいいます。
一方で、今回問題になっているような悪徳セラーだった場合は、商品は発送されないでしょう。ただし、このような場合でも、アマゾンの返金保証がありますから、ユーザーに金銭的なダメージはありません。
―この事件、アマゾンの神対応があってユーザーも金銭的なダメージは受けていない。商品が届かないのは問題ですけど。それ以外には何かヤバいことがあるのでしょうか?
本田 悪徳なセラーによって、ユーザーの個人情報が大量に収集されている可能性があります。
―いやいや! それは、ないわー。個人情報って、天下の大アマゾンが管理しているのですよね?
本田 マーケットプレイスから商品を購入した場合、ユーザーの個人情報は、商品を出品したセラーへも渡ります。商品を発送するのはセラーになりますからね。セラーに抜かれる個人情報は住所、メールアドレスがあります。
そして、ユーザーの“欲しがっている商品”のジャンルを知ることができるのも大きなポイントになります。
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(取材・文/直井裕太)