トヨタ社内の若手が中心の有志団体「カーティベーター」。空飛ぶクルマの開発を目指し現在は5分の1スケール試作機で試行錯誤中 トヨタ社内の若手が中心の有志団体「カーティベーター」。空飛ぶクルマの開発を目指し現在は5分の1スケール試作機で試行錯誤中

ウソ? ハッタリ? それとも空前のオカルト技術? 今、世界的に赤丸急上昇中の“空飛ぶクルマ”はどこまでマジ?

週刊プレイボーイ本誌でおなじみの自動車評論家・小沢コージが徹底取材した!

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■空飛ぶクルマにトヨタが出資!

ま、参ったぜぇ~。自動車ジャーナリスト人生20年超! 己の自覚とは裏腹にベテランの領域に入りつつある不肖小沢だが、ここまで「真実」と「疑惑」がギリギリってか、「オカルト」と「ハッタリ」のギリギリ綱渡りの自動車新技術があっただろうかって感じだよ! もちろん、急激に盛り上がりつつある「空飛ぶクルマ」の話である。

普段は普通にクルマとして走れ、その気になれば空も飛べるってさ……ドラえもんのタケコプターもビックリのアンビリーバボーな夢技術。もはや自動運転すら霞(かす)んでしまう大風呂敷系自動車ハイテクが日本で急浮上したのは5月14日。あのトヨタがその名も「カーティベーター」という有志団体に4250万円を出資! それをマスコミが大々的に報じたからもう大騒ぎ!

ただ、英語の「カー」と「アビエーター(飛行家)」を組み合わせたような青くさい名前のこのベンチャー。リーダーは中村翼氏で、大手自動車メーカーのエンジニアにしてプロジェクトの発案者。この中村氏が2012年に設立した約30人の集団が「カーティベーター」なのである。

正直、小沢はトヨタが空飛ぶクルマに出資する話に驚いた。が、実はこの手の話は今年に入って世界中でドッカンドッカン盛り上がっている。

例えば、2月に「年内に世界初の空飛ぶクルマの販売を開始する!」と発表したのがオランダのパルヴィ・インターナショナル社。2007年創立の航空機や自動車を開発するベンチャー企業で2009年にはすでに空飛ぶ自動車の最初のテスト走行(飛行?)にこぎ着けたようで、なんと顧客引き渡しは2018年末を視野に入れている!

さらに4月にはスロバキアの首都ブラチスラバのベンチャー企業のエアロモービル社もカマしている。毎年モナコで開催されるスーパーカー見本市「トップ・マルケス・モナコ」で今年、空飛ぶクルマの予約受付を開始! 限定500台で価格は120万~160万ドル( 約1億4450万~1億7790万円)と妙にリアルなお値段。ぶっちゃけ、ジェットヘリと同等レベルだ!

『週刊プレイボーイ』24号「2018年 『空飛ぶクルマ』が離陸!!!」では、カーティベーターの具体案、空飛ぶクルマの本質、各国で開発が進められている空飛ぶクルマについて掲載。こちらも是非お読みください!

(取材・文/小沢コージ 写真/CRM)