サッカーやがん治療など、最大の収益源であるECとは異分野へのアプローチが話題となる楽天。
一体どこへ向かおうとしているのか? 『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編に続き議論する!
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ひろ ってな感じで、楽天市場には改善の余地があるのにあんまりがんばってない感じがありますよね。そう考えると、三木谷さんがすでに飽きている説は正解かもしれませんね。
ホリ はっきり言えるのは、楽天市場はユーザー目線で作られていないってことだよね。
ひろ それも仕方ないっちゃ仕方ないですよね。楽天って商品を売って利益を得るってよりは、出店している企業から出店料をもらうっていうビジネスモデルじゃないですか。そうなると、ユーザーより出店企業のほうを見ちゃうでしょうし。
ホリ 俺、思うんだけど、やっぱりどこででも売っている商品を売るっていうのは本質的に向いてないんだよ。
ひろ でしょうね。
ホリ だから楽天って、ここでしか買えないとか、店主の目利き力とか「そういうのが好きで集まってる仲間たちのコミュニティ」という色を強くすべきなんだよ。
ひろ ですね。
ホリ 結局、アマゾンみたいな大規模な小売ビジネスが最強なんじゃないかと思っちゃうよね。
ひろ 楽天はこれからどうなるんですかね? バルセロナへの約320億円のスポンサー契約も、三木谷さんは「投資回収できる」と言っているみたいですが。
ホリ まあ、その分は日本国PR効果だけでも回収できるんじゃない? でも世界ではなかなか厳しいだろうね。海外では成長の糸口すら見えてこないのが現実だと思うよ。
ひろ もしかしたら楽天は、国内でも海外でも2番手のポジションを狙う戦略なのかも。アマゾンと提携しない小売店もいっぱいあるわけですから。
ホリ でも、アマゾンがガンガン攻勢に出ているから、国内でも徐々につらい立場になっていくと思うけどなー。まあ、「楽天カード」をはじめとするファイナンス部門は伸びているし、すぐに潰れるってことはないと思う。だけど、なんらかの手を打たないとジリ貧になっていく可能性は結構高いよね。
ひろ でしょうね。
ホリ まあ、今後のお手並み拝見だね。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)