9月に発表された新型iPhone。多数の新機能や価格も注目を集めているが、実際のところどうなのか?
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が語る、新型iPhoneの評価とは?
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ひろ 新型iPhoneが発表されましたね。「iPhone8」はマイナーチェンジって感じですけど、もうひとつの「iPhoneX(テン)」には「フェイスID」っていう顔認証の機能が搭載されて、これが目玉機能ってことらしいです。
ホリ 指紋ではなく、顔を読み取ってロック解除する機能は、アップルが最近買収した会社の技術を使っているみたいだね。動画を1秒くらい撮影してロック解除する仕組みらしい。動画で微妙な筋肉の動きを見るので、フェイクや寝顔では解除できないんだって。
ひろ この機能が発表されたとき、「寝ているときに解除される可能性がある」とか「メイク前後でどうなるの?」みたいに言われていましたもんね。
ホリ ここでもディープラーニングによる映像認識技術が使われているみたいだね。
ひろ 水を差すようですけど、僕、iPhoneXは4Kテレビと同じにおいを感じるんですよ。「技術としてスゴい」ことと「便利」なことって似ているようで違いますよね。んで、iPhoneXは、技術を追求するために便利さを捨てている気がするんですよ。
ホリ ん?
ひろ 例えば、打ち合わせ中とかにこっそりメールチェックするときって、手元で指紋認証して操作できたじゃないですか。でも、フェイスIDだとスマホを顔の前に持ってこなきゃいけない。つまり「これは、消費者がお金を払ってもいいと思えるほど便利な機能か?」という視点が抜けたまま進んでいる気がするんですよね。
ホリ なるほどね。
ひろ 企業としては、安いものより高いもので高利益を狙うのは、教科書的には正しいと思うんです。でも、iPhoneに新しく搭載された機能って「値段を高くするため」につけた気がしちゃうんですよ。両面ガラスのボディだって「別に裏面はガラスじゃなくてよくね?」とか思いますし。
ホリ 確かにiPhoneXの値段は、11万2800円からと高額だよね。一方で、世界では安価なアンドロイド端末がシェアを伸ばしている。
ひろ 日本とアメリカ以外では、アンドロイドのシェアが伸びていますよね。世界で見るとiPhoneのユーザー率は20%程度です。ちなみに、フランスでは、1ヵ月の法定最低賃金とiPhoneXの値段が同じくらいだと話題になってますから、そもそも庶民向けのスマホじゃないんですよ。
ホリ ぶっちゃけ「貧乏人は買うな」ってことだと思う。アップル自体がそういうブランディングをしているんだよ。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが語るiPhoneの未来と日本の凋落 「部品を発注する国ってだけになっちゃう?」
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)