TOYOTA ヴィッツGR 注目は国産仕様にない3ドアであることだろう。あるトヨタ関係者は「欧州のホットハッチに負けません」と自信満々。タイヤには白いキャリパーがチラリ

80年代90年代に男を熱狂させ、一世を風靡したホットハッチ。その新世代ともいえる興奮のハッチバックモデルが2016年から2017年にかけて続々登場。

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■2017年は新世代ホットハッチ元年!?

このエコな時代、ひそかに日本の「小さくて楽しい」が完全復活だぜ。かつて80年代90年代初頭に「安い!小さく広くて便利!速くて楽しい!」と三拍子そろったハッチバック=ホットハッチがはやったけど、ここにきて新世代モデルがめじろ押し。しかも各車独自のハイテク&新テイストを満載してるのだ。

まず紹介したいのは、国内ブランドじゃ真打ちとも呼べる大改良を施したトヨタのヴィッツから。最近はハイブリッド専用車のアクアやホンダのフィットに押され気味だったが、それでも月販5000~6000台を手堅くキープし、今回、満を持してアクア譲りの1.5Lのハイブリッドを搭載。これで販売数増加間違いナシだが、さらに走り好きの野郎どもに朗報なのが、2017年10月に登場した超本格派のヴィッツGRMN

ヴィッツGRMNはそんじょそこらのRSモデルとは違い、ほぼ公道レースバージョンと呼べる超カッ飛び仕様。つまり、2017年に18年ぶりに世界ラリー選手権に復活した欧米版ヴィッツであるヤリスWRCを彷彿(ほうふつ)させるモンスターマシン。しかも、上位モデルのGRMNのエンジンはなんとロータスエリーゼに搭載中の220馬力の1.8L直4スーパーチャージャーを搭載!

続いては16年11月にマイナーチェンジして登場した日産ノート。クルマそのものは5年前に出た大きめな実用5ドアハッチバックで、正直リアシートとトランクの広さ以外にさしたる注目点はナシ。しかし16年のマイチェンで、満を持して日産独自のEV技術を使ったe-POWERというハイブリッドユニットを載せたら見事に大化け。

モーター単独加速がもたらす透き通るような気持ちよさに加え、クラストップの37・2㎞/Lの最良モード燃費を纏(まと)ったからタマらない。16年11月の国内販売ランキングでは、トヨタのプリウス&アクアを抑えて全国1位! 日産が1位になるのは30年前のサニー以来というとんでもない記録のオマケ付き。

まだまだある国産胸アツハッチ

さらに、16年12月に出たホットハッチ版のノートe-POWERニスモが予想以上の出来なのだ。ピークパワー&トルクはノーマルのe-POWERとまったく同じ。ところが一番燃費のいいエコモード以外は、トルク特性が変わっていて、微妙に俊敏になってるのと上質感がアップしている。インテリアもバックスキン風の本革巻ステアリングやパネルに換装されて、しょぼさを解消。さらにニスモは専用サスペンションが入り、ステアリングの手応えが増しただけでなく、しなやかな硬さもあり、乗り心地の貧弱さがほぼ打ち消されている。全体の質の高さは間違いなく買い。価格も245万円台と手頃だぜ!

■まだまだあるぞ!国産の胸アツハッチ

一方、これぞ時代が生んだ硬派な伏兵がスズキの新型スイフトだろう。ご存じ軽で有名なスズキが2000年に造ったリッターカーで、当初は正直、軽に毛が生えたぐらいの存在だった。ところが、世界戦略車となった2代目から人気爆発。

特に注目はホットハッチのスイフトRSt。ポイントはRStのみに搭載する新世代の1L直3ターボで、ピークパワーこそ102馬力とスゴくはないが、930㎏の軽さとスイフト自慢の高剛性ボディで体感的には往年のホットハッチに負けず劣らずの速さ。その上、RStのみ自然なギアシフトを可能にする6速ATと組み合わされ、気持ちいいエンジンフィールが楽しめる。

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(取材・文/小沢コージ 撮影/本田雄士 写真協力/トヨタ自動車)