「LINEモバイル」社がソフトバンクの子会社化されることとなった。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編に続き、LINE社の意図と今後の展開について予測する!
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ホリ で、WhatsAppに不満はないのに、わざわざLINEに変えようとは思わないわけで、シェアを取られた国で形勢を逆転するのは難しい。だから、LINEは今のままやっていても世界では勝てない。そうなると、一番儲かるのはトップシェアを持っている国でキャリア展開をすることだと思ったんだよ。
ひろ なるほど。
ホリ というか、それくらいしか成長していく方法はないでしょ。
ひろ 例えば、できるだけ投資をしないで利益を上げ続けて、ある程度の段階まで稼いだら逃げ切るっていうのはありかもです。
ホリ LINEの親会社である「ネイバー」はそれでいいと思うよ。でもLINEは単独で上場しているわけだし、成長していかなければいけないわけじゃん。
ひろ でも、その決定権を持っているのは、ネイバーの偉い人たちなので、ある意味仕方ないんじゃないですかね? それに2020年以降は日本の景気は悪くなるといわれていますし。日本の会社だったら「それでも頑張ろうよ」となる気もしますけど、韓国の会社ですからね。これから景気が悪くなる他国に積極的に投資するかといえば微妙な気が。ということで、「高く売れるうちに売っておいたほうがいいよね」となったんじゃないかと予想しています。
ホリ そう考えると、これで終わりじゃなくて、例えば次にネイバーとソフトバンクとの資本提携まであるんじゃない? あと、LINEそのものをソフトバンクに売却したりとか。
ひろ ネイバーがLINEを売ることはないんじゃないですか? だってLINEがなくなったら、ネイバーの海外戦略自体がなくなっちゃいますから。韓国は人口が限られているので国内の市場は大きくない。つまり、成長していくには世界に出ていかなければいけない。そのためにLINEを作ったっていう部分もありますし。
ホリ でも、さっき言ったみたいに、メッセンジャーアプリでの勝算が見えないということは、LINEにはこれ以上大きな伸び代はないということになるよね。
ひろ そもそもLINEというより、メッセンジャーアプリ自体に伸び代があるのかという問題な気もします。例えばフェイスブックメッセンジャーって、世界中の人が使っていますけど、ほぼ広告は出ないじゃないですか。メッセンジャーからフェイスブック本体にアクセスして初めてガッツリ広告が出てくる。つまり、メッセンジャー自体は利益が出なくて、呼び水的な要素があるんですよ。
ホリ じゃあLINEは今後どうするんだろ? 今はゲームとマンガでけっこう儲けているみたいだけど。
ひろ ゲームで儲けられなくなると厳しいんじゃないですか。ゲームって社会インフラじゃないので、おもしろいゲームがあったら売り上げは伸びるし、なかったら下がるというシンプルな世界ですから。
ホリ だね。
ひろ そんで、今回「LINEモバイル」をソフトバンクに売る結果になったんじゃないかなと思います。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)