質感と走りのレベルは、ドイツ系の人気ブランド製SUVと互角に渡り合えるボルボXC60。 質感と走りのレベルは、ドイツ系の人気ブランド製SUVと互角に渡り合えるボルボXC60。

昨年10月に2代目へバトンタッチしたボルボXC60は、スタイリッシュなプレミアムSUVとして話題を集め、輸入車としてはVW(フォルクスワーゲン)以来4年ぶり2度目となる「日本・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。ボルボとしては史上初の快挙を達成した。

このボルボXC60は新世代プラットフォーム「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)」を採用している。SPAが最初に投入されたのは上級モデルのXC90。要するにXC60は格上のモデルと骨格を共有しているってわけだ。

デザインにおいてもXC90から始まった新世代デザインを受け継いでおり、XC60は先代よりもスポーティな雰囲気を感じさせながらも、ドイツ勢とは異なる品のあるデザインとなっている。

インテリアは独自のテイストでとても雰囲気がある。カラーにもよるが、特にオプションで用意されるホワイトのレザー内装はとても美しいもの。また、デザイン自体がスカンジナビアン系となるため、スッキリした感覚ながらもどこか豊かさが感じられる。さらにダッシュボード中央に鎮座する縦型のタッチスクリーンはタブレット的な操作性を実現している。ちなみにガチライバルのX3はBMW的なスポーティさが内装にも漂っているが、XC60はボルボらしく、リラックスできる雰囲気が内装からにじみ出ている。

パワートレーンは全モデルが2リットルのDrive-Eを搭載しており、ターボを組み合わせたT5が254馬力、ターボ+スーパーチャージャーのT6が320馬力、そしてターボ+スーパーチャージャーにさらに87馬力を発生するモーターを加えたT8と呼ばれるプラグインハイブリッドが用意されている。そしてD4と呼ばれる190馬力のディーゼルターボまで用意!

試乗したのはT5。2リットルのガソリンターボで、最高出力は254馬力。8速ATだ。最近の輸入SUVはディーゼルを搭載したモデルが増えている。SUVのボディは大きく重いため、力強い走りを実現しながらも、燃費に優れたディーゼルエンジンは非常に親和性が高い。ただ、エンジンの気持ちよさは、まだまだガソリンエンジンにアドバンテージがあると思う。今回試乗したT5に乗って、あらためてガソリンエンジンの気持ちよさを知ることができたからだ。ターボといえど、吹け上がりが軽やか。アクセルに呼応して気持ちよく回転が上昇する。やはりこの感覚というのは、ディーゼルエンジンにはないもの。

さらに特徴的なのは、ドイツ系のクルマに共通する直進安定性と軽快なハンドリングで突き進む感覚とは異なる、どこかホッとする優しい乗り味・走り味を持っていること。ボクはこれをボルボならではの“あたたかみ”と表現している。ボルボは昔からいい意味でユルく、安心して身を預けることができる。その感覚がXC60にもしっかり受け継がれている。T5はエアサスを備えていたためか、滑らかさが際立っていた。

先進安全装備は超充実!

●8速AT●全長×全幅×全高:4690mm×1900mm×166mm●車両重量:1830kg●エンジン:直列4気筒DOHC 2リットル直噴ターボ●駆動方式:4WD●最高出力:254PS●最大トルク:35.7kgm●最小回転半径:5.7m●使用燃料:無鉛プレミアム●車両本体価格:679万円(税込) ●8速AT●全長×全幅×全高:4690mm×1900mm×166mm●車両重量:1830kg●エンジン:直列4気筒DOHC 2リットル直噴ターボ●駆動方式:4WD●最高出力:254PS●最大トルク:35.7kgm●最小回転半径:5.7m●使用燃料:無鉛プレミアム●車両本体価格:679万円(税込) 【SPEC】

ボルボといえば高い安全性だが、先進安全装備は超充実! 例えば通常のアダプティブ・クルーズ・コントロールで前走者に追従する際にステアリングをアシストするほかに、なんらかの要因(例えばよそ見など)で対向車線に出てしまった際に対向車との衝突を防ぐよう強制的に元の車線へ引き戻す、「対向車線衝突回避支援機能(オンカミング・レーン・ミティゲーション)」や、レーンチェンジする際に後方から走行車両が迫っていて衝突の可能性があると判断すると元の車線へと引き戻す「BLIS(ブラインドスポット・インフォメーション・システム)」を進化させたステアリングアシスト付きBLISを採用している。

また、自動運転レベル2に分類される自動運転技術「パイロット・アシスト2」も標準装備されている。これまでのパイロット・アシストは、前方に車両がいて、車線が認識された状況でのみ作動し、上限速度も50キロだった。それが今回のパイロット・アシスト2では、上限速度が140キロとなった上に、前方に車両がいなくても車線が認識できれば、車線内維持のためのステアリング操作を行なう進化を果たした。これらがすべて標準装備されているのもポイントが高い。しかも、XC60はT5が599万円からというライバルよりもリーズナブルなスターティングプライスも魅力だ。

安全面はもちろん、ボルボが約1兆3000億円を投入して開発した新世代プラットフォームの実力は、このXC60に乗ればイッパツでわかる!

河口まなぶ 1970年生まれ、茨城県出身。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌(モーターマガジン社)アルバイトを経て自動車ジャーナリスト。毎週金曜22時からYouTube LIVEにて司会を務める『LOVECARS!TV!』がオンエア中。02年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。