動物の臓器をヒトに移植する「異種移植」の研究が進んでいるという。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編に続き、注目の技術について議論する!
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ひろ 大多数のお金持ちじゃない人たちにとって、この問題は、将来的に「臓器不全で死ぬ」のか、それとも「移植手術をして生き残れる」のかというくらい大きな問題なんです。だけど、意味のわからない論理で反対する人がいる。
ホリ 「羊がかわいそう」とか「豚がかわいそう」みたいなしょうもない理由でね。
ひろ 反対派の人って、自分や家族や友人の命の問題だと思わないで反対していると思うんですよ。お金持ちじゃない多くの日本人が「動物がかわいそう」とかいう理由で、将来的に自分たちの首を絞めるのはヘンだと思います。
ホリ てか、日本人だとか関係ないよ。そんなやつらに何言っても耳を傾けないし、こっちが良かれと思って言ってもディスられるのがオチ。だから放置するのが一番なんだよ。でも、いざ自分や身内のことになったら「臓器移植を受けられないなんておかしい!」とか文句を言い始めたりする。
ひろ 目の前のことにしか反応できない人たちなので、しょうがないんでしょうね。でもこれって、歴史的に繰り返していることなんですよね。天然痘の予防接種も「打つと牛になる」みたいなデマを真に受けていた人が多くいたそうです。
んで、残念ながら民主主義では技術の発展や人間の未来のことを考えている人も、「動物がかわいそう」と言って異種移植に反対する人も同じ一票を持っています。
ホリ これは民主主義の欠陥だよ。
ひろ そういう人のせいで苦しむ未来の日本人はかわいそうですよね。ま、何度も言うようですけど、お金持ちだけはいろんな国のいいとこ取りができるので大して困らない。臓器移植だったら中国、がん治療だったらアメリカとか選べますから。なので、自分の首を絞め続けるお金持ちじゃない人たちと、自由に欲しいものが選べるお金持ちっていう二極化が世界で進んでいくような気がします。
ホリ 人間という生き物は一度パンドラの箱を開けると閉じられない生き物だから、異種移植の実用化はすごいスピードで進んでいくと思うよ。
ひろ ええ。日本の世論や倫理がどうであれ、お金持ちは自分たちの未来のためにお金をバンバン払うので、周りがとやかく言っても影響力はほとんどないんでしょうからね。ってことで、技術が普及するのは時間の問題ですけど、その未来に日本が関われるのか、はたまた置いていかれるのかの分岐点に来ているなと思います。
ホリ この問題は、倫理面での議論がもっと活発化していくに違いないけど、未来のことまできちんと考えるべき。間違っても一時の感情論や動物愛護団体とかのヘンな論調に流されないでほしいと思うな。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)