デザインが魅力的なボルボXC40。 デザインが魅力的なボルボXC40。

ボルボに一体、何が起きたのか!と叫ばずにはいられないほど、強烈なインパクトを持っていたのが今年3月に日本登場となったXC40だ。このモデルのデキがむちゃくちゃ良かった。もっともボルボは少し前から、プロダクトの質がグングンと高くなり、商品性もガンガン上がってきているのは事実だ。

2016年に新世代モデルのフラッグシップSUVであるXC90が登場したが、このときは新世代のプラットフォームを用いたことで、それまでのモデルから一気に飛躍した感があった。その後、さらに同じプラットフォームを用いて造った1クラス下に位置するSUVであるXC60は、さらに優れた仕上がりの良さで、商品性もライバルを打ち負かす内容を備えていた。

それもあって、このXC60は世界中の賞を総ナメ! 昨年、日本カー・オブ・ザ・イヤーも輸入車ながら受賞して話題となった。ちなみに日本カー・オブ・ザ・イヤーの歴史のなかで、輸入車がトップに立ったのは、13年のVW(フォルクスワーゲン)ゴルフのみ。ボルボはそれに次ぐ快挙を達成した。

XC40のプラットフォームはXC90やXC60のSPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)プラットフォームではなく、新たにコンパクトカー向けに開発したCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)プラットフォーム。

デザインは、これまでのXC90、XC60の流れとはまったく異なる。だが、XC40のデザインは見れば見るほど魅力的だ。確かにXC90やXC60の新世代ボルボのハイクオリティなスカンジナビアン・デザインもいいのだが、このXC40はどこかポップでファンな雰囲気が漂う。聞けばXC40の開発時には“ファンキー”というワードが設定されており、顔つきのモチーフはなんと、イングリッシュ・ブルドッグ! 道理で犬顔である。

またボディをサイドから眺めると、どこか幾何学的な感覚もあって、見どころが多いのも特徴。そして今回の試乗車はR-Designという最もスポーティなモデルなので、足元には20インチのタイヤ&アルミホイールがドーン!

さらに、インテリアもかなりいい。というのもハンドルやダッシュボード回りはXC90やXC60の流れを受け継ぐ未来感があるものにデザインされているが、それ以外の部分がいかにもパーソナルな空間を演出。非常にヨロシイ!

例えばドアポケットは広くてノートPCをそのまま置けるし、アームレストには箱ティッシュがそのまま入れられる空間が。さらにそのティッシュの前にはゴミ箱まで用意。そしてセンターコンソールにはQiでワイヤレス充電ができるスペースも。という感じでまるでマイルーム的な感覚なのだ。しかもトリムはオプションでオレンジが選べるのだけど、これがまたフェルト素材でオシャレ!

スポーティなモデルなのに激烈に乗り心地が良い!

●8速AT●全長×全幅×全高:4425mm×187mm×1660mm●車両重量:1690kg●エンジン:2リットル直列4気筒DOHCターボ●駆動方式:AWD●最高出力:252PS●最大トルク:35.7kgm●最小回転半径:5.7m●使用燃料:無鉛プレミアム●車両本体価格:559万円(税込)。※限定300台の1st Editionは完売。 ●8速AT●全長×全幅×全高:4425mm×187mm×1660mm●車両重量:1690kg●エンジン:2リットル直列4気筒DOHCターボ●駆動方式:AWD●最高出力:252PS●最大トルク:35.7kgm●最小回転半径:5.7m●使用燃料:無鉛プレミアム●車両本体価格:559万円(税込)。※限定300台の1st Editionは完売。 【SPEC】

このように見た目でかなり語れる一台に仕上がっているXC40なのだが、驚いたのはむしろその走りだ。というか走りだして数分で思わず、「なんじゃこりゃ!」と助手席の同業者と顔を見合わせたほど。

まず走りだしてすぐに、ハンドルのフィーリングが超絶いいことに気づく。ハンドルの重さは設定でいろいろ変えられるが、このときは最も軽い状態。で、軽いと不安なこともあるのだけど、XC40の場合はハンドルが軽いのに芯がしっかりある! 扱いやすくて情報も入ってくる実に高レベルなステアリング・フィールを実現!

で、ステアリング・フィールが良いクルマってのはまず間違いなくシャシーが良い。サスペンションがよく動いて路面の荒れた所や段差をうまくいなし、どんな状況でも常に姿勢をフラットに保って意のままに操れるというのが理想だが、それを地でいくのがこのXC40だ。

しかも! 驚きは20インチを履いたスポーティなモデルなのに、激烈に乗り心地が良い! もちろん荒れた所や段差がひどければボディもブルブルすることもあるが、そうしたシーンが極めて少なく、ほぼピタリと路面をとらえて走るのだ。

背高なのに、なんでこんなに軽やかな身のこなし?と思わずあっけにとられるほどだ。思わず、「日本の自動車メーカーの皆さん、絶対これを買って研究すべきです!」と言えるレベル。それほどまでに驚かされる走りをXC40は持っていた。

実はXC40の購入を検討する自動車ジャーナリストが何人もいる。しかも、本気で迷っているのだ。果たして今年、コレ以上のインパクトを持ったクルマが登場するか? 注目だ!

●河口まなぶ 1970年生まれ、茨城県出身。日本大学藝術学部文芸学科卒業後、自動車雑誌(モーターマガジン社)アルバイトを経て自動車ジャーナリスト。毎週金曜22時からYouTube LIVEにて司会を務める『LOVECARS!TV!』がオンエア中。02年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。