『クリプトキティーズ』。昨年11月にリリースされ、ブロックチェーンゲームの開発ブームの端緒となった。キティは売買が可能で、これまでに約1500万円で取引された事例も

昨年、ブームを起こした「仮想通貨」に、新しい潮流が生まれている。それは「スマホゲーム(ソシャゲ)を遊んで稼ぐ」というモノ。いったい、どんな仕組みなのか?

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仮想通貨の核となる技術「ブロックチェーン」は、仮想通貨以外にも、さまざまな分野で革新を起こす!と期待されている。なかでも、この技術を使ったスマホゲームは、今後、大きなムーブメントとなるかもしれない。

その名も「ブロックチェーンゲーム」(以下、BG)。同ジャンルの攻略サイト『dAppsMarket(ダップス・マーケット)』を運営し、自身もプレイヤーとしてBGを遊びまくっているダプマ氏はこう解説する。

「BGとはブロックチェーンを活用したゲームのことで、基本的にスマホでプレイします。特徴は、なんといっても仮想通貨を報酬として得るチャンスがあること。現状では仮想通貨『イーサリアム』とシンクロさせたゲームが主流です」

BGの歴史は、まだ始まったばかりだ。何せ、BGの始祖として登場し、数多くのユーザーを獲得した『クリプトキティーズ』は昨年11月にリリースされたゲームなのだ。

「昨年発生した仮想通貨ブームにより、ブロックチェーン技術にも注目が集まりました。そのタイミングで仮想通貨のイーサリアム(*1)のネットワーク上に、『クリプトキティーズ』というゲームが登場したのですが、そのモノ珍しさにユーザーが集まっただけでなく、多くのゲームメーカーが『その手があったか!』と、BG開発を検討したり、決定したりするきっかけになったんです。その結果、今やDApps(*2)市場には、400以上のBGが存在しています」(ダプマ氏、以下同)

さて、『クリプトキティーズ』だが、遊び方は簡単だ。スマホの画面上で"キティ(猫)"というキャラクターを2匹買って、交配させ、新たなキティを作る。基本はそれのみ。ポイントはゲーム内に、キティを売買するマーケットがあることだ。そのやりとりをイーサリアムで行なう。

「希少性の高いキティは高値で売れるんです。僕とは別のユーザーのキティの話ですが、今までに1000万円相当以上で売買されたことが複数回ありますよ」

その後、ダプマ氏は、『クリプトキティーズ』から『イーサオンライン』に軸足を移す。このゲームは、アバターが装備するアイテムをそろえたり、強化したりしながら、他ユーザーとバトルを繰り返すゲームだ。ダプマ氏は、今年5月の1ヵ月間だけで、約80万円相当を稼いだという。

「このゲームには、装備しているアイテムのステータスが『バトルパワー』と呼ばれるポイントに換算されるのですが、そのポイント数で上位10名に入れば、アイテムや仮想通貨を報酬としてゲットできるんです。この報酬システムが話題を集めて、一気に人気BGになりました。もちろん、アイテムやキャラクターなどをゲーム内のマーケットで売買することで利益を得ることも可能です」

ただ、ゲーム自体は面白いかというと......。

「バトルは、対戦相手を指定し、ボタンを押すと、そのすぐ直後に勝敗が通知される、という味気がないモノ。"戦った"っていう実感がない(笑)」

★ほとんどのBGが「未完成」な理由とは? "億り人"登場も時間の問題? 記事の全文は『週刊プレイボーイ』27号(6月18日発売)にてお読みいただけます!

*1「イーサリアム」
世界2位の時価総額を誇る仮想通貨。単位はetherもしくはETH。世界1位の「ビットコイン」との違いは「スマートコントラクト」技術を採用していること

*2「DApps」(ダップス)
ブロックチェーンを用いた分散型アプリケーション。仮想通貨「イーサリアム」を取引に用いたゲームが次々と開発されている。「スマートコントラクト」によって、ゲーム内で育てたキャラクターを売買したり、対戦で勝利すれば報酬がもらえたりと、ゲームプレイで仮想通貨を稼ぐことが可能に。