"ITの巨人"グーグルの純正スマホが日本上陸する(っていうか、グーグルってスマホを作ってたのね......)。これまでの海外での売れ行きや評判を聞くとともに、間もなく発表される新端末のスペックや機能を予想した!
■ドコモとソフバンで価格は10万円前後?
グーグルの「Pixel(ピクセル)」が日本に初上陸する。
Pixelとは、グーグルが自社で発売しているAndroidスマホのブランド。10月9日(現地時間)に米ニューヨークで行なわれるイベントで新型機が発表されるとみられており、どうやらそれが日本に投入されるようだ。
ん? でもグーグルって、以前もNexus(ネクサス)ってブランドでスマホを出してなかった? あれはどうなったの?
ITジャーナリストの石川温(つつむ)氏が教えてくれた。
「Nexusは2010年から16年にかけて販売され、台湾のHTC、韓国のサムスン、LGが製造を担当していました。グーグルが開発したスマホOSのAndroidは、端末メーカーごとに使い勝手がカスタマイズされていることが多く、アプリ開発者にとってはどのメーカーに合わせればいいのかが悩みのタネだったんです。
そこで主に開発者向けに、最新かつ、いわゆる"素"のAndroidを搭載した端末として、Nexusを出しました。標準機であるNexusで動くようにアプリを作れば、他メーカーのAndroid機でも使えますから」(石川氏)
ただ、そんな背景で生まれた端末なので、一般ユーザー向けの販売にはあまり力を入れていなかったようだ。
「知名度のなさが響き、一部モデルが導入された日本を含め、ヒットには至りませんでした。やがて、16年に発表された初代Pixelと入れ替わる形で、ブランドごと消滅したのです」(石川氏)
自社スマホの販売は続けるのに、なぜわざわざブランド名をPixelと変える必要があったのか? 携帯電話ライターの佐野正弘氏が語る。
「端末の立ち位置が変わったからです。より一般ユーザーに比重を置き、グーグルアシスタントなどの自社サービスを総合的に使ってもらうための接点として、自前で端末も提供していくという方針になったのです」
そんなPixel、仕切り直していかなる特徴を持つようになったのか。
「最新版の素のAndroidで動くところは、Nexusから引き継いでいます。サイズは2種類あり、HTC製の初代ならディスプレーが5インチと5.5インチ、昨年発売されたPixel2なら5インチ(HTC製)と6インチ(LG製)がそれぞれ設定されています。
最上位のチップセットを採用するなど、Android機の中ではハイエンドクラスに分類され、1レンズながらカメラ性能が高いのも特徴です。しかし、デザイン的にも機能的にも飛び抜けた特徴がなく、アメリカなど限られた国でしか売られていないこともあり、市場で存在感を示すまでには至っていません」(佐野氏)
初代も2代目も日本で販売されることはなかったが、3代目発表を機に投入してくるのには理由がある。
「初代はグーグルアシスタントが使えることを売りにしていたのですが、当時はまだ、日本で同サービスが開始されていませんでした。それがここへきて環境が整ったので、満を持しての登場となったのでしょう」(佐野氏)
しかもSIMフリー機ではなく、どうやらキャリアから発売されるようなのだ。
「ドコモとソフトバンクが扱うようです。価格は、大画面版で10万円前後ではないでしょうか」(石川氏)
ようやくの上陸となる最新版、グーグルアシスタントが使えるのは当然として、ほかにどんな目玉がありそうなのかは気になるところだ。日本向けに、おサイフケータイに対応なんて噂もあるが......。
「現時点ではなんとも言えませんが、日本で多くのユーザーを獲得しようと思ったら、おサイフは必須の機能。その有無で、日本市場に対するグーグルのやる気の度合いが測れるでしょうね」(石川氏)
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