"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。ドワンゴの社長交代について語った前回に続き、今回は『ニコニコ動画』復活策を考える。
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ホリ 夏野剛(たけし)さんがドワンゴの社長に就任したわけだけど、これで「ニコニコ」がどうなるのかは見ものだよね。「復活する」って話もあるけど、そもそもニコニコがはやったのって、ある意味、偶然が重なった奇跡的なところもあると思うんだ。
ひろ お、どういう偶然ですか?
ホリ ほら、『ミュージカル「テニスの王子様」』の空耳動画がはやってバズってたじゃん。
ひろ 8分くらいの劇中のセリフほぼすべてがまったく違う内容に聞こえる一曲があったんですよね。2007年でしたっけ。あれがきっかけでニコニコに空耳ブームが起きて、ニコニコの利用者が増えていったという。
ホリ あれって、狙ってつくれるようなブームじゃないでしょ。だから、ある意味偶然が重なったっていうこと。
ひろ 僕的にはニコニコがはやったのって、「アニメやオタクに特化したことで時代の流れに乗れた」感があるかなと。あの時代はオタクたちがこぞって動画を投稿して、利用者がガンガン増えましたから。
ホリ 今みたいにスマホひとつあれば気軽に動画が作れる環境じゃなかったからね。
ひろ そういう文化的なものをつくるのって、夏野さんの手腕だけではどうしようもないわけですけど、実際のところニコニコはどうなると思います?
ホリ んー、夏野さんが優秀な経営者であることには違いないんだけど、ニコニコは相当出遅れちゃっているからな。ここまで来ると、正直、けっこうつらいと思う。だから、有料チャンネルの機能とかをもっと充実させればいいのにとは思う。
チャンネルって著名人しかできないし、メルマガ的な機能がメインになっているけど、もっと発展させるとオンラインサロンになるからね。単価も高いし、それが月額課金だから、けっこうな手数料が入ってくる。
ちなみに「キャンプファイヤー」のオンラインサロンは後発だけど、最近ガンガン利用者を増やしていて、先駆けて始めていたDMMを抜いたらしいよ。
ひろ オンラインサロンは今一番話題になっていますよね。あとは、YouTubeのやらないことをいかにできるかですかね。それができれば、少なくとも存在価値は出てくるかなと。
ホリ そういう意味でもニーズがあるのって有料チャンネルなわけで、オンラインサロンとかもまだまだ可能性があるのは事実だよね。
ひろ ニコニコって有料のプレミアム会員は減っていますけど、有料チャンネル会員は増えているみたいですしね。堀江さんが言うように有料課金の分野は、まだ伸び代があると思います。
んで、どこかの分野で一点突破すると、それに付随して周りのサービスも使われるようになるんですよね。例えば、昔はニコニコ動画が成功したことで、付随するニコニコ生放送とかニコニコ大百科とかもユーザーを増やしました。なので、何か一個強みを持ったほうがいいんですよ。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆき「オンラインサロン、投げ銭が『ニコニコ動画』復活の鍵になる!」
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)