"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回は、夏野剛(たけし)氏が新社長になったドワンゴの『ニコニコ動画』復活について。前編では、「ニコニコは相当出遅れちゃっているからな。ここまで来ると、正直、けっこうつらいと思う」としながらも、「ニーズがあるのは有料チャンネルなわけで、オンラインサロンとかもまだまだ可能性があるのは事実」と、有料課金の分野での伸び代に期待した。

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ホリ てか、なんでオンラインサロンに乗り出さなかったんだろう? チャンネル機能の延長みたいなもんだし、やろうと思えばできたはずなのに。

ひろ 乗り遅れるというか、乗ろうともしてなかったような気がしますけど。

ホリ ニコニコなりのこだわりがあったのかな。

ひろ でしょうね。「SHOWROOM」とかの配信サービスには普通に搭載されている「投げ銭(ギフティング)機能」も、そういった事情でやらなかったんでしょうし。

でも、投げ銭機能がサービスを盛り上げるのは、ほかのサービスで証明済みなので、そういう機能を追加してくるかどうか。

ホリ そこはさすがにやってくるでしょ。社長が代わるっていうのは、そういう部分も変わるってことだから。

ひろ あとは、行き当たりバッタリでもいいので、何かをやることが大事なんじゃないかと。へたな鉄砲も数撃ちゃ当たるで、いきなりウケるものが出てきたりしますから。

ホリ 新社長の夏野さんは、そういう場をつくるのはうまそうだけどね。あと、例えば、NTTドコモでiモードを手がけていたときには、ドコモ公認のウェブサイトとしては銀行とか天気とかニュースとかを用意していたんだけど、実はその裏で「勝手サイト」と言われる非公式サイトを事実上野放しにしていたじゃん。

ひろ iモードのカテゴリメニューからはアクセスできないけど、URLを直接入力すればアクセスできましたよね。

ホリ んで、実はその勝手サイトに多くのユーザーが集まって、ドコモとしてもトラフィックを稼ぐことができた。

ひろ iモードの普及には勝手サイトの存在が欠かせなかったといわれていますからね。夏野さんも初めからそれを狙っていたと言ってましたよね。ドコモを辞めてから(笑)。

ホリ そうそう。その証拠に、新機種が発表されると、その日の夜には端末のスペック情報を公開していて、端末に合わせたサイトを作りやすいようにしていたし。

ひろ ユーザーが自由にできる範囲を整備するってことの重要性をわかっている経営者は少ないので、夏野さんは稀有(けう)な存在ですよね。たぶん、iモードも夏野さんみたいな人がやっていないと、お堅いコンテンツにしかアクセスできなくて、そんなにはやらなかったかもです。

ホリ 夏野さんなら、ユーザーの自由な範囲を整備するとかの仕掛けは上手にやってくると思うから、そこからどうなるのかを期待したいよね。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。西野亮廣氏との共著『バカとつき合うな』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『論破力』(朝日新書)

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