左から映画『HAYABUSA2 ~REBORN』監督の上坂浩光氏、大正製薬マーケティング本部長・梅岡久氏、JAXA宇宙科学研究所「はやぶさ2」プロダクトマネージャの津田雄一氏

「リポビタンD」を発売する大正製薬が14日、宇宙で頑張る人々を応援する「リポD SPACE PROJECT」発足を発表。会見では、大正製薬マーケティング本部長・梅岡久氏や映画『HAYABUSA2 ~REBORN』監督の上坂浩光氏、JAXA宇宙科学研究所「はやぶさ2」プロダクトマネージャの津田雄一氏などが登壇した。

今回の企画について梅岡マーケティング本部長は、2005年、管制室内の映像にリポビタンDが映っているのを見て、「私たちの社会ミッションは、頑張っている方を応援していくこと。宇宙開発に携わることはできなくても、その分野で頑張っている人を応援することはできる。そういった皆さんを応援し、国民の皆さんの関心を高めたい」ときっかけを説明。

はやぶさの魅力を語った上坂監督

同社はこれまでも、はやぶさ2プロジェクトチームや国際宇宙ステーションの関係者へイベントで集めた応援メッセージを届けたり、リポビタンDの差し入れをしたりしてきたが、今回は「はやぶさ2」や先代の「はやぶさ」をラベルにデザインした応援限定ボトルの発売を発表した。

はやぶさ初号機の運用などに携わったNEC 社会基盤ビジネスユニット 宇宙システム事業部マネージャ小湊隆氏と行なわれた津田氏のトークショーでは、津田氏がはやぶさとの苦労を回顧。

大正製薬から応援メッセージが書かれた幕を贈呈

忘れられない出来事として、「何億キロも先の宇宙空間で行方不明になってしまい、電波を頼りに探すため宇宙空間にアンテナを向けて、波形をVHSにひたすら撮り溜めて確認する作業を毎晩行なっていた」としみじみ語った。

また、現在運用しているはやぶさ2については、はやぶさと比較して順調だと言われているが「アメリカのあるアンテナが天候不良で使えなくなり、このままでははやぶさ2の電波が途絶える、あと5分で中止という、けっこう緊迫の状況に陥ったことも何度かあります」と苦笑い。

応援メッセージが詰まったメッセージブックを手にうれしそうにする津田氏

はやぶさ2では一度タッチダウンが中止になったことも。そのときを振り返り、「2回目のタッチダウンを試みるか、JAXA内で揉めたんですよ。でもそういうときに外の方から応援していただき、泣いてしまうくらいうれしい意見をもらえた」と、一般人からの"応援メッセージ"が、実際、宇宙開発に影響を及ぼしていることを明かした。

多くの声援によってはやぶさは「"7つの世界初"という予想以上の成果」を出した。はやぶさとともに夢を追い続ける津田氏は、最後に「夢を持ちましょうって言うのは簡単で、実際どうすればいいのか。でも子供たちは必ず好奇心がある。深入りして挑戦する、その先に夢が見つかる。大人のやることはそれを応援すること。そうすればみんなが大きな夢を描けるのかな」と、子供たちに向け"応援メッセージ"を送り、締めくくった。