"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は話題の翻訳ツール「DeepL」について語る。
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ホリ 翻訳ツールの「DeepL」って使った?
ひろ 一応触ってみましたよ。
ホリ めちゃくちゃレベルが高いと話題だったから、俺も試してみたんだけど、かなりの精度だよね。無料で使えるグーグル翻訳と比べると、飛躍的に良くなっているというレベル。
ひろ 翻訳の精度って、どんどん上がっていますよね。ただ、その精度がどこまで上がるかが疑問なんです......。
ホリ というと?
ひろ 例えば、東京の人がいくらがんばって関西弁をまねしても、関西人が聞いたらスグにエセ関西弁だってバレるじゃないですか。あんな感じで、どこかに罠(わな)があると思うんです。
ホリ でも、それは、このDeepLにもたぶん使われているディープラーニングの得意なところでしょ。
ひろ ただ、関西弁は発音以外にも関西特有の知識とかが必要になる部分もあると思うんですよ。
ホリ でも、DeepLはスラングとかも覚えて、翻訳に生かしているみたいだよ。それに、ディープラーニングは教師データをどんどん学習していくので、そういう部分も解消されそうな気がするけど?
ひろ 一般的に使われている言葉であればそうなんですけど、例えば、「ナウい」は古くて、今は「イケてる」が一般的な感じもありますけど、若者からしたら「イケてる」ももう古くなっているとかってあるじゃないですか。そういう人間の感覚の部分って、難しい気がするんですよね。
ホリ おっさんが言い始めた単語はもう古いから若者は使わないみたいな? それを追いかけてもしょうがないと。
ひろ はい。「それなー」とかも、もう古いみたいですから。
ホリ どうなんだろう。そういうのも時系列に合わせてディープラーニングで熟知させていくような気もするけど。
ひろ 理論上は、発言の時系列や発言者の属性に合わせて教師データを変えていくことで対応していくことは可能なんですけど、そういうことをやればやるほど、若い人ってその言葉を避けていく気がするんですよね。
言葉って100年前から進化しなくても誰も困らないものですけど、若い人たちって必ず進化させますよね。若者だけが通じる言葉をつくって、それがわかることで共感を覚えるみたいな。だから、AIが出てくると、AIがわからない表現とかを好んで使うような気がするんです。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが話題の翻訳ツール「DeepL」に「今後は『医療系専門』とか『市場専門』の翻訳とかで分かれていく可能性はある」
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『理不尽に逆らえ。真の自由を手に入れる生き方』(ポプラ新書)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『1%の努力』(ダイヤモンド社)