海外の家電見本市では完全に主役!! 海外の家電見本市では完全に主役!!

アマゾンや楽天で見かける中国メーカーの家電製品。それらは日本メーカーの商品よりもかなり安いけど、性能的には買ってもOKなの? そして気になる購入後のサポートは?

中華家電界隈の不安を一気に解消し、オススメ商品の正しい買い方もまとめて紹介です!

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■もはやサポート体制も日本メーカーレベル!

基本性能が充実で、破壊力ある価格とCM攻勢で注目される中華家電。買って幸せな商品を大検証です! 基本性能が充実で、破壊力ある価格とCM攻勢で注目される中華家電。買って幸せな商品を大検証です!

近頃、指原莉乃さんと木梨憲武さんが共演するスマホのCMや、綾野 剛さんの出演する新型テレビのCMなどがヘビロテ中。実はこれ、みんな中国家電メーカーのCMなんです。

一方、最近はアマゾンや楽天で見かけるハイスペックをウリにした格安の家電も中国メーカーが中心だったりしますが、これって即ポチしちゃって大丈夫なクオリティなの? スペックはもちろんだが、ユーザー的には大型白物家電の設置やアフターサポートも超重要事項!

最新家電とその活用テクが大充実の電子雑誌『デジモノステーション』(dマガジン、アマゾンほかで配信中)の編集長で、総フォロワー数60万人超えの楽天ROOM・家電公式インフルエンサーの滝田勝紀さんと、中華家電の不安要素をスッキリ解消していきましょう。

――まずは中華メーカーのサポート問題ですが、これはどうなっているんでしょうか?

滝田 弊誌の読者やフォロワーが中華家電の購入に踏み切れない理由ナンバーワンも、やはり「サポートの不安」なんです。でも、安心してください。多くの中国メーカーは日本市場で本気で儲ける気はありませんから(笑)。

――ちょ、それ不安要素しかないでしょ!

滝田 中国メーカーは、そもそも日本で儲けようってスタイルではありません。パイの小さい日本で売ってもたかが知れていますからね。しかし家電業界のグローバル市場において"日本のユーザーに認められた!"というブランドイメージは相変わらず絶大なんです。

特に中国メーカーが現在最も力を入れている本国とアフリカ・インド市場では"日本で高評価!"というのは超強力なウリ文句になります。その評価を得るために中国メーカーは、日本のユーザーが一番気にする初期不良からの即交換、各種アフターサポートには一切手を抜きません。

それこそ15年ぐらい前までは海外の家電見本市に行くと、日本で聞いたことのないメーカーが"日本でユーザー評価1位!"とかデタラメなアピールをしていましたが、今は豊富な資金と技術力でそれを実現している状態ですね。

――実際のところ、どのようなサポート体制が敷かれているんですか?

滝田 ハイセンスやハイアールなど、テレビや冷蔵庫といった大型白物家電を扱う中国メーカーは傘下に日本メーカーを収めており、そのアフターサービス網を使っています。

大手家電量販店とも提携していて、マンションや戸建て問わず、大型白物家電の設置もスムーズに行なってくれます。日本メーカーと遜色ないっていうか、同じサービス体制と考えていいですね。

――今の時期だとエアコン&冷蔵庫の需要がアップ中ですが、それらも充実している?

滝田 コスパ的にはエアコン、冷蔵庫、洗濯機などの大型白物家電はハイセンス、ハイアールが圧倒的です。冷やす、洗うといった単純な動作で日本メーカーと性能差なんてないんですよ。

――本当ですか? それこそ昔の中国メーカーの家電はハリボテ感がひどかったと聞きますけど......。

滝田 確かに昔は冷蔵庫のドアの開閉音の質感を高めるために無理やりオモリを入れてるとか、めちゃくちゃな商品がありましたよ(笑)。でも、現在では日本の住宅事情に最適化された商品展開になっています。

例えばエアコンなら、海外市場だと床に設置して広範囲を冷やすタイプが主流ですが、日本では定番の壁に設置するタイプを販売していますし、冷蔵庫も外観はコンパクトで収納力を高めた日本仕様のモデルを積極的に投入しています。

ちなみにハイセンスのエアコンだと14畳のリビングで使えるタイプが9万円前後。これが日本の大手メーカー製だと16万円前後ですから、やはりコスパは圧倒的ですね。

――でも、どっかに性能的な違いがあるんでしょ?

滝田 白物だとまずは燃費ですね。エアコンも冷蔵庫も電気代の節約設定は日本メーカーがうまい。でも年間で1000円ちょいレベルでしょう。あとは外観の仕上げです。中国メーカーはどうしてもウェブや紙のカタログの写真を盛りすぎるので、実物を見ると"ちょっと違うぞ!?"となることがあります。

――で、サポートのことを考えると購入はやはり大手量販店がベストですか?

滝田 アマゾンとか楽天で全然いいですよ。

――でも、さっきサポートが大手量販店と提携してるとか言ってたじゃん!

滝田 大手量販店との提携もありつつ、すでに中国メーカー独自のサービス網が整っているんですよ。例えばアマゾンでハイセンスのエアコンや洗濯機を買っても大手家電店と同じように設置を行なってくれます。

――故障した場合は?

滝田 それもメーカーのサポートに連絡すれば即対応してくれますよ。対応が速いので疑問や不満はガンガン言ったほうがいいですよ。中国メーカーはこうやって日本のユーザーがストレスを感じるところはすべてクリアにして"高評価"を獲得していく方向なんです。

――中国メーカー的には、EUや北米での高評価じゃダメなんですか?

滝田 EUは"安ければ買う"という感覚で、北米は"ピックアップトラックのようにパワフル、かつレクサス並みの質感で格安"という特殊すぎる嗜好(しこう)なのでまったく参考にならないんですよ(笑)。

一方、日本はダイソンの掃除機のように高くても性能がいいものにはお金を出す。だから今後は中国メーカーによる高額ラインの白物家電のラインナップも日本で増えてくるでしょうね。日本で認められてから、グローバル市場で売りまくる戦略ですよ。

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★テレビから白物まで手がける総合家電メーカー ハイセンス 
東芝のテレビ事業を傘下にし、日本市場では高画質でエンタメ機能が全部入りのテレビをメインにして事業展開。今年はエアコン、冷蔵庫などの大型白物家電でも大攻勢中で、アマゾンのエアコンカテゴリーではベストセラーを連発中!

58v型 4K液晶テレビ 58S6E 実勢価格:8万円前後 4Kチューナー搭載で、Netflix、アマゾンプライム・ビデオ、Huluなどの動画配信が専用リモコンから操作可能。65インチモデルでも10万円ちょいで販売される超コスパっぷり!

2ドア冷蔵庫 HR-B12 C 実勢価格:2万2000円前後 容量120リットルのひとり暮らしに最適なモデル。「天板が耐熱仕様で電子レンジを設置できます。このちょっとした配慮がうまいんです!」(滝田氏)

3ドア冷蔵庫 HR-D3601S 実勢価格:9万6000円前後 今夏の推しモデル。「横幅59.9cmで、容量360リットルという日本メーカーにも作れないレベルのコンパクトモデルです。3ドアだから内部の整理整頓が楽!」(滝田氏)

8kg全自動洗濯機 HW-DG80A 実勢価格:4万7000円前後 4人家族にちょうどいい容量8kgで、日本の住宅事情にマッチした横幅57cmのコンパクト設計。最短10分洗濯、タイマー予約など基本性能も充実。

★白物家電10年連続世界シェア1位 ハイアール


日本のAQUAやアメリカのGEアプライアンスを傘下にする世界最大の家電メーカー。海外の見本市では液晶ディスプレイを内蔵したスマート鏡や、2槽式のドラム洗濯機などを公開。これら超ハイテク白物家電の日本販売にも期待です!

5.5kg全自動洗濯機 JW-C55D-K(ハイアール) 実勢価格:2万2000円前後 おひとりさま、ふたり暮らしならこれで十分! 各種ECで大ヒットの定番洗濯機。こちらも10分の時短洗濯機能を搭載。

コードレススティッククリーナー AXEL CLEAN HF500(AQUA) 実勢価格:2万6000円前後 日常的なお部屋のお掃除だけでなく、ペットの毛を効率よく吸引する機能を搭載。しかも、吸引したゴミはワンタッチでポイできる!

■類似商品があったらアンカーを選べ!

――例えば、現在アマゾンでテレビのベストセラーをチェックすると上位にランクインしているのがハイセンスやTCLなど中華メーカー。正直、これはスペック的にはどうなんでしょうか?

滝田 格安で全部入りです! 高画質4K、HDDを接続しての録画機能は当たり前、付属のリモコンから「Netflix」や「アマゾンプライム・ビデオ」などの動画配信サービスも視聴できます。このスペックで65インチでも10万円ちょい、サポート体制は白物家電と一緒ですから買って失敗するということはありません。

特にハイセンスは東芝のテレビ事業を傘下にしているので画質的には世界的に評価の高いREGZAと同じです。

どの中国メーカーも日本発の技術を豊富な資金力で吸収して、それをベースに独自機能を追加して製品力をアップデートしていくスタイルです。これって、日本のメーカーが60~80年代にトランジスタラジオやカメラ、そして自動車でやってきたこととまったく同じなんですよね。

――そんな状況だと、逆に日本メーカーのテレビを購入する理由ってあるんですか?

滝田 そもそも日本や韓国のメーカーは、一般家庭用テレビで中国メーカーと勝負する気がないんですよ(笑)。あえて日本メーカーを買うなら最新の3Dゲームで遅延を限りなくゼロにしたいとか、とにかく音響にこだわりたいといったマニア寄りの用途ですよね。

ただ、このようなマニア用途を家庭で実現させようとしたら100万円コースは覚悟してください!

――それは無理! あとスマホ関係の中華メーカーだと、指原莉乃さんと木梨憲武さんがCMに出演しているOPPO、そして昨年末日本に上陸したシャオミがグイグイきている雰囲気ですけど?

滝田 これまで日本市場で、格安モデルからフラッグシップまで圧倒的なシェアを誇っていたのはファーウェイです。それこそ昨年一番売れたAndroidのSIMフリー端末もファーウェイですよ。

しかし、米中経済摩擦の影響でGoogleが提供するアプリ配信、各種サービスの利用ができなくなりました。その間に一気に攻めてきたのがOPPOとシャオミです。

――OPPOは格安SIM界隈(かいわい)では常に高評価を連発してますよね。

滝田 防水防塵(ぼうじん)、FeliCaを搭載しておサイフケータイへの対応など日本市場にしっかり合わせています。そして今年はauからフラッグシップモデルを発売して、ファーウェイのシェアを完全に奪いにきてますよね。

――一方、シャオミは日本に昨年上陸して今年は日本国内で大ヒット連発。これは?

滝田 正直、上陸直後はサポートとかグダグダだろうと思ってたんですよ。オンライン中心の、規模の小さい販売戦略でしたからね。

でも今年、上陸して1年もたたずにauのキャリアモデルに5G端末が採用されました。日本のキャリアモデルに採用されることって、企業としてかなりのサポート体制を整えてないと無理ですから、短期間でこれをやったのは、中国メーカーの本気の展開速度を見た感じがしましたね。

――シャオミは炊飯器など白物家電もやってますよね。

滝田 それどころか、グローバルだとPCはもちろん、テレビから大型白物家電、さらに電動自転車をはじめとするスマートモビリティまで販売しています。

ブランド戦略的に日本の無印良品を意識している点が注目されてますが、家電目線でチェックすると、質の部分ではシャオミの完勝です。今後はこれら白物やテレビなども日本市場への導入を狙ってくるでしょうね。

――で、この2社に追いやられたファーウェイの動向は?

滝田 今年もスマホのカメラ性能は圧倒的です。ただ、Googleのアプリを利用できないのは致命的で、それを納得して使いこなせるマニア限定の端末になってますね。一方、PCやタブレットは仕事用途で使うなら相変わらずのコスパモンスターっぷりです。

――続いて、スマホ用のバッテリーや充電器など、小物ガジェットの中国家電は?

滝田 やはりアンカーが安心ですね。アンカーってアメリカ発をイメージさせる企業ですけど、本社は中国深圳(しんせん)にある中国メーカーなんですよ。

――アマゾンにはアンカーの類似商品がかなり格安で販売されてますよね。実はこっちを選ぶのが正解という説は?

滝田 安い分必ず手を抜いてるところがあるんですって! それこそ最終的な動作チェックをしていないとか。これは初期不良の原因になるので、ネットでよく言われる「アンカーを買っておけば間違いない説」が正解だと思います。あとアンカー製品を購入するときは、価格が最安のアマゾンの公式からが一番です!

――ところで、これだけ中華メーカーが進出してきて、日本メーカーは大丈夫なの?

滝田 日本メーカーによる新技術の開発力ってやはりすごいんですよ。例えば昨年4月に三菱電機が発売した「ブレッドオーブン」という1枚の食パンだけを激ウマに焼き上げるトースターがあるんですが、約3万円もするのに大ヒットしてるんですよ。

通常なら大ヒット商品が発売されて半年後には中国メーカーから1万円前後の類似商品がリリースされるのに、いまだにナシ。つまり技術的にパクることができないんですよ。

日本の厳しすぎるユーザーに鍛えられた有能な技術者たちがいる限り、日本メーカーはまだまだ大丈夫だと思います。

でも、技術がパクれないとなると、技術者どころか会社ごと買っちゃうのも中国メーカーのグローバル戦略のひとつなんですけどね(笑)。

――それだと日本メーカー、やっぱり大ピンチじゃん!

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★昨年、日本に上陸して即ブレイク!! シャオミ


グローバル市場ではテレビや電動自転車なども展開。テレビのイメージキャラクターにはボンド役でおなじみのダニエル・クレイグさんを採用する本気っぷり! 今年はauに5G端末が採用され、日本でもスマホ市場を席巻か!?

Redmi Note 9S 2万4800円+税 約6.7インチの大画面でゲームも動画もサクサク。これで3万円以下は大ヒットも納得。各キャリアの周波数に対応する汎用性の高さも魅力。

Mi IH炊飯器 9800円+税 日本人の技術者が開発に参加し、中国で大ヒットした炊飯器。「簡単操作重視の機能面だけでなく、これはデザイン面もアリな商品ですよ!」(滝田氏)

★ファーウェイの居ぬ間に勢力拡大中!! OPPO


これまで日本のユーザーが求める機能を重視した格安モデルを中心に展開してきたが、今年はフラッグシップモデルも充実。auが採用した「OPPO Find X2 Pro」は、5G対応で10倍ズームレンズを搭載!

Reno3 A 3万9800円(税込) 約6.5インチディスプレイで、防塵防水、Suicaをはじめとする非接触決済に対応。日本市場を研究し尽くした格安SIMフリー端末の王者!

★ノートPC、タブレットでも実は強メーカー ファーウェイ 
世界シェア第2位のスマホメーカーだったが、米中摩擦の影響でGoogleの提供する各種モバイルサービスが利用停止で、日本でのスマホ売り上げも厳しい状況に......。その一方、ノートPCやタブレットなどビジネスで使える強コスパモデルは充実のラインナップですよ!

HUAWEI MatePad Pro 実勢価格:5万9800円+税 こちらも各種Googleアプリが利用不可だが、実はマイクロソフトのOfficeは利用可能。ビジネスで割り切って使うならアリ!

HUAWEI MateBook 13 実勢価格:7万9800円+税(Ryzenモデル) 日常的にモバイルできる13インチディスプレイで重量は約1.3kg。このクラスでは最安レベルの一台。Windowsは米中摩擦の影響ナシ!

★Amazonの小物ガジェットの覇者!! Anker 
スマホ関係のケーブルやモバイルバッテリーが有名だが、ロボット掃除機やスピーカー、ワイヤレスイヤホンでも高評価を連発中。これらの製品も迷ったらアンカーが正解です!

Eufy RoboVac L70 Hybrid 5万4800円(税込) アプリと連動して掃除スケジュール管理、ゴミの吸引だけでなく水拭きにも対応。ゴミ捨てメンテナンス性も重視した有能ロボ掃除機。

Anker Power Core Ⅲ Fusion 5000 3590円(税込) 充電器にモバイルバッテリー機能を内蔵したアンカーの超定番商品。アマゾンで類似商品が多数販売されるが、迷わずこちらを!