"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。今回は、スペースXの打ち上げ成功と宇宙ビジネスの今後について語る。

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ホリ 日本人宇宙飛行士の野口聡一さんが搭乗したスペースXの宇宙船「クルードラゴン」の打ち上げが成功したね。

ひろ 野口さんって、ほんと職人ですよね。スペースシャトルの操作ができて、ソユーズの操作もできて、クルードラゴンの操作もできる人って多くないですから。

ホリ ん? 操作はオートマチックだから、宇宙飛行士は特に何もしないよ。

ひろ 確かにクルードラゴンは何もしなくなってますよね。

ホリ いや、ソユーズもそう。宇宙飛行士は緊急時の訓練がメイン。例えば、氷の張った湖に不時着したときにどうするかとか、1週間のサバイバル訓練とか。そのへんは、マンガ『宇宙兄弟』に詳しく描いてあるよ。

ひろ 米フロリダの海で宇宙空間に模した訓練をするんですよね。僕、ヒューストンにある世界一クラスの水中訓練用のプールも見に行きましたよ。

ホリ 映画『ライトスタッフ』(宇宙開拓史を描いた1983年の作品)に出てくるけど、アメリカの宇宙船もフルオートにしたかったんだよ。でも、パイロットが「俺たちは猿と同じか!」ってプライドを傷つけられて、窓と操縦桿(かん)をつけさせたのは有名な話だよね。

ひろ 宇宙飛行士の仕事はわかりましたけど、民間企業で人間を乗せて打ち上げに成功したのはすごいですよね。さすが、イーロン・マスク。

ホリ 今回のニュースで大事なのは「有人飛行の正解はカプセル型宇宙船だ」ということが、ひとつ。民間ではなく税金を使って宇宙船を手がけると国民の理解を得る必要があるから、有翼の再利用可能型とかいうコンセプトでないと予算が承認されないんだよね。

ひろ ふたつ目は?

ホリ 「打ち上げ直後の脱出用システムが秀逸」。これまではカプセルの先端にロケットモーターをつけていたけど、クルードラゴンは底面に着陸時の逆噴射にも使える9基のスーパードラコエンジンを装備して冗長性を担保している。つまり、バックアップがしっかりしている。

ひろ ってことで、日本では宇宙飛行士の野口さんに注目が集まっていますけど......。

ホリ まあ、宇宙飛行士はどちらかというと一般市民の関心だよね。本当は打ち上げに使用されたクルードラゴンの素晴らしさのほうが大事なんだよ。

★後編⇒ホリエモン×ひろゆき「スペースX、打ち上げ成功! 宇宙ビジネスの今後はどうなる?」

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)

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