"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回は米FTCがフェイスブックを提訴した件について。前編では、堀江氏が「こういう動きはアメリカにとってよくない」と語ると、ひろゆき氏も「現状だとGAFAのような企業が弱くなると、中国がその隙を本気で取りにくる」とアメリカのIT業界の弱体化を危惧した。
(この記事は、2020年12月21日発売の『週刊プレイボーイ1&2号』に掲載されたものです)
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ホリ 巨大企業の経営者なら反トラスト法については、細心の注意を払っておかないといけないんだよ。でも、映画『ソーシャル・ネットワーク』でも描かれているようにマーク・ザッカーバーグはイケイケの経営者だからね(笑)。
ひろ んで、これって実はトランプ大統領の差し金じゃないかと思っています。
ホリ そう? 司法省はむしろバイデンさんを忖度(そんたく)しているんじゃないの。
ひろ でも、現政権を支持せずに民主党を支持したなんてことになったら、共和党を敵に回すことになって、その人のキャリアは終わりますよ。それに48の州・地域の司法当局もこの提訴に加わっていますから、個人プレーの忖度とかではなくアメリカ政府の意向だと思います。
ホリ それってトランプ大統領と共和党に何かメリットある?
ひろ 選挙がゴタゴタしているので「やれることはなんでもやる」ってことなんじゃないかと。要は「ITみたいなよくわからん会社が儲けていて、俺たちが苦労しているのは納得できん!」というアメリカ中南部の白人がトランプ大統領の支持層だったりするので、アメリカ国内の不満解消を優先したんだと思います。
ホリ まあ、そのへんは選挙対策だからね。
ひろ トランプ大統領は、もはや何をしてもマイナスにはならないので、手あたり次第にやっているんじゃないですかね。例えば、死刑執行の命令を出しまくっていますし。んで、どれかが当たればプラスになる。バイデンさんへの政権移行まで何が起こるかわからない状況かと。
ホリ バイデンさんが大統領になったら、少しは変わるかもしれないね。
ひろ トランプ大統領よりはビジネス界からのバックアップが多いので、むちゃはしないでしょうね。でも、トランプさんって"今を生きる人"なので、大統領である限りは、全力でいろいろなことをやってくるんじゃないですかね。
ホリ 今の状況を見るとアメリカでIT企業が動きにくくなる可能性は否めないよね。まあ、ザッカーバーグは、今回の措置をとうてい受け入れられないだろうから、徹底抗戦するだろうけど。
ひろ いずれにしても、GAFAやIT企業への締めつけがキツくなったらアメリカは弱体化していき、その空いた隙を中国の企業に取られると思います。結局、アメリカの企業を弱くして得するのは中国企業ですし、ある意味、中国のほうが長期的に物事を考えていますからね。
ホリ そうだね。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『それでも君はどこにでも行ける』(光文社)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)