今やコンビニの買い物から公共料金の支払いまで、コード決済は欠かせないものに! そんな中、2023年に注目されるオンラインやスマホの新決済方法とは?
■今年はコード決済からタッチ決済が主役に!
――昨年、マスターカードでの決済が突然終了したDMMグループ。もちろん『FANZA』での決済も不可! 一方「クレカが撤退してもPayPal(ペイパル)があるから大丈夫!」という意見もありますが、日本ではほぼ無名のPayPalとは? ITジャーナリストの三上洋さんに解説してもらいますっ!
三上 PayPalは1998年に創業し、イーロン・マスクが共同設立者でもある"オンライン決済の始祖"的な存在です。購入者のクレジットカードや銀行口座情報が販売者へ渡ることなく決済できる高いセキュリティ性があり、オンライン決済で強い影響力を持っています。ただ、アダルトの表現に対する規制が最も厳しいのは、実はPayPalなんです。
――話が違うじゃん!
三上 そうなんですよ。多くのアダルトサイトで"痴○電車""オフィス○辱"などと伏せ字表記にしているのは、表現規制の厳しいPayPal対策だといわれています。
――ならFANZAでの支払いの最適解は?
三上 DMMプリペイドカードですね。
――それ、思いっきりアナログ決済なんですけど!
三上 実はDMMプリペイドカードはアマゾンでもチャージ式のデジタル版が販売されています。そしてコンビニ販売のプリペイドカードを買えば履歴も残らず、いろいろと安心です。
――それなら彼女や嫁にFANZAバレするリスクゼロ!
三上 DMMはスマホの通信料金と合算して支払える「キャリア決済」にも対応しています。日本には、キャリア決済がECの黎明(れいめい)期からあり、それがPayPalが日本で普及しなかった一因ですね。
――では、スマホをはじめとするモバイル関係で、今年注目すべき決済とは? ITジャーナリストの法林岳之(ほうりん・たかゆき)さんに聞いてみます!
法林 VISAやマスターカードのタッチ決済ですね。
――店舗の端末にカードをタッチするテレビCMをガンガンやってますけど、スマホは関係ないのでは?
法林 Apple PayやGoogle Payにクレジットカードを登録して使うこともできます。通信環境に左右されずに決済ができ、コード決済のように圏外でクーポンすら表示できないということがありません。
――でも、各種コード決済はクーポンをはじめとするポイント還元が強力ですよね?
法林 例えば三井住友VISAやマスターカードのタッチ決済ならコンビニや飲食チェーンでポイント5%還元です。LINE PayからVISAプリペイドカードを発行してタッチ決済を行なえば、どこでも2%還元。近年、急速に普及したスマートウオッチでの決済にも対応しています。
――ポイント還元もあって、コード決済に対応していないスマートウオッチもOK。優秀じゃん! 一方、"元祖タッチ決済"のSuicaは?
法林 これまではモバイルSuicaアプリぐらいしかチャージ手段がありませんでしたが、『楽天ペイ』『au PAY』などからのチャージにも対応しました。これらはポイントでのチャージもでき、JR東日本圏以外の地域の人でも利用しやすくなりました。
――楽天ポイントでチャージしてグリーン券を買うとか、すっごい得した気分! あと最近、AppleやGoogleが独自の分割払いを展開していますよね。
法林 Appleの「ペイディあと払いプランApple専用」ではiPhone14シリーズを36分割の手数料0円で購入可能です。クレジットカードも必要ありません。Googleも12分割の金利0円を提供しています。ただ、これらは独自のポイント還元がないという欠点もありますね。
――Apple直販のiPhoneはキャリアより低価格だから、分割なら買いやすさがアップ! では三上さん、このほかに新たな動きは?
三上 「ことら送金」が注目です。国内31行が提携したサービスで、10万円以下なら手数料無料で送金できます。ことら送金機能が実装された各種銀行系アプリと電話番号のみで送金可能。これまでの決済アプリによる送金よりも簡単かつ、汎用性が高い。
今年4月から解禁される「給与のデジタル払い」で、より利便性もアップする見込みです。そして、給与のデジタル払いの開始に合わせ、決済各社は強力キャンペーンを打ち出すでしょうから、今年はそれらも注目です!
――強力なキャンペーンは、各種決済アプリの"キャンペーン"タブをチェックすると効率よくお得要素を回収できますよ!