発表されると秒で世界的なトピックとなった「Apple Vision Pro」。とにかく値段がお高くて、超先進ガジェットなのはぼんやり理解したけど......。そもそも何をするための端末なのか、アップルの発表だけでは謎要素が多め。そんな新端末のスペックから今後予想される活用シーンまで超速解説です!
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■約50万円の価格は妥当なのか問題!
6月6日、アップル社は2024年に発売予定の新端末「Apple Vision Pro」(以下、Vision Pro)を発表。YouTubeの登録者数1700万人以上のアメリカの著名なITジャーナリスト、マルケス・ブラウンリーさんが先行体験したレビュー動画をアップすると、いきなり1500万再生超え!
もちろんマルケスさん本人、彼の視聴者さんたちもVision Proを大・絶・賛!! 世界中が熱狂するアップルの超先進端末は何がすごいのか? ITジャーナリストの三上洋さんに解説してもらいますっ!
――三上さんはアンチアップルだそうですが、Vision Pro発表の感想は?
三上 素晴らしいッ! これぞ革命的製品です!!
――いきなりの手のひら返しかよッ!
三上 正直、ここ10年ぐらいのアップルの発表会は「どっかで見たことあるシステムだよなぁー。ネーミング違うけど......」ということが多く、先進的な要素を感じられないことからアンチでした。
でも、Vision Proに関してはそういった部分がまったくありません。それもあって、普段はアップルに辛口な海外の著名なジャーナリストもYouTubeを中心に高評価を連発しているのでしょう。
――ただし、約50万円の価格以外は!!
三上 確かに、約50万円は高いですよ。でも、Vision Proはビジネスや教育用途で使える高性能パソコンであり、誰も体験したことのないような最新のゲーム機器、さらに3D動画の撮影機材としても活用できる端末です。それこそ3D撮影機材は100万円超えが当たり前ですから、それを考えるとむしろ安いともいえます。
また、アップル的には本機は〝第3の革命〟と位置づける端末で、パソコンであるMacとスマホのiPhoneに続く、一般に普及するIT機器とされています。
なので、今後はアップルの通例に従い「Apple Vision(無印)」や「Apple Vision SE」という廉価モデルを展開する可能性がある。そうなると量産効果で次に登場するモデルは手頃な価格になるかもしれません。
――でも、海外の著名なITジャーナリストたちが大絶賛するほど、デザイン面ではこれまでのVRやAR端末との違いが見当たらないですよね。
三上 ゴーグルの前面に注目してください。目が表示されていますが、これは装着している人物の目をディスプレーに表示しているのです。これがVision Proのデザイン面の最大の特徴ですが、発売後は違う人の目を表示させるとか大喜利に発展しそうな雰囲気ですよね(笑)。
――いやいや、それで約50万円はお高すぎでしょ!
三上 はい。なので、現状ではデザインよりも機能面の評価が高い。これまでのVRやAR端末では動画視聴やゲームプレイをするには、操作を行なうコントローラーやスマホなど追加デバイスが必要でした。一方、Vision Proはそういった操作デバイスは必要ありません。
例えば、搭載される『visionOS』でアプリを起動するなら、表示されるアイコンを見つめ、指でつまむだけ。あとはスマホを操作するようにスワイプやタッチジェスチャーでアプリを操作できます。
Vision Proの内部には現実世界と仮想現実世界がミックス表示され、空間コンピューターならではの操作感となっています。
――これ、操作中の動画をチェックすると、映画『アイアンマン』の主人公、トニー・スタークが使ってる端末そのものじゃないですか! ただし、映画とは違ってゴーグルあり状態ですけど!
三上 さすがに裸眼でこれを実現するには各種センサー満載の専用ルームを設置するしかありません。せめて、名探偵コナン君のような、普通のメガネ型に期待しちゃいますよね(笑)。
――では、三上さん的に期待する活用シーンなどは?
三上 一般的には、各種エンタメでの利用が期待されていますが、私は教育や医療でこそ活用できる端末だと思っています。
例えば、自動車を設計する場合、専門的な知識が必要になります。Vision Proなら【ホイールを大きくして、フェンダーも拡大】といった設計が専門知識がなくても直感的な操作で行なえます。
さらにVision Proの画面内で現実世界の実車と比較しながらの設計もできる。ミニ四駆を改造するような感覚で子供でも設計を学べ、自動車の修理だって遠隔操作で行なえるようになるでしょう。医療分野でも遠隔医療に活用でき、これは空間コンピューターならではの活用シーンだと思っています。
――三上さんが考える活用シーンなら、約50万円のお値段もペイできそう!
三上 あと私はVision Proの撮影機材としてのスペックにも期待しています。
――報道番組の利用ですか?
三上 AVです!
――そんなん言ってたら、帯番組の仕事来なくなります!
三上 言わせてください! そもそも私はAVファンでこれまでVRAVもたくさん見ましたが、どれもアングル固定・主観の映像ばかりで、すぐ飽きちゃうんですよ。
一方、Vision Proなら3D映像を自由に動きながら撮影できますし、主観ではなく自分の部屋にAV女優さんがいるような作品だって撮影できるわけです。
VRの撮影には大がかりな機材が必要ですが、Vision Proならこれ一台で撮影から編集まで完結。それこそ『Pornhub』など海外大手のアダルト動画の配信者は、Vision Proの発売と同時に動画製作を始めるでしょう。そこから新しい撮影手法が生まれ、一般的な動画コンテンツにも波及するのではと期待しています。
――最後に三上さんがVision Proを入手したら、どう使いますか?
三上 まずは、紗倉まなちゃんのAV。あと、ゲームの『艦隊これくしょん』ですね。
――それ、超絶スペックの無駄使いすぎ!
三上 今、一般的に〝すごい!〟と言われている機能よりも、自分が好きなものがどのように表示され、快適に使えるのかって部分をチェックしたい。今まで以上に興奮したり、面白くなるなら、私にとっては50万円の価値アリです。
それにVision Proを紗倉まなちゃんと『艦これ』にだけに使う配信やったら、絶対にバズりますから(笑)。
――その配信、大期待です!