目の前に広がるリアルなゲーム空間!! XREAL Air2 Pro 価格:6万1980円 目の前に広がるリアルなゲーム空間!! XREAL Air2 Pro 価格:6万1980円

近年、メガネ型のウェアラブルデバイスの進展が目覚ましい。ただ視力を補うだけでなく、モニターとして使えたり、スピーカーやカメラまで搭載。増税だけがメガネではないのだ。メガネ型ウェアラブルデバイスの愛用者であり、携帯電話をはじめとした各種ガジェットに造詣が深い山根康宏氏に、その最新情報を聞いた。

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■技術革新によって近年、大進化を遂げた!

〝身に着けるIT機器〟であるウェアラブルデバイスを使う人が増えている。例えばスマートウォッチは通信機能に加えて健康情報まで記録でき、また、ウェアラブルカメラは日常的な撮影に便利な存在だ。

「次にヒットするのは、メガネ型ウェアラブルデバイスだと考えています」

こう語るのは、香港を拠点に活動する携帯電話研究家の山根康宏氏。そもそもメガネ型ウェアラブルデバイスとは、どのようなものだろう?

「スマートフォンの歴史を大きく転換したiPhone、ノイズキャンセリングとハンズフリー通話というインナーイヤー型ワイヤレスイヤホンのスタンダードを確立したAirPodsなど、たいていのデジタルデバイスはそのルーツが明らかです。

しかしメガネ型ウェアラブルデバイスは、その出自がよくわからないんです。いろいろ調べてみると、2000年代にはメガネ型のデバイスがいくつか出ていたようですが、その性能や内容ははっきりしません。ただ10年代になると、より実用的なものにしようという流れが生まれます。

その動きを代表する製品が、11年にエプソンが発売した『MOVERIO BT-100』です。この製品はスマートフォンと接続し、スマホの画面を目の前に投影できるもので、メーカーは『シースルーモバイルビューアー』とうたっていました。

しかし本体はかなりの大きさで、また画質、電池の持ち共に満足いくものではなく、さらに価格もかなり高めで、ヒット商品とはなりませんでした。

続いて13年に登場したのが、Googleの『Google Glass』です。右側に太めのフレームを持つ外観で、カメラを内蔵し、音声操作にも対応、ウェブの検索結果やルート案内を目の前に映し出す機能を持っていました。このGoogle Glassが、初めての実用的なメガネ型ウェアラブルデバイスといえるでしょう」

しかし、13年というと、今から10年も前。その後のスマートフォンの普及と比べても、メガネ型ウェアラブルデバイスはあまりはやらなかったみたいだが......。

Google Glassを装着する男性(2014年) Raysonho @ Open Grid Scheduler/Grid Engine, CC0,via Wikimedia Commons Google Glassを装着する男性(2014年) Raysonho @ Open Grid Scheduler/Grid Engine, CC0,via Wikimedia Commons

「Google Glassは当時、海外ではガジェット好きのブロガーなどがこぞって買い、街中で使うようになりました。しかしデザインが奇抜で価格も高く、外出先でウェブ検索できるといってもそこまで快適ではなかったんです。

以降のメガネ型ウェアラブルデバイスの開発も、大きさや重さ、価格を気にしないビジネス用途向けが中心となり、一般消費者向けの製品開発は低調となります」

となると、やはりメガネ型ウェアラブルデバイスの普及には、小型化、低価格化を実現する技術革新が必要に?

「はい。そうした製品の代表が、19年にBOSEがリリースした『FRAMES』です。これはメガネ型のスピーカー、いわゆる『オーディオグラス』で、スマートフォンの周辺機器としてヒットします。

そしてもうひとつが、より高解像度の画像を目の前に映し出すことを可能にする『ウェアラブルディスプレー』です。Nreal(現XREAL)の『Nreal Air』がヒット作となりました。

こうしてメガネ型ウェアラブルデバイスは、音に特化したシンプルなものと、映像に対応する高機能なものという、ふたつの方向で進化していくことになるのです」

■一度手に入れたら、以前の生活には戻れない!?

山根氏は現在、メガネ型ウェアラブルとどう付き合っているのだろう?

「今挙げたふたつ、オーディオグラスとウェアラブルディスプレーを主に使っています。

オーディオグラスとして使っているのは、ファーウェイの『Eyewear2』です。実は僕は目が悪くないのでメガネとは無縁の生活をしていました。しかし同社の初代Eyewearの使い勝手と性能に驚き、後継モデルの『2』も引き続き使っています。

魅力は軽さ、そして音の良さです。特に音については、目の前から音が聞こえてくるような臨場感がある。しかも、周囲への音漏れがほとんどないんです。

使い始めた頃、電車に乗ったときなど、『音量が大きすぎて、ひょっとして周りに音が聞こえてるんじゃないか?』って思うこともありましたが、不審な目で見られることはありませんでした。マイクもついているので、Zoomなどのウェブミーティングも違和感なくこなせるのも、大きなポイントです。

もうひとつ、ウェアラブルディスプレーは、日本では未発売のZTEというメーカーの製品を使っています。取材や調査で毎週のように飛行機に乗る生活ですが、スマートフォンに保存した動画をウェアラブルディスプレーで再生すると、没入感がすごくて、飛行機に乗っていることを忘れるくらいです。

しかも映像は常に目の前なので、シートをリクライニングしても、隣が空席なら横になっても、自由な姿勢で動画が楽しめます。アダルトコンテンツが好きな人でも、これなら周囲の人にバレることなく退屈な機内の時間を過ごすことができるのではないでしょうか(笑)。

ウェアラブルディスプレーに慣れると、もう座席のディスプレーやスマートフォンでの動画鑑賞には戻れません。ちょっとかさばるんですが、無理をしても機内持ち込みの荷物に入れて搭乗します」

●HUAWEI Eyewear 2 
価格:3万7800円(ブラック) 4万7800円(チタニウムシルバー) 
テンプルに上下対称に設計されたスピーカーを搭載、クリアな高音質と、音漏れの抑制を実現。環境音を自動識別し音量をコントロールする「スマート音量調整」、IP54防塵防滴で、オフィス、電車の中、運動中など、生活のあらゆる場面で、Bluetooth接続したスマートフォンの音楽を楽しめる。また内蔵マイクにより、ハンズフリー通話やウェブ会議にも対応。レンズ部含め40gを切る軽量設計ながら、フル充電で最大11時間の音楽再生が可能だ。レンズを度つきのものに交換することで、普段使いのメガネとしても利用できる。販売元:ファーウェイ・ジャパン TEL:0120-798-288 https://consumer.huawei.com/jp/

こうしたメガネ型ウェアラブルデバイスは、今後日本でも人気を集めるのだろうか?

「日本で入手できる製品が少ないのがちょっと意外な印象ですが、海外では新製品もいろいろと出ていて、盛り上がっています。また中国のIT産業のトレンドの先頭を走る深センには2ヵ月に1度くらい足を運ぶんですが、家電量販店に普通に並ぶレベルになっています。

日本でも、火がつけば一気に普及すると思いますよ。実際に自分が、オーディオグラスやウェアラブルディスプレーが快適すぎて、手放せない状態ですから」

■止まらない進化と無限の可能性

メガネ型ウェアラブルは今後どう進化するのだろう?

「まずオーディオグラスについては、さらなる軽量化と音質の向上、そして低価格化が考えられます。スマートウォッチが登場した当初も身に着けていたのはガジェット好きがほとんどでしたが、低価格化により、今では『普通の時計の代わりに買う』という人も増えています。

メガネ店などでの取り扱いが一般的になれば、『音楽が楽しめて、ハンズフリー電話にも対応するメガネ』として購入する人が出てくるでしょう。実際にEyewear2は、レンズ部分を度付きに入れ替えて使うことも可能ですから」

確かに、メガネとワイヤレスイヤホンを別々に買うより、オーディオグラスを買ったほうが手間が少ない。

「ウェアラブルディスプレーは、すでに十分実用的な性能ですが、普及には価格がネックになっています。やや機能を絞って低価格化を実現するという方向が望ましいのではないでしょうか。

さらに、ちょっと未来の話をさせてもらうと、オーディオグラスもウェアラブルディスプレーも、最終的には統合されて、普通のメガネとあまり変わらない形や重量となり、さらにカメラも内蔵するようになると思うんですよ。

そうなると、今見ているものを人と共有して通話したり、外国語を見た瞬間に日本語訳が目の前に表示されたりと、今まではスマートフォンでやっていたことが可能になるかもしれません。

ひょっとしたら、外国人との会話も、翻訳内容が耳から聞こえるようになるとか。このように、メガネ型ウェアラブルデバイスは、無限の可能性を秘めていると思います。

また、高級ブランドとコラボなどをすれば、ファッションアイテムとしても注目を集めるのではないでしょうか。スマートフォンやスマートウォッチとは異なり、メガネ型ウェアラブルデバイスは他者の視線の集まる顔にかけるものですから」

24年は、「メガネ型ウェアラブルデバイス元年」になるかもしれない!

●XREAL Air2 Pro 
価格:6万1980円 
0.55インチマイクロOLEDパネルが出力する最大330インチ、リフレッシュレート120Hzのバーチャルスクリーンと、最新のオーディオシステムを装備。USB-C出力できるスマートフォンやゲーム機に対応、自宅から外出先まで、場所を問わずに大画面での動画鑑賞やゲームプレイを楽しめる。約75gという軽量に加え、最適化された重量配分と、「ゼロプレッシャーノーズパッド」の採用で、快適な装着感も実現する。インナーレンズは度付きレンズへの交換も可能。ワンタッチコントロールによる3段階のエレクトロクロミック調光も搭載する。販売元:日本 Xreal 株式会社 TEL:0120-013-250 https://www.xreal.com/jp

●ThinkReality A3 PC Edition 
価格:19万2500円 
ワークステーションやハイスペックノートPCとの接続で、サイズや位置、距離、明るさが自由に調整可能な最大5画面のバーチャルモニターを目の前に投影。ハードウェアディスプレーを置くスペースがない場所でもマルチモニターを展開し、生産性を向上しつつ、かつ情報漏洩のない環境での業務を可能とする。さらにフレームに内蔵するマイク、テンプルのスピーカーにより、ウェブ会議にも対応するなど、リモートワークを支援するあらゆる機能を搭載する。「インサートレンズホルダー」のレンズを度付きのものにも交換可能だ。販売元:レノボ・ジャパン合同会社 TEL:0120-80-4545 https://www.lenovo.com/jp/ja/

●Vuzix Blade 2 
価格:21万8900円 
フレーム左外側に動画&静止画撮影可能な800万画素のカメラを、右目にはフルカラー光学シースルーディスプレーを、左右テンプルにスピーカーを搭載。40GBのフラッシュメモリーも備え、見たもの、聞いたものを本体に録画、録音が可能。本体にはAndroid11がインストール済みで、右テンプルにあるタッチパッドで基本的な操作を行なえるが、無料アプリ『Vuzix コンパニオンアプリ』をインストールしたスマートフォンで本体の設定や操作、写真の管理や共有が可能となる。本体重量は90gと、見た目の印象よりは軽量だ。販売元:ビュージックスジャパン株式会社 TEL:03-6234-4170 https://www.vuzix.jp/