ECのブラックフライデーセールが落ち着いたと思いきや! そろそろ年末年始のセールシーズンに突入。そんな中、大朗報となるのが携帯電話の新たな値引き上限だ。12月27日より施行される新規制ではスマホの割引上限価格が大幅にアップ! この新規制により各端末の価格はどう変化するのか? そして買い得感強めのオススメ端末も紹介です!
※iPhoneシリーズの価格は、NTTドコモオンラインストアでの『週刊プレイボーイ』本誌予想価格です。
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■iPhoneは12月27日以降が買い!
総務省が携帯電話の新たな値引き上限規制を12月27日から施行。これにより、今まで税込で2万2000円が上限とされていた端末の割引金額が、最大で4万4000円までアップ。新規制の内容、オススメ端末などを、ITジャーナリストの法林岳之(ほうりん・たかゆき)さんに解説してもらいます!
――今回の新規制、総務省の資料をチェックしても、その内容がまったく頭に入ってこない〝行政発表あるある〟が発動中。まずは新規制の内容を解説してもらいます!
法林 4万4000円引きとなるには、端末の定価に関する条件があります。【端末価格が8万8000円超】の場合が、4万4000円引きとなるのです。
――高額端末じゃないと4万4000円引きは獲得できないわけですか?
法林 はい。今回の新規制は端末の定価により、上限が変動するのが特徴です。最大4万4000円引きのほかに、【端末価格が4万4000円超~8万8000円】なら端末価格の50%以下、【端末価格が4万4000円以下】なら2万2000円以下と3段階の割引上限額が設定され、実質的な規制緩和になります。
――だとすると、今年発売された「iPhone 15」シリーズの割引価格は?
法林 現在、ドコモのオンラインショップでの販売価格は、iPhone 15(128GB)で14万9490円。定価が8万8000円以上の端末となりますので、12月27日以降は4万4000円引きの10万5490円になります。
――これはAppleの直販価格12万4800円を上回る爆安iPhoneが登場じゃないですか!
法林 ただ、注意する必要があるのは【MNP】や【指定する料金プランへの加入】といった〝割引条件〟に関する規制はありません。キャリアが【MNP】や【指定する料金プランへの加入】という〝条件付きでの4万4000円引き〟での価格設定を行なうことも可能なのです。
――ちなみに、現在国内の売り上げランキングで上位をキープする「iPhone 14」シリーズも新しい割引の対象になるのですか?
法林 なります。iPhone 14(128GB)なら、10万円以下で販売することが可能です。ただし、iPhone 15シリーズとの価格差は1万円ほど。これを2、3年使用して下取りに出すことを考えると、今年の新製品である15シリーズを買っておくほうが下取り価格の面、USB-Cを搭載する性能面でも有利です。
ちなみに、「iPhone SE(第3世代、128GB)」は、ドコモのオンラインショップでの定価が7万3370円。12月27日以降なら、最大で50%以下の価格で販売することが可能です。
――iPhoneシリーズを一括で狙うなら、12月27日以降が大正解な感じ! ところで、なぜ新規制を施行することになったのでしょうか?
法林 総務省は2019年に法改正を行ない、ここでは端末の販売価格を通信プランとひもづけて割り引くことを禁止。そして、キャリアが販売する端末の割引上限は2万2000円に定められました。
しかし、この上限によって〝高額な最新端末が売れない問題〟が発生しました。昨年から続く円安の影響で、この傾向がより強まり、総務省やキャリアが議論を重ねて今回の新規制となりました。
――確かに! 最近のスマホの売り上げランキングをチェックすると、iPhone 14やSEが独占している状況。そして、フリマアプリをチェックすると、これらの端末が出品ラッシュという......。
法林 2019年の法改正からキャリアの端末購入プログラムに、家電量販店などが〝店舗独自の割引〟を組み合わせた【1円スマホ】や【24円スマホ】という販売方式が登場しました。これがフリマアプリでの転売商材となってしまったのです。この状況に関しても総務省とキャリアが問題視したことも新規制の要因です。
――ということは、【1円スマホ】や【24円スマホ】は完全消滅!?
法林 総務省の資料には【1円スマホ】や【24円スマホ】を禁止する条文はありません。ただ、端末購入プログラムには影響する可能性があります。
――現状、ソフトバンクは、オンラインでも実店舗でも【24円スマホ】を推しまくりですけど。これもアウト?
法林 ソフトバンクの【24円スマホ】は、同社の端末購入プログラムである「新トクするサポート」を利用した場合の料金です。これは48回の分割払いで、契約するユーザーは24回目まで支払い、その時点で購入した端末をユーザーからソフトバンクが下取りすることで、25回目以降の支払いが免除されるシステムです。
他キャリアも同様の端末購入プログラムを提供していますが、ソフトバンクは24回目までの支払い金額が安く、下取り価格を高く設定することで【24円スマホ】を実現しています。この方式は現状では〝合法〟となっていますが、今後下取り価格が調整される可能性があります。
――具体的にどんな調整でしょうか?
法林 どのキャリアの端末購入プログラムも、割引でなく〝下取り金額〟という形でサービスを提供しています。
総務省の資料では、この下取り金額に関して【中古相場の価格を大きく上回る下取りを行なわない】という趣旨の文言が明記されており、今後は端末購入プログラムで中古市場とかけ離れた金額で下取りを行なっている場合は行政指導の対象となります。
なので、ソフトバンクの「新トクするサポート」による【24円スマホ】の販売方式は、今後の中古相場を見つつ調整されていくでしょう。つまり、実質値上げです。
――iPhoneの下取り問題は大丈夫なんでしょうか?
法林 iPhoneシリーズは中古相場での下取り価格が高値で安定しており、海外の中古市場への流通も行なわれています。なので、新規制の影響は少ないのです。
■ソフトバンク端末が価格性能も最強説!
では、ここからは新規制がスタートする12月27日より前に端末購入プログラムやMNPを活用して買っておきたい、最新最強の激安スマホをチェックしてみましょう。まず、気になるのがパカッと折り畳めるフォルダブルスマホ。この最新コスパモデルが発売されたそうですけど?
法林 「motorola razr 40s」は展開した状態で約6.9インチの画面となるフォルダブルスマホです。こちらはソフトバンク専売で定価は12万1680円。これが新トクするサポートなどを利用したときの最大割引後価格は9840円になります。
畳んだ状態でのタッチ決済、IP52相当の防水防ぼう塵じんにも対応し、初めてのフォルダブルスマホとしてオススメの端末です。
――ドコモやauのフォルダブルが余裕で15万円前後だと考えると、これはお得感が強め! テレビCMがヘビロテされるソフトバンクの神ジューデンも気になります。
法林 現在、急速充電機能を売りにしているのは「Xiaomi 13T Pro」と「OPPO Reno10 5G」の2端末が用意されています。どちらも新トクするサポートなどを利用したときの価格は24円。
Xiaomi 13T Proは今月発売の最新モデルで、フル充電までの充電速度が約19分。一方、OPPO Reno10 Pro 5Gは充電速度が約28分、コンパクトで軽量な本体が特徴となっています。
――最近、キャリアが猛プッシュしているPixelシリーズはどうですか?
法林 最新のPixel 8シリーズはフラッグシップ端末という位置づけで、性能的にはiPhone 15やGalaxy S23シリーズと同じカテゴリーの製品です。
「Google Pixel 8」はソフトバンクでの価格が最安で、新トクするサポートなどを利用すれば2万2008円。その一方、ドコモでは「Galaxy S23」を12月25日までの期間限定で、2万7300円で販売中。こちらも端末購入プログラムなどの利用が必要ですが、一括で11万円超えのモデルが3万円以下になるのは最注目の価格設定です。
――12月27日以降にオススメの端末は?
法林 どのキャリアでも取り扱われる定番端末「AQUOS sense8」があります。現在、ドコモのオンラインだと一括6万2150円で販売されますが、12月27日からはこの価格の50%以下まで値下げが期待できます。
――条件次第ですけど、iPhoneシリーズ以外も一括購入のお得感が増しますね。
法林 新規制施行後は、一括、端末購入プログラムの、どちらで購入するかの〝見極め〟も重要になります。端末購入プログラムには端末の補償代金が毎月発生しますから、それも合算した価格を実店舗やECで確認してから購入しましょう!
――年末年始は、最新スマホが間違いなく買い時ですよ!