近兼拓史ちかかね・たくし
庶民生活に欠かせない"激安"と"大衆娯楽"をライフワークとする作家・映画監督。ジェネリック家電推進委員会代表理事、日本映画監督協会理事。主な著書に『安くてもスゴイ!ジェネリック家電の世界』(集英社)『80時間世界一周』(扶桑社)など、主な監督作品に『恐竜の詩』『痩馬の詩』『銀幕の詩』など。『近兼拓史のウィークリーワールドニュース』(ラジオ大阪・ラジオ日本ほか)が毎週放送中。
広告など"ブランド代"が価格に乗った大手メーカー製品より、アイデアや機能で勝負する家電にもっとスポットを当てたい。そんな週プレ発の賞レースもなんと11年目。今回はいつにも増して新勢力が続々登場ですよ!!
※ただし書きのない価格は編集部の独自調査による実勢価格(税込)。
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全国1億2400万人(推定)の家電ファンの熱気に支えられ、11回目を迎えた年に1度の祭典。一般社団法人ジェネリック家電推進委員会(JGHEP)が公認する唯一の賞レース、2023年に販売されていたノミネート製品はなんと2100点以上!
まずは激安評論家・じつはた☆くんだ氏の開会宣言!
「新型コロナの5類移行でようやく平常生活が戻りつつあった2023年。しかし、年明け直後に起きた能登半島地震の被害の全貌がまだつかめぬ中、やはり強調すべきは、庶民生活は〝備えよ常に〟が必定であるということです。
楽しく便利なのは当たり前。節電から防災まで暮らしの根本を支え、今や3兆5000億円規模となったジェネリック家電市場の頂点に立つのはどの製品か?」
早速、デザイン家電部門(ノミネート260点)から。最初の審査員は某民放キー局のAプロデューサー!
「デバイスタイルのワインセラー CE-8Wはワイン初心者にピッタリの8本タイプ。6色展開でどんなインテリアにもマッチ。静音性が高い上にペアガラスのドアは結露知らずで、ワンルームのベッドサイドに置いてもOK! 価格もアンダー2万円!!」
続いて、関西のバラエティ番組で天然コメントが人気のアイドルBさん!
「クラウドファンディングで1億5500万円以上を集めたモルスの小型ドラム式乾燥機Morus Zeroは、リビングに置いてもインテリアの邪魔にならないサイズとデザインが◎! シャツ1枚なら最短15分で乾燥。6万円前後という価格もうれしい!」
どちらが勝っても初受賞。じつはたさん、デザイン家電部門賞は?
「Morus Zero! 部屋に置けるドラム式乾燥機という新発想に、独自開発した世界初の真空負圧乾燥技術で超速乾燥、紫外線と温風で除菌機能もバッチリ。デザインも機能も高評価でした!」
続いて生活家電部門(ノミネート220点)。再びアイドルBさんが挙手!
「ラドンナさんのToffy LEDランタン加湿器! コンパクトかつUSB充電式なので、家の中を持ち歩けていつも自分の周りだけ潤いたっぷり(笑)。3時間のタイマー付きで就寝時も安心!」
某ホームセンターチェーンC社長からもご推薦が!
「2023年のヒットジャンルは電気代高騰対策のパーソナル家電。中でもコスパが圧倒的だったのは、ドン・キホーテの情熱価格 移動式クーラー2.2kW! 家庭用室内タイプのスポットクーラーは希少。工事不要でいつでも必要な場所に移動できる上、据付式の6畳タイプエアコンと同等のパワーは必要十分!」
じつはたさん、生活家電部門賞は?
「ドン・キホーテの情熱価格 移動式クーラー2.2kW! 高級扇風機より安い3万8280円という価格も、23年シーズンの販売台数1万3700台突破の実績も圧巻!」
調理家電部門(ノミネート240点)は某大手家電量販店D統括部長、お願いします!
「レコルトの卓上IHクッキンググリドル! 流行のマルチグリルポットの一歩先を行く発想で、デザイン性抜群の卓上IHクッキングヒーターに、調理プレートをセット。火力十分な上、お手入れも表面加工のおかげで軽く洗うだけ。縦置きの専用スタンド付きでミニマムサイズ収納、さらに絵になるインテリア性。お見事!」
さあ、続いてモノ系雑誌Eデスクも挙手!
「アピックスインターナショナルのレトルト亭 ARM-110! パウチのままでは電子レンジ不可の場合も多く案外調理が面倒なレトルト食品ですが、これはお湯なしでパウチを直接温められる新発想の省エネ調理家電。低温ヒーター式で火を使わないから、子供からシニアまで安心です」
じつはたさん、調理家電部門賞は?
「レコルト 卓上IHクッキンググリドル! 性能も収納もパッケージで高評価!」
レコルトは初受賞です!!
美容&ヘルス部門(ノミネート170点)は有名サロンのカリスマ美容師Fさんから!
「ドン・キホーテのicelady ヘアケアアイロンはマイナスイオンや赤色LEDに加え、近中遠トリプル赤外線の効果で、使えば使うほど髪がキレイになるという逆転の発想! ヘアアイロンは髪が傷むから苦手と思っていた方にぜひ使ってほしい」
おっと、ここで〝再現ドラマの女王〟、女優の芳野友美さんも挙手!
「今の時代、芸能人でなくても写真や動画撮影は当たり前。メイクやヘアケアも大切ですが、圧倒的に写りに差が出るのは照明です。ダイソーのリングライトセットは770円という激安価格で、調光機能付きリングライトにスタンド、スマホホルダーまで付属。費用対効果絶大です!」
では、じつはたさん、美容&ヘルス部門賞は?
「ドン・キホーテのicelady ヘアケアアイロン! 定番製品をヘアケア機器にリメイクしたアイデアと手腕、お見事です!」
ドンキは2部門制覇!
続いてはお待ちかね、ユニーク家電部門(ノミネート160点)。モノ系雑誌Eデスク、お願いします!
「タカラトミーアーツの、究極のおにぎり! フワフワの絶品おにぎりが作れるんですが、三角の容器がグルグルとけなげに回る姿に癒やされます(笑)。付属の卵黄トレーで卵黄醤油漬けも簡単に作れるし、楽しめること確実!」
芳野さんも手を挙げた!
「2023年といえば阪神の38年ぶりのアレ、アレといえばパインアメ! ライソンのパインアメ 魔法のシロップメーカーは、パインアメを溶かしてシロップにできます。
最初は半信半疑でしたが、やってみると部屋中がパインアメの香りいっぱいで幸せ。そしてシロップはクロワッサン、ヨーグルト、ワッフルと何にかけてもおいしい。優勝を待たずしてこんな製品を作ったライソンさんも神ってます!」
じつはたさん、ユニーク家電部門賞は?
「ライソンのパインアメ 魔法のシロップメーカー! コラボ企画にアレのタイミングが重なった慧眼に脱帽!!」
ライソンは2年ぶりの同部門賞返り咲き!
激戦区のデジタル家電部門(ノミネート220点)は、民放局Aプロデューサーから!
「昨今は地デジチューナー未搭載のスマートテレビが流行中ですが、今後は〝テレビも見られるスマートテレビ〟が普及していくと感じます。
マクスゼンのGoogleTV・Wチューナー搭載スマート液晶テレビは、テレビ視聴機能や録画機能、さらにクロームキャスト搭載でスマホをテレビの大画面に映すことも可能と、欲しい機能全部盛り! プライベートテレビとして使える32型なら2万8980円と価格も◎!」
ここで三たび、再現ドラマの女王・芳野さんが挙手!
「私はダイソーのBluetoothヘッドセットを推します! 有線・無線共に使えて、スマホのハンズフリー通話もOK。フィット感もフワフワで優しく、135gと軽量で、音質も音楽鑑賞用として十二分なのに、なんと1100円! ありえない!!」
じつはたさん、デジタル家電部門賞は?
「ダイソーのBluetoothヘッドセット! 他社の3980円クラス製品に勝るとも劣らない機能と品質で1100円。あっぱれ!」
ダイソーは同部門2連覇!
さて、ここで某大手家電量販店のD統括部長より、新部門表彰の提案です。
「23年に家電売り場で一気に勢力を伸ばしたのが、一見その用途の家電には見えない〝ステルス家電〟。大きな可能性を秘めたジャンルです」
さっそくアイドルBさんの手が挙がった!
「ライフオンプロダクツのエアダスター LNACN002! おしゃれなペッパーミルにしか見えないボディは、フタを取るとエアダスターに早変わり。気になるときだけ起動させてホコリとさよなら。あっ、使うときは必ず窓を開けて!」
モノ系雑誌Eデスクからも推薦品があるようです。
「レコルトのコードレス スティック クリーナーは、一見懐中電灯を立てて置いたようなサイズとデザインながら、キャップを外すと強力なハンディクリーナーに早変わり。さらに付属のロングパイプとフロアヘッドをつければ、床掃除まで可能! 絶妙のパッケージと実用性!!」
ではD統括部長、ステルス家電部門賞の発表を!
「レコルトのコードレス スティック クリーナー! ステルス性の高さに加え、サイズに見合わぬ強力パワー!」
レコルトは初ノミネートで2部門制覇!
次はアウトドア&防災家電部門(ノミネート170点)。民放局Aプロデューサー、どうでしょう?
「元日に能登半島地震が発生しましたが、やはり有事の際には情報の受信と電源の確保が肝心。ダイニチ電子の10インチテレビ搭載ポータブル電源は、フルセグ・ワンセグ対応テレビ、ワイドFM受信が可能なラジオ、さらにLEDライトも内蔵した最強の防災パッケージ!
持ち運び重量を考慮してかバッテリー容量は少なめで、コンセントも最大150Wと使える機器は選びますが、頼りになる一台です」
続いてアイドルBさん!
「ライソンの防犯便利グッズ、録音くん! 昨年紹介した応答くんは、知らない人にインターホンを鳴らされたときに『なんの用ですか?』とか『帰ってください』と内蔵された男性の声で応答できましたが、録音くんは、そのセリフを彼氏やお父さんの声で録音できます!
防犯用途に加え、『おやすみ』とか『今日も頑張ったね』とか録音してもらっておけば、一日の疲れも吹き飛びます(笑)」
おっとさらに、じつはた氏も挙手!
「ビークルファンの電動トゥクトゥク ETT-NEO! 普通免許で乗れる側車付き二輪扱いのため、車検も車庫証明もいらないのに3人乗り可能。家庭用100V電源から1回満充電すると、電気代100円弱で約70㎞走行可能と経済性も◎!
60V45Ahのリチウム酸鉄バッテリーは、有事の際には移動できる大容量電源にもなります。価格も3人乗りのEVとしては破格の88万円!」
では、じつはたさん、アウトドア&防災家電部門賞は!
「ビークルファンの電動トゥクトゥク ETT-NEO! 十分なパワーと安全性を両立させたからこそ、ヨドバシカメラなど家電量販店で買える電動ビークルというポジションを勝ち得たのでしょう」
ところで、今年もベストコンボ賞があるようです。じつはたさん、お願いします!
「今回は電気代高騰を乗り切るために、最強の〝省エネコンボ〟を選びました。
まず、ドン・キホーテの省エネハチノスヒーターは、蜂の巣形状の反射板で、同じ電力で2倍の暖かさが得られるスグレモノ。
次に、丸隆のコンパクト冷風扇は、水の気化熱を利用する水タンクに、小型冷蔵庫などに使用する冷却装置『ペルチェ素子』を組み合わせ、省エネ性能を保ったまま冷却パワーがグンとアップ!
とどめは、サンコーの首振りストーブファン。こちらもペルチェ素子を利用し、ストーブの上に置くと熱を使って発電する仕組みなので電気代0円! 熱を部屋の隅々まで届けます。このコンボなら猛暑も極寒も怖くない!」
さあ、いよいよ大賞の発表です。じつはたさん!
「発表します。第11回ジェネリック家電製品大賞は......」
ダララララララララ~(ドラムロール)、ドン!
「レコルト 卓上IHクッキンググリドル! 初ノミネートにして大賞の快挙、おめでとうございます!! IHクッキングヒーターとしてのパワフルさ、ミニマムサイズの機能性、収納性◎の専用スタンド。卓上調理を楽しくする工夫に加え、お手入れも簡単。消費者目線に立った製品づくりが高く評価されました!!」
M-1グランプリの令和ロマン旋風のように、各部門で新勢力が大活躍した11年目。さあ、2024年はどんな新製品が飛び出すのでしょうか? また1年後にお会いしましょう!
庶民生活に欠かせない"激安"と"大衆娯楽"をライフワークとする作家・映画監督。ジェネリック家電推進委員会代表理事、日本映画監督協会理事。主な著書に『安くてもスゴイ!ジェネリック家電の世界』(集英社)『80時間世界一周』(扶桑社)など、主な監督作品に『恐竜の詩』『痩馬の詩』『銀幕の詩』など。『近兼拓史のウィークリーワールドニュース』(ラジオ大阪・ラジオ日本ほか)が毎週放送中。