少子高齢化が進み、近い将来、定年後も働くことが普通になるかもしれない。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が前編に続き考える、そんな時代に重要なこととは?
* * *
ひろ 値上げすれば人を雇ったり、給料を上げることはできますけど、「お客さんに悪いから」という理由で値上げしないとか結構あるあるですよね。すごい行列ができている店とかでもそうですし。
ホリ ラーメン店とかその典型だよね。客が来なくなるのが怖いから値上げできないらしい。
ひろ 僕的には、値上げしてもらって行列を解消してくれたほうがよっぽどうれしいんですけどね。まあ、値上げすると世間体が良くないっていうイメージ的なところがあるのかと。
ホリ でも、一部の高級レストランなんかは値上げをしてるよね。あと、人気のラーメン店はシンガポールやアメリカに進出すると単価を上げてたりもする。正直、あのおいしさとサービスだとシンガポールなら日本の2倍の料金は取れるからね。
ひろ パリでもそれくらいですね。例えば、「一風堂」の一番安いシロマル(白丸元味)で13ユーロなので、1500円ぐらい。ギョーザもセットにすると2000円超えコースだったりします。日本でもそれくらいの価格帯で十分やってけると思うんですよ。
ホリ そうそう。むしろそれくらいの値段を取らないと労働基準法は守れないかもよ。
ひろ 結局、安さで戦っている限り、キツい状況はずっと続いていきますからね。
ホリ てか、最初の話題からだいぶそれたな(笑)。今回のテーマは働き方だったよね。
ひろ ですね(笑)。でも、これからは定年後も働き続けることが普通になっていくでしょうね。年金制度自体に無理があるので、今までみたいに「定年後は年金で悠々自適な生活」ってのは期待しないほうがいいですし。
ずっと現役で楽しんで仕事をすることを考えるべき
ホリ 日本の年金システムは修正賦課方式で、積み立て式ではないからね。要は、現役世代が払った年金を今の受給者に回してるだけ。
ひろ そもそも自分が払った額以上のお金が将来もらえる仕組みなんて成立するわけないですからね。
ホリ ただ、原理的に言えば年金システムの破綻はない。ってのも、支給開始年齢を上げて支給額を下げればいいから。だから、これからの時代、「年金に頼る」とか「何歳になったから引退」なんてことは考えないほうがいいんだよ。んで、もし収入が下がったとしても、ずっと現役で楽しんで仕事をすることを考えるべきだね。
ひろ そのために必要なことはなんだと思いますか?
ホリ ひとつの仕事だけをコツコツやるのではなく、いろんな仕事を並行してできるようにしておくとか、そのための準備をしておくってことじゃないのかな? これからは、同時に複数の仕事を持つことが重要な時代になってくるよ。
ひろ 「多動力」ですね。
ホリ うん。多動力を鍛えておくことだね。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。著書に『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)ほか