アマゾンが、アメリカの大型スーパーマーケットを買収して注目を集めている。
これについて、『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、アマゾンの狙いを読み解く!
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ひろ アメリカのアマゾンがガンガン攻めてますね。これまでもドローン配達の実験とかやってましたけど、今回は「ホールフーズ・マーケット」の買収ですから。
ホリ ホールフーズというと、日本でいう「成城石井」のような存在だよね。高品質な食材を取り扱うスーパーだから。
ひろ ホールフーズの生鮮食品をアマゾンの流通システムを使って、アメリカ全域に配送するつもりなんでしょうね。
ホリ そうだろうね。
ひろ ただ、アマゾンがやっているのは、ある程度在庫を抱えておいて、注文があったら発送する“倉庫商売”。となると、時間がたっても腐らない本や雑貨ならともかく、賞味期限や鮮度が重要な生鮮食品を扱うのはどうかと思っちゃうんですよ。あと、生鮮食品って人によっては現物を見ないと怖くて買えない部類じゃないですか?
ホリ え、そう?
ひろ 例えば、不動産とか中古自動車とかアンティーク品って、自分の目で見てから買いたいじゃないですか。生鮮食品も同じジャンルだと思うんですよ。通販に向く商品と向かない商品ってあると思うんですが、生鮮食品は後者なのかなと。
ホリ そうかな? 消費者にとって、通販とリアルの境目はなくなっていると思うんだけど。
ひろ 「通販で生ガキを買うのは怖いな」とかあると思うんです。あと、アメリカにはいわゆる「クール宅配便」ってないですし。
ホリ ドローンでの自社配達を考えているようなアマゾンのことだから、クール宅配便も手がけるようになるんじゃない?
アメリカだと一般会員は「早くて4、5日」で届く
ひろ でもアメリカの面積って日本の25倍くらいと、バカでかいですからね。そんな広い国土をカバーするのってハードルが高いと思うんですよ。そんで、日本のアマゾンだと、有料のプライム会員じゃなくても、注文から2日くらいで届いたりしますよね。
ホリ そうだね。プライム会員だと当日とか翌日に来るし、一般会員でも十分早い。
ひろ でも、アメリカだと一般会員は「早くて4、5日」で届くのが普通なんです。そんなスケジュール感なので、配送に適した商品に特化したほうがいいんじゃないかなと個人的には思います。
ホリ まあ、人口が集中している場所から優先的にやってくんじゃない?
ひろ そうすっと、注文できる地域とできない地域という区分けが生まれちゃいますよね。アマゾンって「誰でもどこでも同じ商品が買える」という感じでサービスをつくってるんですけど、それを変えてしまうんです…。
ホリ まあ、最初はそうかもしれないけど、携帯の電波みたいに徐々にカバーエリアを広げるでしょ。
★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが考えるアマゾンの戦略「人間の活動をスマホやPCの前だけで完結させようとしている」
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)