ZOZOTOWN(ゾゾタウン)の身体を採寸するボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」が話題となっている。
『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編に続き、ゾゾタウンのビジネスについて語る!
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ホリ あと、このスーツの話題ってほかにも論点があるんだよ。例えば、リユース市場の問題。
ひろ いわゆる中古市場ってことですね。
ホリ 服ってMとかLみたいな単純なサイズ分けだったからリユース市場でも扱いやすかったけど、このスーツが普及してくると自分の体形により合う服を見つけるためのソリューションが必要になる。そんで、それはゾゾが全部持っている。つまり、今みたいに「メルカリ」に流さず「ZOZOUSED(ゾゾユーズド)」に流れるようになるんじゃないかな。ってのも、今のファッション消費の傾向って大きく変わってるらしいんだよ。
ひろ へー。どう変わっているんですか?
ホリ インスタメインになってるの。どういうことかというと、これまではリアルに友達に会ってコーディネートを見せびらかしていたけど、今はおしゃれ着はインスタで見せびらかして、普段着はユニクロを着るみたいな感じなんだって。だから、服を買って1、2回着たら、メルカリに流す人が増えているらしい。
ひろ メルカリに流れていたような需要をゾゾはくみ取れるってことですね。そう考えるとめっちゃ優秀ですね。
ホリ それができるなら、あのスーツをタダで配ることなんか安いもんさ。
ひろ でも、ちょっと心配なのが、体のサイズというかなりデリケートな個人情報をゾゾは持つわけですよね。そんで、個人情報を他者に渡すことって日本ではすげー揉(も)めるじゃないすか。例えばJR東日本がSuicaの利用履歴を販売するってなったときは相当揉めましたよね。
ホリ 個人を特定できない情報なのにね(笑)。でも、ゾゾタウンは過去の炎上経緯からしても押し切る気がする。
ひろ そういえばゾゾが導入した「ツケ払い」も批判されていましたね。
トップがノイジーマイノリティを無視できるか
ホリ 「マルイの赤いカード的な高利貸しだ!」なんて批判もされていたけど、今でも普通に続けているし、利用者も100万人を超えている。結局、騒いでるのはノイジーマイノリティなんだよ。批判されてもやり続けられるかは、トップがノイジーマイノリティを無視できるかという胆力次第。
ひろ って考えると、ゾゾは押し切りそうですよね。
ホリ だってマイナンバーも「国民総背番号制」とかいって野党が猛批判してたわけじゃん。そして、その声に内閣が負けていたら導入はできなかったわけだよ。
ひろ あー、そうでしたね。
ホリ そもそも株式会社は世論とかも関係ないし、万が一、不買運動が起きてもゾゾのユーザーは気にしなさそうだし。だから外野の声は気にせずガンガン攻めてほしいね。今後、ゾゾがどういう動きを見せていくかとても楽しみだよ。
(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)