TENGAは60ヵ国以上の国と地域で7000万個超を販売し、まさかのNHKニュースにも登場。TENGAはいったいどこを目指すのか?
第一回配信記事ではTENGAの創業者でもあり、代表取締役社長・松本光一氏を取材。高齢者の介護サービス業との協働を発表したTENGAは「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」と、ビジョンを語った(文中敬称略)。
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TENGAヘルスケア代表取締役の鈴木雅則がTENGAの門を叩いたのは創業直後の05年だが、一度TENGAを離れ、医療系の出版社に転職した。だが、TENGAが医療分野に本腰を入れることを知り、転職経験を生かすべく再び舞い戻った。
TENGAと事業を切り離したのには理由がある。現在、20歳から49歳の男性のTENGAの認知度は83%。鈴木は苦笑いしながら振り返る。
「TENGAヘルスケアの活動は医療、福祉、教育といった業界の方々と仕事をするわけですが、TENGAの持つイメージはそれらの世界では決してポジティブなものではありませんでした」
TENGAの持つイメージが活動を狭める障壁となったのだ。ところが、TENGAヘルスケアを設立すると、「お付き合いがしやすくなった」という声が鈴木の耳に届くようになる。それだけではない。TENGAで活動していた頃よりも問い合わせも増えた。
そんなTENGAヘルスケアの第1号商品は、性行為中に射精できない膣内射精障害(重度の遅漏)の改善に役立つ「MEN'S TRAINING CUP」。獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科の小堀善友医師との共同で開発された。鈴木はTENGAヘルスケアの今後についてこう話す。
「正直、まだまだ先行投資の段階ですが、2020年までの目標は売上10億円と30ヵ国での販売。TENGAグループを支える第2の柱に育てたい」
一方、TENGA代表取締役社長・松本光一の目はさらに先の「医療」を見据えている。
「2020年着地で考えていることがあります。実は医療機器の開発をずっとやっています。"フレンドリーな医療機器"の発売を目指して研究を進めています。お客さんが直接使えるアイテムと、病院で医療機器として使うアイテムの両方を開発しています。まだ特許の関係で詳しく話せませんが、どれも堅苦しいモノではなく、皆さんが身近で使えるモノになります。
そしてもうひとつ。以前から研究している高齢者向けアイテムも発表します。医療機器っていうのは検査やノウハウが必要で、かなりの時間がかかります。だから、開発は数年前から進めていて、2020年までには発売できると思います。製造販売の認可? もう取っていて具体的に詰めていますよ(ニヤリ)」
2020年に間に合わせるのには理由がある。EDのような性機能障害などの研究を目的とした「国際性機能学会」が2020年9月にパシフィコ横浜で開催されるのだ。ちなみに国際性機能学会は、2年に一度開催される。
今年2月にはポルトガルで開催された。そこにTENGAとTENGAヘルスケアは共同で製品を出展し、世界中のドクターとコミュニケーションを取ったという。
松本がつけ加える。
「2020年は日本で初開催となります。そこに向けて、先ほどお話をした医療機器の開発を進めているんです」
★世界戦略のキーマンは日英ハーフ部長! この続きは明日(5日)配信予定です。