"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマは「バカマツタケ」の完全人工栽培成功。前編では、「バカマツタケがきっかけでマツタケのマーケットが広がり、一方で本物のマツタケの需要がなくなることもない」と予測し、バカマツタケの人工栽培は「特許で防ぐのではなく、オープンソース的に広げていくべき」と語った。
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ひろ まあ、人工栽培ができたら、めっちゃ安くなりますし、マツタケって味はそれほどでもないので、多少、味が落ちても気になりませんしね。
ホリ 別に人工栽培でも味は落ちないけどね。
ひろ 個人的には、味や食感でいったらエリンギやマイタケのほうがおいしいと思うんですよ。
ホリ 「香りマツタケ、味シメジ」とか言うもんね。
ひろ なのでマツタケが安くなったら、みんなそれほど食べたがらないってことになったりして......。珍しくて高いから、八百屋さんでマツタケのにおいがしたりすると「おー」ってなりますけど、年中スーパーに並んでいて安かったらどうでもよくなりそうな......(笑)。
それなら安価にする努力をするより、高級マンゴーみたいに高価格にする努力のほうが生産者的には正しい気がしますけどね。
ホリ それは、そのとおり。
ひろ マグロの赤身に油を混ぜた製品とかが「トロ」って名前で安く出回っていますけど、そういうことをやっても価格競争になって生産者は得しない。結局、消耗戦になる気がするんですよね。
ホリ 「和牛リブロース丼1500円」とかあるけど、あれって本物の黒毛和牛だったら、ありえない価格だからね。
ひろ そういえば、日本の和牛のDNAが一部入っているだけの「ワギュウ」が海外で売ってたりしますけど、微妙に味や見た目が違ったりしますよね。
ホリ だね。でも、そのおかげで、世界中で和牛のブランディングができたんだよ。
ひろ 確かに、世界中で通じる名前になりましたね。
ホリ そう。口蹄疫(こうていえき)問題の影響がずっと続いていて、ヨーロッパでは数年前まで、台湾なんか去年まで和牛を輸出できなかったんだよ。そのため凍結精子が国内から持ち出されて、世界で和牛が作られるようになった。ちなみに、中国なんかまだ禁輸していて、その間に「中国和牛」を作ろうという算段らしいよ。
ひろ ほー。いろいろ考えますね。まあ、中国国内だけで膨大な人口がいて、マーケットも大きいので、戦略としては正しいですけどね。
ホリ とにかく、人工栽培でマツタケが安く食べられるようになるのは、消費者にとってはいいことだと思うよ。
ひろ そうですね。ちなみに、今年はマツタケが豊作らしいです。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』(徳間書店)が発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)