"ホリエモン"
こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは、ヤフーとLINEの経営統合について。前編では、堀江氏が「携帯キャリアとアプリのプラットフォームの融合が鍵」であり、今後、楽天に対抗するには「メルカリの買収が切り札」になるとし、「GAFAに対抗するには、それしかない」と分析した。

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ホリ だから今回の統合は、LINEのユーザー数が多いアジアの国の携帯電話会社などを買収して、グローバルなIT企業に収益力で互角になるための戦略だと思う。

ひろ うーん。弱小の携帯電話会社なら買収できるでしょうけど、大きなシェアを持っている携帯電話会社を日本や韓国の企業が買収するのはキツそうな......。ソフトバンクがアメリカで買収したのもシェア4位のスプリントでしたし。

ホリ すでにLINEが多くのユーザー数を抱えるタイと台湾なら、ソフトバンクGが現地の3番手の携帯電話会社を買収してもLINEとの合わせ技でナンバーワンキャリアになれると思うよ。

だってソフトバンクが日本で携帯電話事業に参入したときも、買収したのは3番手のボーダフォンで、その後のゴリゴリ営業でここまで来たわけじゃん。

ひろ ただ、あのときって新規獲得数が1位だっただけで、利用者数1位ではなかったような......。

ホリ でも、今では3社でシェアを分けてるじゃん。

ひろ 日本の会社が日本でやる分には公平な競争ができるでしょうけど、外国で日本と韓国の会社が公平な競争ができる状況にあるのかどうか。それができているなら、ドコモが世界中の携帯電話会社に出資しまくっていた時代にもっとシェアを取れてたと思うんです。

ホリ ドコモはゴリゴリの交渉やビジネスをできる社長がいないから。でも、孫さんならそれができる。台湾やタイで成功すれば3兆円の利益が出せるよ。そうなると時価総額でGAFAやBATに対抗することができる。一番ややこしそうなアメリカでできたんだからアジアでもできるっしょ。

ひろ 確かにソフトバンクGは赤字とは言っていますけど、それくらいの体力はありますからね。みずほ銀行がソフトバンクGに3000億円融資するってニュースもありましたし。

ホリ WeWorkで大きな損を出して苦境のソフトバンクGだけど、日本のメガバンクは追い貸しせざるをえない状況になっている。もはや一蓮托生(いちれんたくしょう)。逆にソフトバンクGからすれば、どれだけでも金が出てくるともいえる。

ひろ ソフトバンクGが倒れたらみずほ銀行もヤバいので、ソフトバンクの申し出を断れなくなっているってのは面白いですよね。

ホリ ソフトバンクGとしては成功するまでナンピン(株価が下がったときに下値で買い増しする株式用語/難しい局面でも積極的に行動する)を続ける方針だからね。

ひろ 孫さんは予想外の結果を出しますからね。だってヤフーの利益で食ってた会社(ヤフージャパン)から、携帯電話事業社(ソフトバンク)になり、アリババへの投資で儲けて、いつの間にかサウジアラビアからの投資を預かっている会社になるとか、誰も予想してなかったかと。孫さんってミラクルを起こすので「一蓮托生でも大丈夫」という謎の安心感があるのかも。

ホリ だから、現状では孫さんが死なない限りソフトバンクGの勢いは衰えないといえそうだよね。

ひろ 孫さんが死なない限り大丈夫と(笑)。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。新刊に『夢を叶える「打ち出の小槌」』(青志社)

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『自分は自分、バカはバカ。他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(SBクリエイティブ)

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