極度の肩こりやあせもなど、胸が大きすぎるがゆえに夏場の“おっぱいで困った”悩みをⅠカップの柳瀬早紀ちゃん、Jカップの水樹たまちゃんからカミングアウトしてもらった前回。
ここでさらにKカップの大人気コスプレイヤー、痛子(いたこ)さんにも話を聞いてみた。そこのキミ、今、指を折って数えてみただろ! Kカップっていくつだよって!?
―そもそもイラン出身という痛子さん、日本に来るまでは露出を控える環境にいたんですよね。
「はい。顔以外は布で覆われた生活でした。だからイラン時代は自分の胸のサイズを知らなかったんです。11年前に日本に来たら、下着ショップのブラがかわいくて、何も考えずに『これください!』と買おうとしたんです。
すると店員さんが、めちゃくちゃ困った顔で『お客さまのお胸には、うちの商品では合わないかと…』と。日本のカワイいブラジャーって、そもそもG以上のサイズはないことが多いんです。その時に“カップ数”という感覚を覚えました」
―では、その胸が生かせると思ってコスプレの道へ?
「いえ、そこはまったく関係ないんです。元々はレイヤーさんたちを撮るカメコ(カメラ小僧)側だったんですよ。だけど自分がファンだったレイヤーさんが引退してしまって、だったら自分でもやってみようと」
―それにしても、コスチューム映えする胸ですよね。夏はイベントが増えますが、やっぱり汗には苦労してます?
「はい。私、両胸で5.8kgあるんですね。これを抱えながら夏を過ごしているので」
―2Lのペットボトルを3本胸につけて生きていらっしゃると。
「そうなんです。人より汗だくの人生なんです。だからノーブラの日はスティックタイプの制汗剤を持ち歩いています」
―Kカップでノーブラ!?
「はい。洋服によっては、ブラをすると太って見えてしまうので。そういう時はタンクトップとニプレスの組み合わせにします」
―お出かけ前の準備を詳しく教えてください。
「今日はノーブラと決めたら、出かける前にスプレータイプの制汗剤を脇と胸にシューッとします。左の上乳、右の上乳、そして右の下乳、左の下乳の順です。でもすぐに空になるので、一番大きいサイズの8×4(エ イトフオー)を使っています。
そしてポーチに塗るタイプの制汗剤を入れます。スプレーだと持ち歩き用のサイズでは小さすぎて、3日で空になっちゃうんですよ。汗をかいたな、と思ったら駅のトイレに入って、胸を出して最初に谷間にひと塗りします。
大事なのは下乳なんです。まず谷間のすぐ下。次に胸の深いカーブに沿った部分。脇の付け根に近い部分は特に汗をかきやすいので、念入りに往復して塗ります」
―ではブラをつける時にはどんな工夫を?
「谷間を強調したい服を着たい時にはブラなんですが、特に暑い時にはブラの下にさらにティッシュを挟みます。下乳部分に三つ折りしたティッシュを3枚。だから右と左で合計6枚挟んでいます」
―下乳に6枚!
「高くてやわらかいティッシュはダメ。汗で破れて溶けてしまいます。街で配っている、素材がちょっと粗めのポケットティッシュがよ~く汗を吸うんです。だから池袋は“ティッシュの聖地”だと思ってありがたがっています」
―池袋に通う理由は、“乙女ロード”(オタク女子向けの店が集まる聖地)だけじゃないぞと。
「そうなんですよ。それで一日疲れて、家に帰って服を脱ぐと汗まみれのティッシュがぽとん…と落ちてくるんです。それを拾っているところは我ながら哀愁を誘うなと思いますね…」
* * *
このように、大きなおっぱいの持ち主たちは涙ぐましい地道な工夫と努力を重ねながら夏を過ごしているのだった。
(取材・文/赤谷まりえ 写真/下城英悟 田中一矢)