『週刊プレイボーイ』創刊50周年を記念して行なわれる、アイドルが“グラビア”と“ライブ”で闘うバトルカーニバル『グラバカ!』!
アイドル業界全体が注目するこの戦い。参加するアイドルたちも、気合い充分だ。
2月某日、そのグラバカ!に挑むべく、エントリー中であるアイドルカレッジがお寺で“精神修行”を行なっているという情報が…。そこで早速、現場に突撃し密着取材を敢行。前編記事に続き、本格的な修行の様子をお伝えする!
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境内から本堂まで、しっかりと掃除をしたアイカレメンバー。続いて、彼女たちが行なったのは、「写経」。
そう、お経を書写することである。一般的に写経の目的とは「お経を読んで、実際に書くことで、よりその教えが身に入る」というもの。まさに精神修行にもってこいなのだ。
シンと静まり返る部屋の中で、ただ黙々と写経をはじめるメンバーたち。しかし、なかなかうまくいかない。
「……しまった、文字が一行に入り切らない……」、「あ、一文字、入れ忘れちゃった……」、「漢字、間違えちゃった!」、「……なんか、行が曲がってる気がする……」
メンバーのそんな声が聞こえてくる。
その様子を見ていたアイカレプロデューサーの大住太郎氏は「写経は心の迷いが出ると言います。メンバーもまだ迷いがあるようですね。でも、だからこそこの修行が役に立つんです。3月20日に行なわれる、グラバカ!のライブ編の現場で、もし辛いシーンがあったとしても、この写経で書いたお経が頭の中に浮かび、彼女たちを救ってくれるでしょうね」と、首を何度も縦に振っていた。
写経に続いて「写仏」でも個性が
約40分という時間を使って行なわれた写経に続いて、今度は「写仏」へ。
写仏とは、薄い半紙の下に敷いた如来や菩薩の絵をなぞって、「仏」を筆で描くといった修行だ。実際に「仏」を描くことで、心が落ち着き、心の交通整理ができる。さらに、仏の表情と向き合うことで、慈悲の心が宿る、とも言われている。
写経に続いて、40分。ゆっくりと筆を走らせるメンバーたち。丁寧に描く者、素早く描く者と様々だ。できあがった絵も、筆跡の太さから、線の揺れ具合から、それぞれ個性が出ている。
「食いしん坊のゆるふわお姉さん」こと、河東(かわとう)杏樹は「私は、下から上へ、ということを意識しました。描きにくいところは半紙を回しながら描いたんです。こういった臨機応変なところも学んだ気がします」と満足顔。
「マ イペースなミーアキャット系女子」、中島優衣も「3人は同じ仏さまを描いたのに、個性が出ていてちょっと違うんですよね。私はかなり集中して描きました。 メンバーの中には、話しながら描いているコもいたんで、もっと集中しなくちゃ、グラバカ!で戦うアップアップガールズ(仮)さんやdropさんに負けちゃ うなって思いました」と気を引き締めた。
クライマックスは座禅!
そして本日、最後の修行はメンバー全員が本堂に集合し、座禅を組むことに。今回、お世話になった崇福寺の副住職が彼女たちに語る。
副住職「座禅というものは、しっかり座るということよりも、心と身体を見つめ直すことが大事です。いろんな意識が湧いてきます。肉体、精神、そういいったところを見つめていってください」
メンバー9人が、お互い向かい合って座る。皆、眼をつぶり、集中する。静まり返った本堂に心地よい緊張感が走る。
副住職「頭の中でいろいろ考えて。その頭に出てきたことを、なるべくゼロになるようにスーッと流していきましょう。そうすると、頭の中に新たに考えが出てきます。それも捨てて。そうすると、『この考えも捨てなきゃいけない』と思ってしまいますよね。それもスーッと捨てて。楽にしてください」
頭の中から煩悩を捨てていく。「グラバカ!で勝ちたい」、「アップアップガールズ(仮)に勝ちたい」、「dropに勝ちたい」、「アイカレのメンバーにも勝ちたい」…そんな気持ちもスーッと捨て、頭を空っぽにしようと務める。
副住職「この地球の周りにある宇宙が、大きな宇宙。そして自分の小宇宙と、周りの大きな宇宙は元々、一体化しています。自分の肉体はお父さんお母さんから作られて、そこに存在してる“魂”は向こうの世界からやってきたものです。…元々、肉体と精神は別だった。それは怖いことではありません。そういうものだから…。そして、向こうの世界に精神を持って行けば、精神的にはすごく楽になる。楽にして…」
話は、とうとう宇宙にまで。本堂はその時、大きな宇宙に包まれた。我々も確かに宇宙の存在を感じたような気がした。
やり遂げたメンバーの感想は…
座禅は、約1時間ほど行なわれた。やり遂げたメンバーに感想を聞いてみる。
影澤里南「目をつむっていたら、途中で不思議な感覚に襲われました。『え? 私、今、生きてるのかな?』って(笑)。目をたまに開けて平常心を保ってたんですけど…。でも、一瞬ですけど、頭の中を“無”にできたと思います。嫌なことやピンチの瞬間があったとしても、ネガティブな感情をゼロにして流せる気がします!」
まるで、寝ているかのように、何度も首をカックンカックンさせていた冨田樹梨亜は…。
冨田樹梨亜「寝ていませんよ! 何度か副住職さんに『顔を上げてください』と言われましたけど、寝てはいません。頭の中がボーッとして、ゼロに近づいていたんです。寝てなどいるわけがないです」
川音希(かわおとのぞみ)「精神が研ぎすまされました。もっと、この精神を保ち、集中していきたいので、ライブに向けてダイエットもして頑張りたいと思いました」
そして、実は修行中、あまり集中出来ていなかった最年少13歳の上水口(かみなぐち)姫香。
上水口姫香「座禅をして、心が完全に入れ替えられました! だから、グラバカ!のライブでも、座禅の力でみんなに負けないと思います! 本当です!」
こうして修行を終えたアイカレメンバー。その顔は修行にやってきた数時間前と違い、凛々(りり)しい表情になっていた。それを見たプロデューサーの大住氏は「この修行で我々は、さらに上のステージにたどり着いた」とニンマリ。
3月20日に東京・恵比寿の「CreAto!」で行なわれる「グラバカ!ライブ編」へ待ったなし。この勢いでベルト奪取となるか? 注目したい! ■アイドルカレッジ “清く、正しく、楽しく”をモットーに、元気な笑顔を絶やさないスクール系アイドル。アイドルカレッジは4月20日にニューアルバム『idolcollege』を発売。3月からは東名阪ツアー『アイカLet’s東名阪ツアー2016~「ア」なたと「イ」ま「カ」ら「レ」ぼりゅーしょん!!~』がスタート! ★3/12(土)大阪 心斎橋SUN HALL ★3/13(日)名古屋 大須RAD HALL ★4/2(土)東京 渋谷DUO
(取材・文/篠本634[short cut] 撮影/武田敏将 協力/崇福寺)