「『ポケモンGO』はやりませんでしたが『マリオラン』は確実にやります。楽しみやなあ」と、マリオポーズをキメる有野さん 「『ポケモンGO』はやりませんでしたが『マリオラン』は確実にやります。楽しみやなあ」と、マリオポーズをキメる有野さん

9月7日、米・サンフランシスコで行なわれたAppleのスペシャルイベントで発表されたiPhone&iPad向けアプリ『SUPER MARIO RUN』(スーパーマリオラン)。

ゲームハードのメーカーである任天堂が、スマホ市場についに看板キャラのマリオを投入するという、ゲーム史上、歴史的な大発表。

9月7日の発表会に参加した『週刊アスキー』編集部の伊藤有(たもつ)氏は、スマホ本格参入はキャラビジネスへの戦略転換ではないかと分析するが…。(前編記事⇒『任天堂が看板キャラの“マリオ”完全新作でスマホゲームに本格参入する意味とは…』

これはもう「任天堂さん、どこへ向かっているのですか?」と直撃だ! ということで任天堂へ真っ正面から取材依頼するも「会社方針やIP展開に関する取材は現在は不可」と断られてションボリ…。こーなったら週プレなりに大予想するしか!

まずは、ゲーム愛への強さでこの人の右に出る者はいない、ということで、よゐこ有野晋哉氏に直撃!

―マリオの新作がスマホで出ますが、どう思いますか?

有野「僕は無料のスマホのゲームってどうも合わないので、これまで一切遊んでないんです。でも、任天堂がちゃんと作ったマリオとなれば話は別。しかも今回は縦画面で片手で遊べる新しいマリオでしょ。縦画面のエロ動画も出てるくらいやから、スマホに対応するならとはいえ、マリオ初の縦画面。強制縦スクロールの面があったりしたら絶対面白いですよ。これまでと全然違うユニークな遊び方ができるんやろうな~と今からワクワクしてますよ」

―では、マリオのキャラビジネスについてはどんな展開をしてほしいですか。

有野「まずは大コケしたとされるハリウッド映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』のリベンジしてほしいです。実写でゲーム世界を忠実に再現し『シン・ゴジラ』以上に臨場感のある体感型シアターで。ファミコン『スーパーマリオブラザーズ』の1-2面のような地下ステージはすごくドブ臭くて、『マリオ、こんな臭いとこおったんか』って感じられたり、クッパのステージの炎の熱さとかも体感できたりするような『シン・マリオ』、これはコケそうですね…」

―日本企業ならではの展開としてはどんなものが考えられます?

有野「くまモンの、ほぼ版権フリーな感じを見習って、安倍首相のマリオコスプレのように『米寿のお祝いにおじいさんおばあさんにマリオのコスプレを貸し出す』とか。手には長生きの象徴のカメの甲羅を持たせて」

―巣鴨とかではやりそう!

有野「あとはやっぱり、任天堂のキャラが大集結する任天堂ランド! アトラクションは、自分で運転するマリオカートにドンキーコングの炭坑トロッコ、ミスると池に落ちる。夢がふくらむなあ」

ほんと、夢がふくらみます! USJのマリオのアトラクションが成功することにより、任天堂ランドの構想も現実味を帯びてくるか…?

野望は打倒ディズニー!?

というわけで、任天堂ランド構想の可能性について、経済アナリストの森永卓郎氏にチョーマジメに聞いてみました!

―そもそもハードメーカーとしての任天堂の現状って、森永さんから見てどうですか。

森永「Wiiは1億台以上売ったものの、次世代機のWii Uは1300万台売れたにすぎず、長期低落傾向にあるのは間違いありません。TVを囲んでゲームをする風景がなくなり、シングル世帯が増えてパソコンからスマホになりと、ライフスタイルが激変したんです。そんななか『ポケモンGO』のヒットによってビジネスモデルが見えたんですね。30代までのポケモン世代が熱狂したことでキャラクターの収益力がいかに強いかが見えたわけです。やはりそこでお手本にすべきはディズニーのビジネスモデルなのだと思います」

―任天堂はディズニーの何をどうお手本にすれば?

森永「マリオもポケモンもすでに世界的に人気のキャラクターなので、映画や『ディズニー・オン・アイス』のようなライブショー、キャラクター商品、テーマパーク展開をしていくことです」

―そこで任天堂ランドの実現ですね。だいたい構想何年といったところでしょうか?

森永「やはりこれから10年構想くらいのスパンで考えていくのがいいでしょう。ちょうど2037年にリニア新幹線が奈良か京都かのどちらかのルートで開通予定なので、そのタイミングに合わせ、立地もどちらかで。USJの成功により、関東近郊じゃなくても集客は見込めることが証明されたので、奈良か京都なら外国人観光客の集客も見込めますし」

―では最終的な任天堂の野望はなんだと思いますか?

森永「当然、打倒ディズニーです! それにはもっとディズニーから学ぶことです。例えば、ディズニーが『スター・ウォーズ』の権利を買ったようにキャラクターの買収を徹底的に行なうことなどです」

以上、ややぶっ飛び感のある任天堂の野望を勝手に予想しちゃいましたが、任天堂さん、ぜひとも実現してください!

(取材・文/河合桃子)