「動くパワースポット」加山雄三(左)とスチャダラパー・Bose(右)の対談が実現!

4月に80歳を迎えるスーパーレジェンド加山雄三。それを記念して、加山の持つ人気楽曲のオリジナルデータが解禁された。それがこのリミックスアルバム『加山雄三の新世界』だ。

ECD、ライムスターらベテラン勢に加え、加山の代表曲『お嫁においで』のリミックス版PVがYouTubeで再生回数200万回を突破したPUNPEEに、水曜日のカンパネラ、ももいろクローバーZといった世代を超越したメンバーが、加山雄三のヒットナンバーを大胆不敵にリミックス。

前編記事に続き、このアルバム発売を記念し、加山雄三ご本人、アルバムにも参加しているスチャダラパーのBoseによるスペシャル対談スタート!

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■俺、腰が痛くなるなんてことはまずないんだよ

―今回お話を伺ってても、加山さんってまったく年齢を感じさせないですよね。

Bose ホントそうですよ。人って、中身が若ければいつまでも元気にやってけるんだっていう見本みたいな方ですよね。「動くパワースポット」って呼んでるんですけど、加山さんが来るとやる気が出て、若返った感じになる(笑)。

加山 ポジティブな人にはポジティブなものが寄ってくる。ネガティブなやつにはネガティブなことしか集まってこない。引き寄せの法則っていうけど、それはホントにそうだなって思うね。

―最近はフェスなどでライブをやられていますが、どうですか?

加山 次元が違うなって思うよね。次元が違うっていうのは、俺の中にあるひとつの理想の所へ行ってるわけだよ。俺は昔、ホントにロックがやりたくて、エルヴィス(・プレスリー)のまねして曲を作ったんだ。そしたらプロデューサーが「英語なんてダメダメ」ってやめさせられちゃって。でも、俺の本質的なところは何かっていったらロックだったんだよね。だから今そういう舞台へ行くと、その頃にちょっと戻れるわけだ。

Bose この年齢でそれをやれちゃうのがすごいですよ。先日、個展やるために油絵を描いてるっていう話をLINEでもらったときも、あっさりと「これをあと10枚描く」みたいな(笑)。レベルが違いすぎる。ホントは加山雄三は何人かいるんじゃないかっていうぐらいのバイタリティで。

加山 だからゴーストライターがいるとか言われちゃって。俺の個展の会場でひどい人がいたんだよ。俺が黙ーって後ろにいたらね、おばさんが連れに「この絵はみんなね、ゴーストライターが描いてるのよ」ってずーっと言ってるんだよ。

Bose そうとでも思わないと理解できない量とクオリティってことですよ。

俺、腰が痛くなるなんてことはまずないんだよ

―常に新しいことをやり続けている、その現役感がとてつもないですよね。

加山 それは若いスタッフがいるからだよ。ウチの会社の人間、平均年齢30歳。俺に全然敬老の精神がない(笑)。

Bose 「個展までに絵をあと20枚描いてくれ」とか平気で言ってますからね(笑)。

加山 個展でまさかと思うくらい売れちゃって、足りなくなったってんで、描いてたらさ、さすがに腰が痛くなったんだよ。絵を描くとき、油は相当(手に対する)抵抗感があって、50号ぐらいだと地塗りしてるだけでかなり右腕を使うわけ。それを毎日5点ずつぐらいやったら背中の右側が腫れてきたんだよ。俺、腰が痛くなるなんてことはまずないんだよ。でも、マッサージチェアに乗って、風呂入って、またマッサージチェア乗って、痛み止めを塗ったら3日で治ったけどね。

Bose 80歳まで痛くなったことがないっていうのが異常ですよ(笑)。僕パソコンとかやったらすぐ痛くなります。

加山 そうなの?

Bose 昔のスキーの話を聞いても、加山さんは「土台が違う」感じがしますから。ホントに映画の若大将シリーズのキャラみたいで。

―『アルプスの若大将』(66年)では、ご自身がマッターホルンの雪山を思いっ切り滑ってますもんね。

加山 俺がガンガン滑ってるのをヘリコプターから撮ったんだよ。それを「あれはスタントマン」とか言われてさあ。

Bose 絵と同じじゃないですか。いつの時代もそういうこと言われてる(笑)。

加山 俺は25、6の頃、素潜りで4分3秒潜ってられたんだよ。

Bose 『グラン・ブルー』のジャック・マイヨールじゃないんだから(笑)。

加山 あの人は6分台だろ。

Bose 加山さんの4分も十分すごいですよ!

『バイオハザード7』ヤバいよ、アレは!

―比較する相手がおかしいです(笑)。

Bose あと、ゲームに関しても、僕らゲーム好きとしては、加山さんがナイフ一本で『バイオハザード』クリアしたとか有名じゃないですか。光進丸に乗せてもらったら、加山雄三モデルのPS3があったりして、伝説は本当だった!みたいな(笑)。

加山 光進丸がプリントしてあるヤツな。PS3からメモリーカードじゃなくなって、プレイの続きをしたいときは本体そのものを持って歩かなきゃなんないんだよ。

―ちなみに最新作の『バイオハザード7』はどのハードでプレイを?

加山 VRの『バイオハザード7』だよ。怖(こえ)えのなんの。ヤバいよ、アレは!

一同 (爆笑)

加山 今まではカーソルでやらないといけなかったんだけど、今度のは、そこに敵がいたなって思ったら目線でそこに弾が当たるんだよ。それがVRの最高のところだよ。

Bose ……っていう80歳ですからね。本当にどうかしてますよ(笑)。僕なんかVRは酔うから無理ですもん。

加山 俺は酔わないよ。全然平気だからね。それはやっぱりガキの頃から船に乗ってるってのもあるんだろうけどね。

Bose 光進丸に乗ってる感じが体感できる『VR光進丸』っていうのを出してもいいんじゃないですか(笑)。

加山 肉焼いて「おまえ食え!」って会話ができたり、タコのお化けとか出てきて、それを倒すとかできたらおもしろいねえ。それ、カプコンに話持っていこうよ。

(取材・文/モリタタダシ[Homesize] 撮影/松木宏祐)

●加山雄三(かやま・ゆうぞう)1937年生まれ。俳優、ミュージシャンとして数多くの作品を世に送り出す。現在はソロ活動のほか、ロックバンド「THE King ALL STARS」でも活動。REMIXアルバム『加山雄三の新世界』に続き、80歳の誕生日翌日となる4月12日(水)には井上陽水、福山雅治らが参加した生誕80周年トリビュートアルバム『Respect KAYAMA YUZO』(ドリーミュージック)が発売予定。4月21日(金)には東京国際フォーラムで80歳記念ライブを開催予定

●Bose(ぼーず)1969年生まれ。ラッパー。ANI、SHINCOとスチャダラパーで90年にデビュー。加山率いる「THE King ALL STARS」にスチャダラパーで参加するほか、昨年開催された「ゴー!ゴー!若大将FESTIVAL」では加山とともに司会を務めた。現在は加山司会の音楽番組『歌っていいだろう』(BS朝日、毎週木曜23時~)で進行役として出演中。4月15日(土)には毎年恒例のスチャダラパー日比谷野外音楽堂ライブ『スチャダラパーライブ 2017年 野音の旅』を開催予定。開場15:30/開演16:30。会場:日比谷野外大音楽堂。チケット絶賛発売中! 詳しくはホームページをチェック http://www.schadaraparr.net