あの国民的バラエティ番組のスピリットを引き継ぎ“友達の輪”を!とスタートした『語っていいとも!』。
第50回のゲストで芸人・タレントの渡辺直美さんからご紹介いただいたのは女優の二階堂ふみさん。
2007年にデビュー、17歳で日本人初となるヴェネツィア国際映画祭・最優秀新人賞を『ヒミズ』で獲得するなど、キャリア10年にして代表作多数。今、最も引っ張りだこな女優のひとりといえる。
来年2月16日公開の主演映画『リバーズ・エッジ』も話題となること必至で、そんな彼女に多忙な中、お時間をいただいたーー。(聞き手/週プレNEWS編集長・貝山弘一)
―友達の輪を渡辺直美さんから繋がせていただいて。二階堂さんが連載開始からちょうど50人目です。
二階堂 わあ、すごい。ありがとうございます。嬉しいです!
―おふたりはやっぱり“ぐるナイ”の『ゴチになります』から共演されて…。
二階堂 そうですね、そこで初めてでした。ずっとご一緒したくて、いつかお会いできたらと思ってたら、まさかの“ゴチ”で。すごい楽しかったです。
―そこから一気に距離が近づいた感じなんですかね。
二階堂 結構、いろいろお話してます(笑)。直美さん、オシャレで可愛くて大好きです!
―インスタのピンクの衣装で撮ったツーショットもすごい大反響だったみたいで。
二階堂 そうですね(笑)。ピンク好きです。それで、一緒に撮ろうよって言って下さって。カリスマ性があって、ほんと頭良い方ですしスマートな方だなと思います。
―それはすごく感じました。お話ししてても、すごく刺激受けるんじゃないですか?
二階堂 そうですね。人間的な優しさであったりとか、当たり前のことをちゃんと当たり前にできる方で、お会いするとすごく身が引き締まります。
―確かに、あれだけ有名になりながら、すごく真っ当というか。自分を客観的に見て、冷静に変わらない感じが素敵だなと。その直美さんからは逆に「いつもすごくリスペクトしてます」っていうメッセージをもらってますが。
二階堂 え、ほんとですか?! 嬉しいです。ありがたいです。
―いつも番組では自分が下ネタ言って「それに苦笑いしてるふみちゃんを見てるのが実は楽しくてやってるところもあります」って(笑)。
二階堂 ほんとですか? そんな下ネタ言いますっけ、直美さんって(笑)。
「全然違うものを見せることができたら」
―じゃあ直美さんが勝手に思ってるだけと(笑)。二階堂さんには去年の10月にちょうど週プレ本誌の創刊50周年で、なんとメモリアルな表紙&巻頭グラビアまでやっていただいたんですよね。
二階堂 そうですね! ありがとうございました。お世話になりました。
―いえいえ、こちらこそ。あんなバニーの衣装まで着ていただいて。早いものでもう1年以上ですけど。
二階堂 本当に楽しい撮影でした。あのバニーもそのために仲間内で作ったものだったので、それも含めて素敵な思い出です。
―そのコスチュームもですし、アドボードにもなって巨大な看板が街中のあちこちにね。周囲の反響はどうでしたか。
二階堂 すごくよかったねとか、たくさんのお声をいただいたので嬉しかったです。
―実際に自分の姿が街中に飾られてるって、本人的にはどういう気分なんですか?(笑)
二階堂 頑張ってよかったなって思いました(笑)。普通に嬉しかったです。
―その時のインタビューでも、いい意味で裏切っていきたいと語ってましたよね。グラビアでも『ゴチになります』のようなバラエティ番組に出演するのも、そういう表れなのかなと。
二階堂 そうですね。まだ23年しか生きてないですけど、その中で節目になることであったり、挑戦であったりは結構そういう感覚に近いかもしれないです。毎回毎回、全然違うものを見せることができたらなっていうのはいつも思います。
―ああいうバラエティも出るんだ?っていうだけで、驚かれたりもしてね。
二階堂 はい。すごい反響いただいて。“ゴチ”をきっかけにたくさんの方と出会えましたし! それでいろんな方にも知っていただけて。ロケとかしていると応援してるよって、お言葉をいただけたり。すごく嬉しかったですし、本当に幸せでした。
―急にそれでオリンピックで金メダル獲ったみたいに、知らない友達や親戚が連絡をくれたりとかはなかった?(笑)
二階堂 なかったですね(笑)。
―そういう裏切りで印象を変えて、違う一面もあるということを見せるのがまた自分でも楽しめたり。
二階堂 本当に勉強になりました。バラエティだと別に何かの役で出ているわけでもないですし。ナイナイさんをはじめ、長く第一線に立ってバラエティを作られている方とご一緒すると、やっぱりすごい面白いなとかカッコいいなとか、ずっと感じながらやっていました。すごく贅沢な現場に行かせていただいていたと思います。
「もう十分、甘えてきたんですけど…」
―これまでは、映画の役でいうと結構シリアスな、狂気であったり暗さであったり、エキセントリックな立ち位置のイメージも強かったりして。それとは違う一面を見せられた?
二階堂 一時期そういう作品が少し多かったですけど、最近はいろいろな作品に携わらせていただいているので。役を通していない私な感覚だったと思います。
―これまでは自分の中ではっきり明確な転機があったわけでもなく、毎回、作品ごとに新しい自分をリセットして出せてるんでしょうか。
二階堂 監督によって現場の空気であったり、作る目的のものも違いますし、毎回いろいろなものを得ている実感はあります。
―舞台も『不道徳教室』(2013年)『不倫探偵』(2015年)と観させてもらってるんですが。それも魅力的な存在感を発揮している印象で。まだ意外と4作くらいですが、やはり違う広がりを感じたり?
二階堂 舞台は独特な緊張感がありますね。またこれからも挑戦したいと思っています。
―『不倫探偵』なんか松尾スズキさんの真骨頂で、もちろんすごく大変でしょうけど、それをノリノリでテンション高くこなしてるように見えましたが。
二階堂 あの作品もすごく楽しかったですし勉強になることばかりでした。自分の身を演出家である松尾(スズキ)さん、天久(聖一)さんに任せて、違うものが開かれるような感覚もありました。踊ったり、体動かすのが好きなので、そういう作品が舞台でもできたらいいなと思っています。
―ちょうど『ゴチになります』の卒業も発表されてましたが、また舞台含めて他のチャレンジに向けて、新しい自分の時間を作りたいということでしょうかね。
二階堂 “ゴチ”に出させていただいて本当に世界が広がって、もちろん迷ったんですが、今の自分の年齢でもっと勉強したいなってこととか、俳優としての自分を見つめ直したいと思いまして。
もっと頑張りたいという気持ちもあったんですけど、来年24になるので、ずっとやりたかったこととか、場所を変えてみたり、挑戦的な気持ちでやりたいと思っています。
自分勝手な選択だったことも重々わかっているのですが、相談したらスタッフの方々が送り出してくださったので。もう十分、甘えてきたんですけど…ここでも甘えさせていただこうと。
―ちょうど直美さんも、今年は『カンナさーん!』の主演もやって、来年はひと段落して、また留学にでも行って、新たな仕込みをしたいと仰ってましたが。だいぶ仲良くなったところで、悲しがってませんでした?
二階堂 寂しいよって言ってくださいました。でも、また大きくなって、お世話になった方々に貢献できるように頑張ろうと思います。
●語っていいとも! 第50回ゲスト・二階堂ふみ「若い時って、人を傷つけて成長していくものだろうなって…」
(撮影/塔下智士)
●二階堂ふみ(にかいどう・ふみ) 1994年9月21日、沖縄県生まれ。07年に女優デビュー。17歳にして日本人初となるヴェネツィア国際映画祭・最優秀新人賞を『ヒミズ』で獲得。主な出演作に『私の男』『蜜のあわれ』『何者』など。16年1月には「ぐるぐるナインティナイン」の最年少ゴチメンバーとなりレギュラー出演。今年11月には女優業に専念するため卒業を発表。来年2月16日公開の主演映画『リバーズ・エッジ』も控える。