毎日毎日、うだるような暑さが続く日本列島。打ち水などで少しでも体感温度を下げようとしているが、もっと確実な方法があった。
これまでにあまりウケなかった『コウメ日記』を披露したコウメ太夫に続き、一瞬で凍りつくような寒さが得られるお笑い芸人の「スベった話」。これで猛暑も乗り切れる!
* * *
ふたり目はこの人!
「スギちゃんだぜぇ。まずは挨拶代わりの一発。ワイルドな俺を見せてやるぜぇ。
スギちゃん、テレビ買ったぜぇ。これがそのテレビのリモコンだぜぇ。全部、黒く塗りつぶしてやったぜぇ。どれがなんのボタンかわからなくなったぜぇ。ワイルドだろぉ。
面白くないだろぉ。寒いだろぉ。コールドだろぉ。
スギちゃん、昔はもっとスベってたぜぇ。マネキンを使ったネタをやってたぜぇ。
どの現場に行くにもマネキンの上半身と下半身を分けて、手と脚を外して持っていってたぜぇ。自転車に乗るときはカゴに置いた袋から白い脚とかが出てるんだぜぇ。
ライブ終わりに自転車で帰っているといつも警察に止められてたんだぜぇ。ワイルドだろぉ。
警官『なんだこれは! 盗んできたのか?』
スギ『いや、僕、アパレルで働いているんです』
警官『ウソつくんじゃない』
たいてい、こういう会話だったぜぇ。
マネキンでどんなネタをやってたかって? マネキンの脚にロープをつけて、『ダルマさんが転んだ』と言いながらロープを引っ張る。すると、少しずつ近づいてくるだろぉ。それで振り返るときに引っ張るのをやめるとマネキンが止まるので『お、こいつ、うめえな』って言って、また『ダルマさんが転んだ』ってやるんだぜぇ。
それを続けているとマネキンが背中に着くので、タッチされたということで『1、2......10』まで数えて振り向くと、逃げてないから『逃げろや!』っていうオチになるんだぜぇ。
どうだ。コールドだろぉ。
で、次にそのマネキンをマイク代わりにして、矢沢の永ちゃんみたいに脚のほうを蹴っ飛ばしたら、上半身と下半身をつないでいる出っ張りが折れちゃって、テープで貼って直したんだけど、次のステージでダルマさんが転んだをやったとき、ロープを引っ張ると下半身は近づいてくるのに上半身はゴロンと倒れちゃって大変だったぜぇ。
それで、大きな道具を使わずに衣装ひとつで何かできないかと考えて生まれたのが、"ワイルド"だったんだぜぇ。
最初のネタは、いつも2リットルのペットボトルの水を持ち歩いていたんで、これ、キャップがなくなったら大変だろうなと思って、『2リットルの水のキャップ、捨ててやったぜぇ。ワイルドだろぉ』ってやつだったぜぇ。
次が、2リットルの水のペットボトルを2本持って、『これ、何か知ってるか? コンタクトレンズ入れに使ってるんだぜぇ。1個ずつ入ってるんだ。小さいのでいいのに、俺はこれでやってる。腕がパンパンになるぜぇ。ワイルドだろぉ』っていうやつ。
これが全然ウケなかったぜぇ。ほかには......。
『魔法瓶に常温の水を入れてやったぜぇ。次の日、飲んだぜぇ。常温だったぜぇ。魔法瓶のおかげかどうかわからないぜぇ。ワイルドだろぉ』
どうだ、寒くなっただろぉ。
最後に最近のネタをやるぜぇ。『サスペンダーしてるのに、ズボンが下がっちゃうんだぜぇ。なんでかわかるかい?(上着をめくって)パンツにサスペンダーをしてるからだぜぇ。ワイルドだろぉ』
『スギちゃん、冬でもノースリーブだから寒いだろうと、ファンの皆さんから携帯カイロをもらうんだぜぇ。それをベストの裏につけてるんだぜぇ。こんなふうに(とベストの裏を見せる)。袋のままだぜぇ。発熱してねえぜぇ。ワイルドだろぉ』
そして、コールドだろぉ」
★明日配信予定(15日)では、HG以外のキャラをレイザーラモンHGが語る!
●スギちゃん
2012年『R-1ぐらんぷり』で準優勝しブレイク。「ワイルドだろぉ」が、2012年の新語・流行語大賞に。ツイッター【@wild_sugichan】のフォロワーは約12万8000人