グラビア撮影後日、週プレ編集部を訪問。海千山千のグラビア編集者たちが二度見するほどの美貌と愛くるしさ、そして初々しさが彼女の魅力です グラビア撮影後日、週プレ編集部を訪問。海千山千のグラビア編集者たちが二度見するほどの美貌と愛くるしさ、そして初々しさが彼女の魅力です
「中国のシンデレラ」――。人は彼女をそう呼ぶ。現在24歳のロン・モンロウ(栗子)ちゃんは、昨年末にSNSへの投稿がきっかけでその美貌が日本でも話題となり、日中両国のネット上で人気が急上昇。今年6月には、楽曲『PLANET』で日本での歌手デビューを果たした。

8月27日発売の『週刊プレイボーイ』で表紙・巻頭に抜擢されたロンちゃん。今はまだルックスの話題が先行しがちな彼女だが、しかしその経歴は実に興味深い。

インタビュー後編となる今回は、日本でのタレント活動に至った経緯などを明かした前編に続き、湖南省奥地の少数民族出身というルーツについてなどを語ってもらった!!

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■"シンデレラ"たる彼女のルーツ

彼女から強く伝わるのは、近年の日本のみならず、中国でもなかなか見ない「ピュアさ」や「ひたむきな素直さ」だ。どうやらその理由は、内陸部の湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州の百家村、という農村地帯で生まれた生い立ちとも無縁ではないらしい。

――ロンさんが生まれた村って、どんな場所ですか?

ロン 棚田があるとてもきれいな村で、山深い自然が豊かな場所ですよ。自給自足の村ですね。

――ロンさん自身も、漢民族ではなく少数民族の土家(トゥチャ)族出身ですよね。

ロン トゥチャ語は話せませんが。トゥチャ族は歌が好きなので、私もちょっと影響されているかも。いつか、トゥチャ族の山歌(シャンゲー[民謡のこと])も歌ってみたい。

――湘西はキョンシーの伝説の起源になった伝説(屍[かんし])とか、虫を使った呪術(巫蠱[ふこ])とか、そういう伝説も多い地域です。小さい頃、オカルトな体験をしたことは?

ロン えーっ、ないですよ! 確かに、故郷はそういう伝統的な言い伝えがたくさんあるミステリアスな場所なんですが、私はキョンシーを見たことはないなあ......。

――ご実家のある百家村を地図で調べると、かなりの山奥です。子供の頃、学校に通学するのは大変でしたか?

ロン そうですね。今は村に小学校ができたので、弟はそこに通っていますが、私が小さいときはまだ開校していなくて。隣の町の小学校に通っていました。中学校のときは、学校の寄宿舎に住み込みで、週末だけ村に帰るみたいな感じです。高校もやはり、近くの街にあるトゥチャ族の民族学校に進学して、そのときは毎日母に車で送ってもらっていました。

――中国は教育環境の地域格差が大きい国です。湖南省の山奥の学校から、難関校の上海海洋大学に進学するのは大変だったんじゃないですか?

ロン そうですね、地元は田舎だったので、教育の水準は高くなかったですし。それに、上海の大学から湖南省に割り当てられている合格者予定人数も限られていました。なので、ものすごく勉強したんですよ。

――どのくらい?

ロン 高校生のときは、朝6時から深夜1時まで、基本的に食事以外の時間は全部、勉強。

――す、すごい。過去に芸能活動よりも進学を優先させたのも納得ですね。6月に卒業した上海海洋大学では、海の勉強を?

ロン いえ、総合大学なので私は経済学専攻でした。卒論のテーマは「わが国の中小企業融資におけるリスクと見解」です。

――勉強家なんですね......。日本に来てから、中国が懐かしくなったときはどうしています?

ロン スマホアプリのテレビ電話機能で母とよく話しているので、そんなにホームシックにならないんですよ。日本の食事にも慣れてきたし、大丈夫。どうしても地元の味が恋しいときは、自分で作っています。普段から、基本的に自炊です。

――それはどんな料理を?

ロン 湖南省は辛い料理をよく食べるので、肉をトウガラシで炒める小炒肉(シャオチヤオロウ)とか。麻婆豆腐も作りますよ。故郷から調味料を持ってきています(笑)。

■歌手としての壮大な野望

――ところで、ロンさんは今年6月に日本で歌手デビューを果たしましたが、好きなアーティストは?

ロン 中国国内の流行曲よりもJ-POPをよく聴きます。日本だと、AAA(トリプル・エー)さん、ビッケブランカさんが今は好きです。ビッケブランカさんは中国でも人気で、NetEase(中国の大手ポータルサイト)のチャートで1位になったこともあるんですよ。

――目標にしている女性の歌手や芸能人っていますか?

ロン 日本では満島ひかりさんです。大ファンです。中国では......こちらは「仰ぎ見る理想」という感じなんですけど、テレサ・テンさん! 私が小さい頃に亡くなった方ですが、日中両国で活躍されて、中国では今でもテレサさんの曲がよく流れている。尊敬しています。

―9月には新曲の『TOKYO漫歩』がデジタルリリース予定です。

ロン デビュー曲の『PLANET』(ラムジの同名曲のカバー)はスローテンポで、感情を込めて歌うようにしていましたが、『TOKYO漫歩』はEDMっぽくて活発な感じ。声の中にも元気さや明るさを表現して、東京を散歩する人の気持ちを表せるような楽曲になっています。

――楽しみですね。

ロン はい。私自身、東京の街が好きなんです。同じレコード会社でお世話になっている女のコたち(日本人)とよく渋谷でブラブラしているんですが、すごく楽しい! そんな思いを反映して歌っていきたいなと思っています。

――歌手として次に挑戦してみたいジャンルはありますか?

ロン 一番やってみたいのはダンスミュージック! たくさん汗をかくような、アップテンポの曲を歌ってみたいです。

―今後の目標は?

ロン 全国ツアーを毎年できるくらいのアーティストになりたい。サイン会や握手会も、もしもファンの方から要望があればやってみたい。あと、『紅白(NHK紅白歌合戦)』出場です!

―すごい。大きな目標ですね。ちなみに中国でも旧正月の大晦日に『春節聯歓(れんかん)晩会』という番組がありますが、こちらは?

ロン どっちも出ます!(笑)

●週刊プレイボーイ37号(8月27日発売)『表紙の美女 ロン・モンロウ』より